日本語の常識アラカルト (文春文庫 き 23-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167801168

感想・レビュー・書評

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  • 時代が変われば変化するものはある。言葉も生き物なので移り変わっていく。




    最近、大地震が来て思ったよりも長い揺れだったので驚いた。




    大地震を「だいじしん」と読むか「おおじしん」とするか、著者はゆれる読み問題として取り上げている。




    漢字の熟語は音読みか訓読みで統一するのが原則と説明している。しかし、音読みと訓読みが入り交じる熟語が多い。





    音読みの熟語の上に「大」が付く場合、「だい」と読むのが原則だ。しかし、原則もあれば例外もある。「大掃除」や「大所帯」のように「おお」と読む例外もある。「大地震」は、「だいじしん」と「おおじしん」が共存している。





    全国の中高生を中心に集めた「あふれる新語」の中から、著者が気になる新語を一部紹介している。目立つ現象として、語尾に「る」を付けて動詞化したり、「い」を付けて形容詞化したものがある。(この本が出版されたのは2011年)




    「アドる」と聞いて何が浮かんでくるか。アドレナリンが分泌されてテンションが上がることを意味する。




    「シャびる」と聞いて浮かんできたのは、あの白い粉を浴びるだったが、そんな危険なことではなかった。シャワーを浴びるという極めて健全な行為だった。




    新語の中には世相を反映したものがある。その中に「アベる」がある。これは何かと言うと、嫌なことからあっさり逃げる意味になる。あの前総理大臣は病気というやむを得ない理由だが、2回だからなあ。




    略語を見ると昔からあった。日本海軍はイギリス海軍を模範にしていたので、英語を使った略語がたくさんあった。「bank」で金持ちを意味したり、「help」でスケベになったり、「FU」でふんどしになったりした。




    言葉の世界もいろいろあって面白いなあ。

  • 国語辞典の編者による、正しい日本語とは、と解説するエッセイ。
    正しい例文はどちらか、との問題が26問あり、また最近の若者言葉あるいは敬語とは何か、などが解説され、楽しく読むことができる。

  • こういう本を読んでいるときだけ日本語に対する意識が高くなるのはご愛敬。何となく日本語を使っていると,そのときのはやりに影響を受けて,崩れた日本語を使うようになるのだろう。正しい日本語を意識して使うことが肝要だ。

    私自身が教師という影響を与えやすい職業である。特に,私が教える対象が小学校教員や保育者をめざす学生であることを考えると言葉に対してもっと敏感で保守的でなければ,言葉の崩れに拍車をかけてしまうことを自覚しておこう。

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著者プロフィール

前筑波大

「2018年 『方言(新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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