- Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167791025
作品紹介・あらすじ
体、言葉、季節、旅、本、日常など、あれこれ。「乳と卵」「ヘヴン」の川上未映子が放つ、魅惑のエッセイ集。
感想・レビュー・書評
-
川上さんのエッセイを読んだら、絶対みんなこの人を好きになってしまうと思う。
たとえば夕暮れ、日常のふとしたときに感じる、訳もない切なさ。
読んでる間、なんだかずっとそういう気持ちがしている。
川上さんの小説は、どれもついつい登場人物の向こうにいる川上さんが感じた気持ちのように読んでしまう。
それはきっと、川上さんがあまりにも多感な一瞬一瞬を過ごしていて、それを言葉にする表現力と記憶力があって、小説を書くときに的確に取り出せるからだと思う。
だから川上さんのエッセイは小説の根幹が感じられてすごく好き。
こないだ(2022年3月)勤務書店でこの本を買おうと調べたら、なんと絶版。系列他店舗の在庫を調べたら全国で2冊しかなく、ダメ元で手配したら買えた!
買えてよかったー!!!
多分あと1冊…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
暑さゆえ寝苦しくて起きてしまった早朝に読了。
静かで澄んだ朝の空気とぴったりな未映子さんのエッセイは、うるおいのようでもあるし劇薬のようでもある。
とにかく素敵だった。中原中也賞や芥川賞を受賞されたあたりのあれこれで、ひとりきりの夜空に言葉のきらめきに眼をみはる未映子さんがいた。
ロボコンにのって自分と世界の境界線にきづいた幼少期と、「春」という単語の存在意義と、「会いたい」という絶対的な感情を手にした時と。ぐるぐる。 -
川上未映子さんのエッセイも喋り言葉みたいにつらつら並んでいるので、話している事を聞いてるようにすとんと入ってきます。文章を読んでいる感覚があまり無い。
でもそれでも、ハッとする表現があったり立ち止まって振り返る部分があるので、楽しかったです。
多和田葉子さんももっと読みたくなりました。 -
この独特のテンポ、まるで樋口一葉のような、、と思ったら作者は樋口一葉が好きみたい。
しかも色んな雑誌に掲載されていたのを集めたから、独特の上に文章の長さやテーマが全然違ってて、あっちこっちに揺られている感覚がした。
ストレートパーマの話や甥っ子の話はすっと頭に入るけど、概念や哲学のような抽象的なことを言われると途端に、あれ、この話はなんの事について言ってたんやっけ、、となっていた。
『乳と卵』が芥川賞を受賞した辺りに作者がテレビに出ていて、確か哲学書を何冊も持っていたし読んでいたのがすごく印象的。こんな綺麗な人と哲学、、その組み合わせが不思議だと感じていた。
その時から私は哲学はちょっと興味ないなぁ、たぶんこの作者の本を読むことはないだろう、、と正直思っていたけどエッセイならなんとか読めた。
普通の日常を書いたのが面白いから、日常系ばっかり集めたエッセイなら読みたいかな。
20170110 -
未映子氏のおしろぺろんをわたしは飛行機の中で読んだのだけどどうにも我慢できなく笑ってしまってその時離陸した。
テーマごとに分かれて合って、年代は前後していると思う。そのせいか文体も少しずつ変化があっておもしろい。
わたしは書きなれてきた感のあるまさにエッセイ風味の文章が好き。(旅行のあたりとか?)
しょうじき、この人は生きていてしんどいだろうなあと思うような感受性というよりはもうイタコっぽいところがあると思われる。
わたしも色々としんどいことこの上なしだけど、この人よりはましだと思える。あ、心が軽い。
誰にも傷つけられているわけでなし、攻撃もなく自分から勝手にグシャグシャになってしまうこのしんどさ。
もとい、ひとつの発見が。
あまり好んでいなかった太宰治をまた読み進めはじめた。まず積読本にあった「ろまんドウラン」から手にとると、
これまでみたことのない太宰がいて、これがみんなの言う太宰の面白さなのだろうと初めて体験した。
今、読んでてとても面白い。笑ってしまう。未映子様ありがとう! -
「乳と卵」で芥川賞を受賞した川上未映子さんのエッセイ集。
なるほど、この方はこんな文章を書くのね、と、俄然興味のわいた一冊となりました。
豊かな表現力と、丁寧に一つ一つを確認していくかのような思考の仕方、とても、よかったです。好みです。
その人を知るという行為はすなわち、その人の考え方を知るということにほぼ等しいと私は思っていて、そういう意味でもかなり作者について知ることができた、いい読書体験でした。-
「丁寧に一つ一つを確認していくかのような」
とっても破天荒な方だと思っていたので、意外でした。「丁寧に一つ一つを確認していくかのような」
とっても破天荒な方だと思っていたので、意外でした。2012/12/27
-
-
今このタイミングで、この本に出会えて良かったと思いました。こんなに心が動く文章を読めたことが幸せです。他の川上未映子さんのエッセイ集と比べて、作家であり、歌い、演じたことのある川上未映子さんだからこその視点や思考が多い章もあり、楽しめました。
-
ただの日常も、川上未映子の目を通り、文章になると違ったものになるのが楽しい。語り口調であったり、詩であったり、独特の文章がいい。好きな一文があったりして手元に置きたい一冊。
-
表紙の女の子が微妙に怖いけど、中身は女の子らしい感じ。
-
独特な語り口で普遍的な感情や違和感を綴っているエッセイ。受賞の言葉群が抜群にかっこいい。「自分は変わってます」感をそんなに出してないのにきらきらと光って見える中毒性の高い文章だ。
-
長くてぐねぐねした文が多いので読む人を選ぶかなとは思うけども、この独特の言葉遣いと世界観はやはり他に代わるものがないように思うわけで。
-
母とクリスマス、屁理屈、気付き
-
川上未映子は好きです。おっさんの本ばかり読んだあとには新鮮な言葉の響き。
・そっか、体こそが人生なのだな
・「あの作家にだけは会ってみたかった」と言うときに、満たしたいものは本当のところなんであるのだろうか
・本を読むには本を読むしかないのだ -
2017 10/28
-
17/08/10 (60)
8月で60冊目。あと40冊。のこのこがんばろー
川上未映子氏のエッセイ。これで何冊目になるんだっけな。あいかわらず言葉のチョイス、感性にとことん痺れます。ずっとずっとこの人のエッセイは追いかけ続けたい。
桜にそわそわぞわぞわしてしまうとことか、夜空に勇気をもらうとことか、なんだかすごく共感してしまって。
P141
頭のなかにある記憶はそれがどんなに素晴らしくても、誰にも見せることができないのだな。 -
テンポが良くて、飾らないありのままで、面白い文章だった。
-
嫉妬しない不思議。なんか本当にこの人は言葉が好きで好きで仕方がないんだなぁと思うからかな。憧れながら、気持ちよく読めました。数年ぶりに詩を書こうかとも思います。
本がたくさん紹介されていたのも嬉しかった!気になってたのから未知なのまで、すぐネットで買っちゃったから楽しみ。私は、好きな人が好きと言ったフィルターがかなり強いのできっと全部楽しい!
あ、「母とクリスマス」は泣いた。わたしはお母さん。 -
図書館でたまたま手に取ったのが。知らなかったけど、大阪出身なのね。関西弁がなんとも心地いい。
-
表紙が可愛すぎー♡と衝動買い!!
だけど文が難解っていうか、わけわからんでした!
わたしには早過ぎたかな? -
一文が長い上、その中で話が飛んだり変に倒置法だったりするのですごく読みにくい。
詩みたいな感じかな。
何が言いたいのかを途中で見失う。 -
可愛らしい表紙が、作者が書くキラキラした文章そのもの。
普段作者がどんな本を読むのかもっと知りたい。「川上未映子の本棚」みたいな本出ないかなー -
短い枚数で作者を取り巻いた色々、仕事や旅行や私生活がまとめられており、そのどれもが心地よいリズムの文章で読めたので、手軽に読めるエッセイとして最適。カバーもかわいい。
-
ふわっとなるものやクスクスなるものやナルモドとなるものやほっとなるものやいろんなものが詰まっておりました。
-
共感できることがよくあるこの人。
-
鼻につく瞬間があるのだけど(なんというか、俗世の人間が、高貴で純粋なモノヒトを見て、羨望と嫉妬と反発でけってなる感じ?)。この文体、言葉選び、は影響力が大きい。好き嫌いはあっても、才能だなあと思う。
-
2014年1月
-
言葉の選び方がいいな、と思った。肩の力を抜いて読めるエッセイ。「夜のなかに見えるもの」が自分の今までの経験と重なってなんとなく励まされるような、気持ちになれた。