ひかりの剣 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167790011

作品紹介・あらすじ

覇者は外科の世界で大成するといわれる医学部剣道部の「医鷲旗大会」。そこで、桜宮・東城大の"猛虎"速水晃一と、東京・帝華大の"伏龍"清川吾郎による伝説の闘いがあった。東城大の顧問・高階ら『チーム・バチスタ』でおなじみの面々がメスの代わりに竹刀で鎬を削る、医療ミステリーの旗手が放つ青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 「チームバチスタ」で有名な海堂さんが書いた、剣道青春小説「ひかりの剣」です。

    私自信、剣道の経験は全くないのですが、小さい頃の憧れからなのか?最近、剣道小説を続けて読んでいます。

     この「ひかりの剣」は、医療小説と言えば!の御自身が医師である海堂さんの手によるもの。
    主役は、「ジェネラルルージュ」の速水晃一。「ジーンワルツ」の清川吾朗。
    キーマンとして、「チームバチスタ」「ジェネラルルージュ」「ブラックペアン1988」の高階権太。
    恐ろしく魅力的な布陣です。

    医科大学の剣道部が舞台です。若き頃の各人の“咆哮”のような熱い小説。

    それでも、あくまでも医師のしての視点で書かれていて、医療の問題点も突いている所が海堂さんらしい感じ。

    予想外にちょっと。いや、かなり感動しました。
    さすが海堂さん!!

  • 武士道エイティーン読了からの~、医学部剣道ストーリー。
    男と男の真剣勝負ってなんでこんなにかっこいいのか。

    時は1988年、覇者は外科の世界で大成すると言われる医鷲旗を巡り、闘志を燃やす医学部剣道部の面々。

    帝華大の伏龍 清川吾郎、東城大の猛虎 速水晃一。真逆とも言える性格の2人の対決、勝つのはどちらか。

    武道の世界は全く分からないけれど、2人はもちろん、崇徳館のタコ坊主天童、極北大の技のデパート水沢、兄への反発を原動力にする弟 清川志郎、隠し球のサブマリン 朝比奈ちゃん、阿修羅の名を持つ顧問の高階医師…キャラが皆生き生きしていて対戦の迫力がすごかった。
    誰もが負けず嫌いでそこがたまらない。煽り合い最高。

    当時は運動部で活躍する学生はボトム20(入学試験が下から数えて二十番目まで ) が主で、外科や救急などの修羅場で頭角を現すのもたいていボトム20だったとか、小ネタも興味深い。

    勧誘の場面では軟式庭球部が美女軍団を引き連れて新入生をかっさらい、ガタイはいいが少し鈍い連中はラグビー部の地引き網とサッカー部のブービートラップ、剣道部も熾烈な争奪戦の末新人を確保…この勧誘合戦の激しさがなんだか微笑ましくもあり。

    この速水が後にジェネラルルージュの 速水先生に、清水がジーンワルツの産婦人科 清水准教授になるとは…

  • 少年漫画みたいなキャラの立ち方で、わくわくと楽しめます。
    あのジェネラル・ルージュ、速水晃一医師の若き日。
    東城大学医学部の学生で、まだ進路も詳しくは決めていない。
    授業はさぼるが、剣道部は欠かさない。剣の道は真っ直ぐに追求していた。硬派だったんですね。
    帝華大学の清川吾郎とは、同学年のライバル。
    こちらは剣道部をさぼり気味のシティボーイ。有り余る才能をもてあまし、その世界を疎んじて本気にならなかった。
    ただ速水との出会いでライバルと強く意識し、個人的に速水にだけは負けたくないと思い始める。
    それをおもしろがった高階教授に、負けたら丸坊主と約束させられる羽目に。
    大学医学部剣道部の大会で、医鷲旗を争うことになるが…
    帝華の顧問だった高階教授が東城大学に移ることになる。
    あの高階教授の、まだ中年にさしかかったばかりのくせ者ぶりがおかしい。
    東城大学には吾郎の弟・志郎が入学というややこしいことに。
    兄の吾郎にライバル心を燃やす志郎。
    帝華大学には女子マネージャーとして朝比奈ひかりが入部、これが小柄だが異常に俊敏で…?
    祖父に剣道を少し習っただけで、その祖父に入部は禁じられているという朝比奈のため、説得に向かう吾郎。
    山奥の寺の住職と試合をすることに。
    いっぽう、清川にはそのままでは勝てないと高階に言われた速水も、個人的な特訓を始める。
    速水と清川が、出だしの原型のような性格から、変化していくのが面白い。速水が外科医を目指すようになるきっかけも。
    麻雀仲間として、田口や島津も登場。面白かったです。

  • 再読です。速水と清川の将来像が重なった今、読むと全然印象が変わりました。この後、医療の世界で闘い続けて行く彼らが、なぜ闘い続けられるのか、その理由の一つがここにあったと思いました。試合の場面は、剣道に無知なわたしは、ぼんやりとイメージするしかないのですが、それでも手に汗握る

  • 桜宮サーガ最強選手権

    [男子の部]
    個人/団体
    高階権太
    強度:(吾郎+速水)÷2×1.3

    [女子の部]
    個人
    曾根崎理恵
    強度:>>吾郎

    団体
    猫田麻里
    強度:≒高階権太

    特別賞
    姫宮香織
    強度:∞

    とか?

  • 作者の圧倒的な筆致に煽られ夢中で読み進む。
    清川、速水の盟友の攻防に美少女、朝比奈ひかりやのらりくらりとした高階顧問が重要な役割を果たす。
    双頭相まみえる物語の様相なのになぜ題名がひかりの剣なのか?と先々に、興味が尽きない。
    個性的で魅力的な登場人物たちは他の物語にも登場しており連鎖的に読みたくなる。
    ライバルがお互いを成長させることを高い説得力で説く正統派青春物語ですね。しびれました。

  • 海堂氏の医療に関する一連の小説の登場人物が大勢出てくる。ジーンワルツのちょっといい加減な清川先生が、やはり若いときからそうだったことが、良くわかる。バチスタに出てくる田口先生や、ジェネラルルージュの速水先生など、懐かしい。狸の高階院長が剣の達人とは、とても考えられなかった。

  • 医療物、ミステリーではなかったのでどうかなと思いつつ読み始めたがなかなかどうしてこういった青春モノにもしっかりと小気味の良い海堂節!速水、清川がどんな人物か知らなくても楽しく読めるけど二人の今(?)を知っている(ジーン・ワルツ、ジェネラル・ルージュ)とより一層楽しめる内容になっていると思う。

  • 帝華大の清川と東城大の速水を中心とした医学部剣道部の話。正反対とも言える性格を持った2人だが互いにライバル心を持ちながら、夏の大会、医鷲旗に向けて取り組む。剣道経験者の私からいうと、形での構えが実践で使われている折があり、少し違和感があった。でも大会での緊張感や道場の独特の空気が感じられる描写で、懐かしく思った。時折、速水は『ジェネラル・ルージュの凱旋』の速水先生で、清川は『ジーン・ワルツ』の清川先生なんだと思うと更におもしろかった!

  • おなじみの登場人物が学生時代に戻って大活躍する青春小説でした。
    白鳥・田口シリーズの登場人物たちの現在と過去との対比もおもしろかったですが、それがなくとも十分に楽しめる小説だったと思います。

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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