プリンセス・トヨトミ (文春文庫 ま 24-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167788025

感想・レビュー・書評

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  • 万城目作品はこれで2冊目。
    『とっぴんぱらりの風太郎』を読んで、ブクログのレビュー見たら、『とっぴんぱらり〜』の続きが『プリンセス・トヨトミ』ということを知り、読んでみました。
    映画も知らんし、刊行順を遡る読み方をしてる感じです。

    まず思ったのが「説明なげー」という……申し訳ないが、そう思いましたね。確かに、大阪冬の陣や夏の陣とか、豊臣家の歴史とか、辰野金吾の説明とか。必要だよ。『とっぴんぱらり〜』読んでたら、大阪冬の陣夏の陣と豊臣家の歴史の説明は2回目だし、私は辰野金吾(たまたま)知ってたから、そのあたりは斜め読みしました。

    で、話的には大阪国が立ち上がったところからが面白い。
    「どーなんの、これ?」
    とか
    「合図って?」
    とか。
    設定もなかなか……というか、こういう視点で豊臣家を捉えるかっていう。奇抜な発想。
    多分、万城目さんが書きたかったんだろなって思った。正直、主人公は誰?て感じ。タイトルはプリンセスだが、別にプリンセスが主人公って感じでもないし。会計検査院でもない気がする。だから、これは設定がいいのです。まー、鳥居さんは愛着もてるキャラではある。

  • 『鴨川ホルモー』の万城目さんの最新刊。
    しかしどっからくるんだ、この発想!『鴨川ホルモー』も十分に破天荒なファンタジーだったけど、それを上回るよ。まあファンタジー要素が少ないのか?
    大阪に実は”大阪国”があり、その本拠地?は大阪城の地下。彼らの目的は”豊臣秀吉”の末裔である”王女”を守ること。そしてその国を守るために、日本国から年間5兆円もの予算が出ている。そこに会計検査院の調査が入る…って、なんっじゃそりゃ!すげえ…。
    しかしキャラの魅力という点では、圧倒的に『鴨川ホルモー』だな。
    あと読了後思ったけど、若干『ダ・ヴィンチ・コード』とかぶるよね。今話題だからかもしらんが…。

  • 落ち着いて読めなかったためか、そこまで引き込まれなかった。男のロマン的なものが理解できなかったせいもある。

    • komoroさん
      そんな時もありますよ。またいつか読み直すのもいいと思います。
      最近は僕も本を1冊読みきることが出来ません。
      そんな時もありますよ。またいつか読み直すのもいいと思います。
      最近は僕も本を1冊読みきることが出来ません。
      2016/08/27
  • なんで大輔がオネエ設定じゃなきゃいけないのか??大阪的スパイス??
    作者の育った地元を題材にうまれたファンタジー。子供むけかなぁ。

  • うーん期待よりは↓。。「大阪全停止」この映画化コピーは印象に残っていて。鴨川ホルモーで知った万城目作品が原作と知ったから嬉々として借りてきたんだけれど。んー。男ならロマン感じるかなぁ。女は正直、そんな、入り込めないかもしんない。。このシステム、守る意味が、納得できない。し、羽柴と橋場、すぐぴんときちゃってたし、ましてや「茶子」だし。そこが意外でもなんでもなかったのが、もっとなんかネーミングなかったのかと。男の酔狂に付き合う女、みたいなとこを女は楽しめばいいのか。大阪のおばちゃんたちは5億円の無駄遣いにこない寛大やないで、たいがいにし。なんか展開も、いまいちハラハラできなかったし。ましてや映画化、鳥居を女性にしちゃったみたいだけどどうなのかなこれ、旭は男になったみたいだけどどうなのかな。成り立ったのかな。だからもう映画化を見ようとは思わないし。
    こんなして茶子がなにも知らずに末裔残さず死んだらどうすんの、そんときはどうすんの。大輔がそれを負うの。
    なんか、ジャンプ的ロマンではあるけど、いまいち入り込めなかった、男の身勝手さありきの、ファンタジー、です。でもミラクル鳥居の外伝がでるならめっちゃ読みたい。結果☆3つ。

  • 映画などのストーリー情報を一切入れずに初読。映画のポスターを見て、てっきりシリアスな話かと思っていたのだが、どうも井上ひさし的なホンワカするコメディーだった様子。ある意味、歴史小説の現代版パロディといったところ。「松平」「真田」「蜂須賀」なんていう名前ばかり出てくる時点で察するところではある。

    内容は、会計検査官が、大阪の裏に存在する謎の組織に勝負を挑む、なんて書いたらかっこいいのだけど、蓋を開けてみたら、松本大洋が描いたらしっくり来そうな架空の下町の日常+αな話。別の例えを出すなら、じゃりン子チエですかね。そこまでが1章の感想であり、結局最後まで間違っていなかった。

    外側のプロットは大きい構造なのだけど、じゃあ中で何が有るかというと、取り立ててすごいイベントが有るわけでもない。さらに、ものすごく調べつくして書かれたところもなく、はよ言えば、長い割に内容は浅くてあっさりである。

    若干難なのは、何かが起こった時に、いちいちその当事者の視点に立ち返って、時間を戻して検証するという、シャックリをしているような文章はいかがなものかと思った。特に冒頭で出し部分では、そこれが更に細かく有り、1行で済む表現に3行ほどかけているのは大きくマイナス。

    まあ、日本の漫画かアニメの原作(もしくはノベライズ)という浅い話なので、気楽に読むには悪く無いと思う。とりたててすごい話ではなかった。

    感心したのは一つ。大阪の地理が詳細に書かれていること。そこから予想していたとおり、どっぷり大阪の人なんよね。その大阪の人が外の視点から、コテコテのステレオタイプな大阪を想像して書きました、という類の文だけど、明らかに突放しきれていない優しさが透けて見える所は、この本の最大の魅力でも有る。

  • 大阪の描写等が事細かに出ていたのであとがきのエッセイを含め、自分は大阪府民ではないが大阪への愛情を感じさせるなと思った。登場人物は皆良い個性を出している人ばかりで、特にミラクル鳥居が良い存在感を出していた。終盤で旭が鳥居の母を演じているシーンはカタコトの言葉が印象的で思わずクスリとなった。調査官3人のやりとり、中学生のやりとりは心地よい面白さである。関西弁が印象に残る。ファンタジーであることは重々承知しているが、大阪国構想という壮大なテーマを個人的にはもう少し掘り下げればより面白いと思う。

  • 万城目さん作品二作目。この人の世界観はどっぷり浸かりすぎて、読後抜け出すのに少し時間がかかるほど。先に映画を見てしまったのでキャストのアンバランス感や、ストーリーの相当な簡略化&作り変え?に驚いた…(´・_・`)先に本読めば良かった。もう大阪民は秘密を共有してるんじゃないかと思っているくらい、万城目ワールドは好きです♡

  • 吉里吉里人のような面白さ。

  • 序盤まではワクワクしながら読んでいました。
    中盤以降は冗長した展開で中だるみ。
    ラストで若干の盛り返しがあり読了しました。

    大阪国という設定にインパクトがありすぎて、
    それに相対するテーマが弱かった、もしくは確立できていためだんだん飽きてきました。
    最後の方でそれとなく事態は収束していきますが、大阪国という奇抜な設定を受け止めるだけのモチーフは感じられませんでした。

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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