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この作品からのみんなの引用
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目から入ってきたもんは、どっから出ていくのでしょうか。どうやって出るのか言葉になってか涙になって、でももしか、泣いたりもしゃべったりもできん人やったらば、そうやって目にたまったもん出していけん人やったらば、目からつながってるとこ全部ふくらんで、いっぱいになって、息をすんのもしんどくなって、それからどんどんふくらんで、目はもうきっと、あかなくなってしまうでしょう。
― 78ページ -
…(略)巻子はそれを見ながら、首を振って小さな声で、緑子、ほんまのことって、ほんまのことってね、みんなほんまのことってあると思うでしょ、絶対にものごとには、ほんまのことがあるのやって、みんなそう思うでしょ、でも緑子な、ほんまのことなんてな、ないこともあるねんで、何もないこともあるねんで。
― 101ページ -
針の本当の先端で刺したぐらいの微少な穴から、スープの中に血が一滴、二滴と落ちて、しかし緑子はそれには気づかず、白いスープのゆるい底に丸い血は溶けることなくそのまま滑り沈んでいくのに、やっぱりそれに気づかずにその陶器の中身の全部を自分ですべて飲みほしてしまう。
― 65ページ
みんなの感想・レビュー・書評
2012.05.23 読了
川上未映子に出会ったのはいつだろうか。正直言って覚えていないのだけれど、出会った時の衝撃は覚えている。
文体、その独特な、文体。今はその限りではないけれど、当時は衝撃だった。
思考イコール文体。考えていることをそのまま文章にしてみましたらこうなりましたでございます。
文はうまい、視点も良いと思ったが、好きが嫌いかで言うと嫌い。登場人物が全員鬱陶しい。生々しさが不快な気分にさせる。賛否両論なのが納得できる。
性への違和感、嫌悪感。そして、距離感。答えのないことに、暴力がからんでくる。
文章は読みにくい。違う時代の日本語みたい。
ただ新しいスタイルだとは思う。テーマはありふれているけど。
独特の文体が良いのかな?良いところを探しながら読んだ感じだった。感性の問題だと思うけど、自分にはよく分からなかった。
芥川賞受賞作。
女性というものを多面的にとらえている作品です。
子どもとしての女、大人としての女、母親としての女。
どれも別ですが同じ女です。
精神と肉体は繋がっているようで、繋がっていない。
ときにうまく動かない体にやきもきしたりするけど、でもやっぱりこれは自分の体で、体がなければ自分はいないんだから、どんなにいうことを聞かない唐変木でも、折り合い付けて付き合っていかなきゃならないんだよね。
自分の体を嫌うより、汚くて嫌らしいけど、でもそんなとこも含めて好きだよ、って人の体はきっと実際よりも良く見えたりするんだろうな。
2話あるが、双方とも意外性のあるオチがよい。胸や生理についての女性ならではの視点というか考えっていうのは意外と複雑で、決して男にはわからないだろう。文章がちょっと読みづらい。
実際に大阪で生まれ育ってても、こんな大阪弁の文体はなかなか作れない。危うい中でも成立している文学性。やたら使われる部分という言葉や卵のくだりのオチなど、ギャグやコントと紙一重の部分もあり、意外と同調。女の人というのは、人の話聞いたりしながら、色々同時進行で考えてるんやなぁと思った。
「乳」と「卵」というタイトルからも、また作品の内容からも、良かれ悪しかれ「女について書きすぎている」「女のことばかり」という評価が多い。 しかし、「乳」と「卵」とは、じつは母=女的なものとしての「卵」と、父的なものとしての「乳」が描かれているのではないだろうか。 「卵」については作品中で触れられているように、生理など母=女的なものとの関係が密接だが、そうした生理や血などの赤のイメージで捉え... 続きを読む »
独特の文体で読み疲れました。
内容は結構女性的なもののオンパレードで、
楽しい内容ではないです。
タイトルにもあるが、卵子、豊胸手術、生理など出てくる単語全て、登場人物全て、扱っているテーマ全てが、あまりに女性的すぎる。こんなに女性性を強調して大袈裟に書きなぐる本を初めて見た。コンプレックスとまではいかないかもしれないけれど、こういう側面を描く著者は、女性としての心の内面を垣間見てしまった感じがして、むずむずする。面白かったけど。どちらかと言うよりは女性が読むよりも男性が読んだ方が面白いかもしれない。
一旦買って。読んで、一旦挫折。後日よしっって感じで読んでみたらけっこう読めた。乳と卵っていうタイトルから連想される優しい感じとはちがって、心の暗闇を覗き込んだ感じ。あと、文庫のおまけ収録の短編の方が好きだったかも。
大阪から上京してきた姉の巻子と、 その娘の緑子。 巻子はもうすぐ40歳を迎える、スナックのホステスで、 豊胸手術をしたいと常日頃から漏らしている。 巻子の娘の緑子は、初潮を迎えたばかりで、 母親と少しいざこざみたいなものがあり、口を全く開かず、「小ノート」という文字通り小さなノートを用いて、筆談でコミュニケーションをとっている。 川上未映子さんの作品は『ヘブン』を持っている... 続きを読む »
文体が特徴あるが、天性のものというより、どっかから引っ張ってきて自分のものにした感じがする。
ああぁううウウウウウウウウ男と女は、真隣に居ることを、互いに目認しているにも関わらず、まるで背を向け「逢って」まーるい地球を、モンスーンふきさす赤道を、呼吸がままならないエベレストを、それは深い深い光が届かないマリアナ海溝をぐるっと周回するような真逆のベクトルの感性で、心を詠もうとしているのかと、厭になった。男と女は違う、肉体的にも頭の中も。
手法は携帯小説と何ら変わらんのやないやろうか。
それが、ここまで迫る文章になるってのは表現力の差なのだろう。
生生しい話やった。
「あなたたちの恋愛は瀕死」は笑うしか無かった。
でも、嫌いじゃない。
わたくし率~は読み辛い上理解出来なかったけど、これは面白かった。乳に対し、異常な執着を見せ、豊胸手術を望む母とそんな母に戸惑う娘。男を意識するのではなく、自己満足のための豊胸手術への渇望なのである。

読んだ理由は、芥川賞受賞作だから。
読み始めは、「え、何この文章ってアリなの!? いくらなんでもめちゃくちゃすぎじゃない、奇をてらいすぎじゃない? いやいや作家っていうか芥川賞審査員が!」と文体...





