キネマの神様 (文春文庫 は 40-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167801335

作品紹介・あらすじ

39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。"映画の神様"が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。

感想・レビュー・書評

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  • あなたが最近映画館へ行ったのはいつだったでしょうか?

    1960年には全国に7,500もあった映画館。しかし急速に減少の一途を辿り、1998年には2,000を切るまでになってしまった映画館。その一方で同一施設内に複数のスクリーンを持つ”シネコン”というタイプの映画館が増えてきている現状もあります。“映画を上映する”という同じ目的を持つ施設であっても時代によって求められるものが変わってくるというその現状。

    一方で往時、年間11億人を超えていた映画館への来場者数も今や2億人を切るまでに減少してきているという実態もあります。テレビやDVD、そしてネット配信という映画の視聴形態の多様化が感じられるその数字。

    時代が変われば、娯楽に求められるものも変化するのは当然のことです。しかし、それは必ずしもそれまであったものを否定することではありません。確かに今のような視聴形態が存在しなかった時代、私たちは映画を観るためには映画館に足を運ぶ他ありませんでした。映画を観る、楽しむとはそういうものだと誰もが考えていたかつての時代。そして、視聴形態の多様化が当たり前となった現代。その多様化自体は喜ぶべきものです。時間がなく映画館に足を運ぶことができない、映画館が潰れてしまって近くにない、そして自分の部屋で一人で観る方が良い、と様々な事情もあるでしょう。しかし、映画館という場所にはそこに足を運ばない限り得られないものがあるのも事実です。『同じ時間と体験を共有する、わっと盛り上がってやがて静まるお祭りのような場所』というその存在。『一級の美術館であると同時に、舞台、音楽堂、心躍る祭りの現場』というその存在。そんな映画館という場所には「キネマの神様」がいるのだそうです。『映画を観て人間が喜ぶのをなにより楽しんでおられる』という「キネマの神様』。『名画であるか、そうでないか。それを決めるのが私の役目』という「キネマの神様」。

    この作品は、この世界のどこかにいる、そんな『神様』の存在をあなたが感じることになる物語です。

    『東京都千代田区F町。都心の超一等地』にある『父と母が暮らす、マンションの管理人室。私はひとり、父がいつも座っている座椅子にもたれて、小さなテレビに向かい合っている』というのは主人公の円山歩(まるやま あゆみ)。『卓袱台の上』に置いてある『「歩へ」と父の文字がある』茶封筒に手を伸ばしかけた時、『二〇一号室の山川です』と荷物を取りに来た住人。『お父さま、入院なすったとか』と訊く山川に『心臓が、ちょっと。バイパス手術をしたんです。心筋梗塞で』と返す歩。『お仕事は大丈夫なの?』とさらに聞かれ『有休とってますんで。父の、一大事ですから』と返す歩。荷物運びを手伝った後、父親からの手紙を開封した歩。『…まあ考えてみれば小生も来年は八十歳、長生きの類に入る訳です』という父親からの手紙。『…住人の諸兄にはくれぐれもよろしく』という本文の後に『追伸』が添えられていました。『退屈だろうからDVDでも観て過ごしてください。お前のために小生が選んだ傑作ばかりです。特にオススメの一本は「ワーキング・ガール」』というその内容。『お前もいずれこのラストシーンのような重役椅子で高笑いかな。ハハハ…』と締めくくられるその手紙を見て『十七年間勤めた会社に辞表を提出』した時のことを思い出します。『国内有数の再開発企業』で『シネマコンプレックスを中心とした文化・娯楽施設担当課長に抜擢』された歩。『社内初の女性課長への偏見』などもあって『社内の風あたりがきつく』なったのに対応できず『身に覚えのない』噂によって『ビル管理の子会社への異動を通達され』た歩。『辞めるしかない』と辞表を提出した『直後に、父が入院したと母から連絡があった』という展開。『退職した』ことを父と母に伝えられない歩。父親の代わりに『管理人室を預かって五日目の日曜日』、初めて父親の見舞いへと赴きます。『体中にいろんなチューブを巻きつけられて、げっそり痩せて、小さく哀れに見えるだろうか』と心配していた歩の目の前に『大部屋の病室のベッドの上に上半身を起こして、ハゲ頭に大きなヘッドホンを載せ、右手に赤鉛筆、左手に競馬新聞、小型テレビに向かって前のめりになっていた』父親の姿がありました。ちょうど検温に来た看護師が 『お元気で結構ですけどね。勝負事なんて心臓に負担かかるから、もうおやめになったら』とそんなテレビを切って出ていったのを見送る歩。『ちえっ。いばってやがる。あの人見てると「カッコーの巣の上で」のラチェッド婦長を思い出すんだよなあ』と言う父親。『たしか、ルイーズ・フレッチャーだったかな。ねちっこくて意地悪な婦長でなあ』と続ける父親を見て『三十年以上もまえの映画の詳細を正しく記憶していること』に驚く歩。そんな歩に『「テアトル銀幕」で、いま、何がかかってるか教えてくれ』と足繁く通う名画座の話を持ち出す父親。そんな歩と父親が『二年前の冬。こんなにも多くの出会いと変化が自分の人生に訪れるなんて、どうして想像できただろうか』と思い出すことになる、映画と映画館にまつわる物語が始まりました。

    大正時代から使われている『キネマ』という言葉。”シネマ”だと”死ね”を連想するために使われ始めたとも言われるその言葉。そんな”映画”を意味する言葉を冠した「キネマの神様」というこの作品。映画好きの79歳のおじいちゃんとその娘に光を当てながら物語は展開していきます。原田マハさんというと数々の”アート小説”が有名です。作中で絵画が登場するとPCの画面にそれを表示させながら物語を読むというスタイルが私の中ですっかり定着してしまいましたが、この作品では”絵画”ではなく”映画”を題材に取り上げています。”アート小説”の中では、有名、無名を問わず数多くの作品の主題を登場人物に自然と語らせる展開にすっかり魅せられますが、この”映画”を題材にした作品でも、数々の”映画”作品のことが主人公たちによって自然に語られていきます。そんな中から映画作品の名前が登場する二つの場面を取り上げたいと思います。

    一つ目。雑誌『映友』編集部を訪れた歩。開こうとしたドアが急に開いて、『私はしたたかに鼻を打った』という場面。『鼻の下を生温かい血がたらあっと垂れていく』という場面で『鼻血ついてる。谷岡ヤスジだ』と言われる歩。『鼻血ブー』という流行語にもなったギャグ漫画家界の巨匠の言葉を絡めた後に登場するのが『あんたは「サスペリア」のジェシカ・ハーバーあたりがヒロインでしょ』と『観たこともない古いホラー映画を引き合いに出されて、むっとする』歩、と展開するその場面。1977年のイタリア映画「サスペリア」という名前を出されても果たしてどれだけの人がピンとくるかはわかりません。そういう私もポカンとなるしかないこの作品。一方で登場させたからには原田さんはもちろんご覧になられているのだと思います。そんなこの場面のポイントは、歩が『観たこともない古いホラー映画』と語る部分だと思います。観たことはなくても知識として知っているということをこの一文でさりげなく表現する原田さん。細かい部分ですが、歩の再就職へと急展開する物語の説得力に上手く寄与していると感じました。

    二つ目。この作品には洋画に限らず邦画も登場します。歩の父親が書いた文章について会議で意見が交わされる場面。『いいわね。素直な力があるわ。この人の言ってることは嘘じゃない、って思わせてくれるような』と歩の父親の文章を読んで素直な感想を語る編集長の高峰。そんな場面で登場する台詞が『「ALWAYS 三丁目の夕日」的なものを感じますね。結界に神様が潜むって感じ、わかるかなあ』と年長の田辺が語るこの台詞。『若い人にはわかんないだろうけど、ほんとこの時代、のどかだったんだよなあ』というのは、1964年の東京オリンピックへ向けて活気づく、しかし今となってはセピア色の時代。そんな時代の空気感が特徴の”映画”の味を、歩の父親の文章に重ね合わせて、その文章の雰囲気を読者に上手く伝えてくれます。「ALWAYS」は、「サスペリア」に比べればご覧になられた方も多くいらっしゃると思いますが、このように具体的な”映画”の名前を引用することによって、作品の世界観がグッと広がるように感じました。

    そして、色んな映画作品の名前が次々と登場することで、映画好きという方には、”おっ!この作品を出してきたか!”と違う楽しみ方もできる、映画好きにはたまらない、そんな作品だとも思いました。それにしてもこれだけ多彩な映画を次から次へと登場させる原田さん。絵画だけでなく映画への知見も相当なものをお持ちである、凄い方だなあ!と改めて感じました。

    そして、そんなこの作品が、より重きを置いて描いていくのが『映画』そのものというよりも『映画館』というその上映の場についてです。『映画というシステムがこの世に誕生すると同時に作り出された究極の演出』、それが『映画館』であると書く原田さん。『映画を取り巻く環境は確かに変化しつつある』ものの『その臨場感こそが、「娯楽」を追求した人類がようやく獲得した至宝』である限り『映画館は滅びない』と断言します。そして『映画館は一級の美術館である』と、”アート小説”を得意とされる原田さんならではの台詞の説得力。『人間の普遍的な感情、笑いや涙、恐怖や驚きが映画館にはある』、だから『人間が人間である限り、決して映画館が滅びることはない』とまとめます。DVDやネット配信が隆盛を極め、私たちは映画館という場所へ足を運ぶことも随分と減ったような気がします。『名画はどこで観たって名画』、そういう見方もある意味で事実だと思います。誰にも邪魔されることない自室で、一人その世界に没入することを好む方もいると思います。しかし一方で『夏の夜空に咲く花火を、家の狭いベランダからではなく、川の匂いと夜風を感じる川辺で見上げればひときわ美しい』と感じる感覚も否定できないと思います。同じ花火を見ても、そこから感じるものは間違いなく違う。これは映画でも同じことです。『映画館で観れば、それはいっそう胸に沁みる』という映画の世界。その感覚、そしてその場が減っていくことに危機感を抱く主人公・歩。そんな歩が、自らがなすべきことを見つけていくこの物語。

    不本意な退職から新しい人生を歩み出した主人公の歩。そんな彼女と歩みを共にする父親。そんな父親が初めて取り上げた映画が1989年のアメリカ映画「フィールド・オブ・ドリームス」でした。そこに父親が見たもの、それは『どんなささいなことでも、人生でたった一度きりのこと、大切なできごとと心して、一生けんめいに臨むのがよい』という真摯な姿勢、そして『人生、一瞬一瞬、全力投球すべし』という教訓でした。

    『観る人を幸福にする映画。そんな映画に、本日、出会った』、そんな思いを沢山の人に感じでもらえるように、今日もこの世界のどこかで映画を作り続けてくれる人がいる。そんな映画を届けるために映画館という出会いの場を提供し続けてくれる人がいる。そして、そんな映画の素晴らしさを『好き』という想いで色んな媒体で伝えてくれる人がいる。

    映画と映画館が人と人とを繋いでゆく物語。映画に対する熱い想いに満ち溢れる原田さんの傑作。
    その熱い想い、
    届きました!
    受けとりました!!
    素晴らしい感動をありがとうございました!!!

  • まさに完成度の高い映画を見終わったような
    感動に次ぐ感動!
    小さい波がだんだんと大きなウェーブを作るように、感動が積み重なる、そんな物語

    まだ読んでいない方は是非!
    今年中に読んで欲しいです!

  • 「お帰り キネマの神様」の発売を知ってしまった。
    しかも発売日の1週間前にあたる明後日にはマハさんの新作がもう1つ発売になることも。

    これまで29作品(30冊)を手にしてきた私にとって、マハさんの新作、当然我慢なんて体に悪いこと出来るはずもない訳で...

    となると、読むしかない!!

    と言うわけで手にした本書。
    思わず泣きそうになりましたよ。
    (今回はギリセーフ_( ˙꒳˙ )_)
    そういえば、本を読んで初めて涙したのはマハさんの「一分間だけ」、マハさん、こんな親父を泣かせてどうするの??


    <あらすじ>
    主人公は、会社を辞めた39歳の女性、円山歩(まるやま あゆみ)と、映画とギャンブルが趣味の父親、円山郷直(まるやま さとなお)です。父親が倒れて多額の借金が発覚したことで、歩は父親の映画評論を雑誌に投稿したことがきっかけで、映画雑誌『映友』のライターとして働くことになります。そこで出会った人々や映画に触れることで、歩は自分の人生を見つめ直していきます。

    この小説は、映画が大好きな人や家族の絆に感動したい人におすすめです。映画の歴史や名作についてもたくさん紹介されています。

    2021年に山田洋次監督によって映画化されました。主演は沢田研二さんと菅田将暉さんです。




    無職の娘とダメな父。ふたりに奇跡が舞い降りた! 39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、しかも多額の借金が発覚した。 ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることになった。〈ゴウ〉のハンドルネームで父が書くコラムは思いがけず好評を博し、借金とギャンブル依存から抜け出せそうになるが、ある時〈ローズ・バッド〉を名乗る覗の人物に反論されて……。 〝映画の神様〟が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。

    内容(「BOOK」データベースより)

    39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    原田/マハ
    1962年、東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。商社勤務などを経て独立、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2006年、『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    • hibuさん
      おはようございます!
      泣きますよね〜。映画も見ましたが、原作の方が断然好きです♪
      おはようございます!
      泣きますよね〜。映画も見ましたが、原作の方が断然好きです♪
      2023/10/31
    • ヒボさん
      hibuさん、おはようございます♪
      今回はギリセーフでした(笑)
      _( ˙꒳˙ )_
      マハさんの作品、良いですよね(*´▽`*)
      hibuさん、おはようございます♪
      今回はギリセーフでした(笑)
      _( ˙꒳˙ )_
      マハさんの作品、良いですよね(*´▽`*)
      2023/10/31
  • 題名は良く知っていたので、読んだ後に調べて見ると志村けんさんが主演予定の映画の原作だった。
    あらすじを見ると小説とだいぶ変わっているような気がして、映画を見たく無いような、、?
    ギャンブル好きで借金だらけの父親に引きづり回される母と娘。その父親が心臓手術の緊急事態の時に、娘の歩(あゆみ)は会社を辞めることに。
    復活した父親が投稿したブログで映画雑誌に認められた歩は就職することになる。この映画雑誌社にはユニークな人達が大勢いて、その方達に父親も認められて、「キネマの神様」という内容で映画の事をブログに書き始める。
    歩の後輩にも助けられて英語に翻訳され、世界へ発信。父親の文章で世界に訴えられたことで、幾つもの奇跡が起きたし、そのやり取りに何度も涙が溢れてしまった。
    映画好きの原田さんならではの内容で、映画の裏側も良く知れた。幾つか紹介されている映画についても自分が見た映画もあり、再度観たくなった。

  • 「この映画を観て、涙を流さない奴は人間じゃないワよ! 血の通っていないケダモノか何かだワ!」

    たまたまつけていたテレビで、映画評論家のおすぎが言っていた。

    「何ぃ、こちとら映画はおろかドラマでも本でも涙ぁ流したことなんかねえんだ! おうおう、その喧嘩買ってやろうじゃねえか」

    当時高校生だった僕は、取り立てておすぎに関心があった訳でもないのに、なぜか過剰に反応し挑戦状を叩き付けられたような思いで映画館に足を運んだ。
    まだミニシアターという言葉も耳に新しかった頃、地元に新しくできた小さな映画館で、あか抜けたお姉さん方に囲まれながらちょっと背伸びをして観た映画。

    『ニュー・シネマ・パラダイス』

    心に沁みるいい映画だと思った。
    でも「涙を流さない奴は人間じゃないワよ!」ってのは言い過ぎだな。
    そうしたらラストのあの試写室のシーンである。
    美人のお姉さん方が出払った後、僕が顔を伏せたまま最後に席を立ったのは言うまでもない。
    そして、おすぎはおすぎではなく「おすぎさん」になった。
    あの映画を、公開当時にスクリーンで観ることができたのは本当に幸せだ。
    『キネマの神様』は絶対にいる。

    原田マハ『キネマの神様』(いや、「原田マハさん」だな。)

    なんて映画愛に満ちた小説なんだ。
    「キネマの神様」におけるバトルはもちろん、歩がチラシの裏に書いた文章、父のノート、ちょっとした会話、新村のアニメ観にいたるまで、すべてが立派な映画論、レビューになっている。
    登場する映画、ほんのちょっとだけ引用される映画でさえ全部観たくなる(ホラー苦手だけどやっぱり『サスペリア』も観なきゃ)。
    いろんな人が語っている体になっているが、当然、原田マハさんが一人で書いている。一つの映画を裏と表、多角的に語れるって凄いな。

    そしてテアトル銀幕のテラシンよ!
    『ニュー・シネマ・パラダイス』と『ライフ・イズ・ビューティフル』の二本立てなんて、どんだけ俺から水分しぼり取る気だよ!

    映画も小説もハッピーエンドがいいな。
    紆余曲折があってもすべてがうまくいかなくとも、一筋の光でもいいから最後は明るい涙を流したい。
    野暮を承知で映画化するなら、大滝秀治さんで観てみたかった。共演は尾野真千子で。
    そして特別出演にクリント・イーストウッド。

    未読の方がいらっしゃっても筋は語りませんよ。
    このレビューは予告編だと思って、
    『キネマの神様』本編を、乞うご期待。

    • kwosaさん
      nobo0803さん、こんにちは。

      こちらこそリフォローありがとうございます。
      本当に素敵な本でした。
      早速、図書館で原田マハさんの他の本...
      nobo0803さん、こんにちは。

      こちらこそリフォローありがとうございます。
      本当に素敵な本でした。
      早速、図書館で原田マハさんの他の本を予約したので楽しみに待っているところです。
      趣味は読書と妄想なもので、いろいろ考えてしまいます。でも考えている最中が一番楽しいんですよね。
      これからもよろしくお願いします。
      2013/03/12
    • courbetさん
      初めまして。

      「ニュー・シネマ・パラダイスとライフ・イズ・ビューティフルの二本立て」に興奮して
      どこの映画館でやっているのか慌てて調べそう...
      初めまして。

      「ニュー・シネマ・パラダイスとライフ・イズ・ビューティフルの二本立て」に興奮して
      どこの映画館でやっているのか慌てて調べそうになりました。
      この作品、絶対読まなくては。

      kwosaさんのレビューはまるでもう一つの後書きのようで、本棚に入っている作品のどれもこれも読みたくなってきます。
      これからも素敵なレビューを楽しみにしています。
      2013/03/15
    • kwosaさん
      courbetさん

      リフォローとコメントをありがとうございます。

      この二本立てには興奮しますよね。
      これに限らず「テアトル銀幕」は、いい...
      courbetさん

      リフォローとコメントをありがとうございます。

      この二本立てには興奮しますよね。
      これに限らず「テアトル銀幕」は、いいカップリングで映画を掛けるんですよ。
      『キネマの神様』是非ご一読ください。

      ブクログのおかげで未知の面白い本にたくさん出会えます。
      もちろん courbetさんのレビューも参考にしさせて頂いてますよ。
      これからもよろしくお願いします。
      2013/03/15
  • また良い作品に出逢えました
    じわじわと来る感動と温かさに、心がざわついています
    話は無理のない展開なんですが、心を奪われてしまいます
    原田マハさんの作品は、そのものの良さを教えてくれるものが多く、勉強にもなりお得感満載=(^.^)=
    だから、やめられません

    本作品は映画を愛してやまない人達のお話
    ゴウちゃんとローズ・バットの関係が素敵
    映画ブログを投稿しているゴウちゃんに、アメリカから挑戦状を叩きつけて来たローズ・バット
    初めは上手く行かないのではないかと懸念したが、映画好きから講じる厚い友情に発展
    また二人が同じ歳っていう設定もにくい
    後半の展開にそれはもう、うるっと来てしまいました

    最近、映画観に行ってないなあ
    最後に行ったのは4ヶ月前。。。
    スクリーンで観るのはやっぱりいいものだと思います
    そして充実した時間を過ごせたと自己満足に浸ります
    近いうちに行こうかな
    涼しい映画館で数時間の旅です=(^.^)=

    『いやあ〜、映画って本当にいいもんですね』♪

    • ゆーき本さん
      K村さんこんにちは.*・゚
      ゴウちゃんとローズ・バッドの友情、いいですよね。

      映画の「キネマの神様」も観ましたが、原作とは全く違ったものに...
      K村さんこんにちは.*・゚
      ゴウちゃんとローズ・バッドの友情、いいですよね。

      映画の「キネマの神様」も観ましたが、原作とは全く違ったものになっていました。 これに合わせて 原田マハさんがノベライズした「キネマの神様 ディレクターズカット」が出版されているそうです´▽`)ノ

      映画館で観る映画はやはりいいものですね♪ .*

      水野晴郎さん〜!
      2023/07/22
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      ゆーき本さん

      は〜い、水野晴郎さんです(^o^)
      情報ありがとうございます♪
      『キネマの神様ディレクターズ・カット』は
      原田マハさんの『キ...
      ゆーき本さん

      は〜い、水野晴郎さんです(^o^)
      情報ありがとうございます♪
      『キネマの神様ディレクターズ・カット』は
      原田マハさんの『キネマの神様』→山田洋次監督映画『キネマの神様』→原田マハさんノベライズした作品
      なんですね
      どの様に変わっていくのか面白そう
      まずは映画から観ないとですね
      2023/07/22
  • うわ〜!映画好きの本や!
    本も好きやけど、映画も好き!
    ゴウちゃんみたいに、1日に3本とかはムリやけど、週に映画館1回鑑賞、本3冊前後で生きてます!
    あっ!Netflixとかも観てるわ(^^;;
    最近は、シネコンばかりで、小さいとこあんまりないな。昔は、京都も河原町通り、新京極通りに映画館いっぱいあった…
    スカラ座とか、東宝公楽(旧大映公楽)、京宝(京都宝塚劇場)とか…美松大劇、美松名劇、などなど。
    懐かしい…

    https://room304zombie.blog.fc2.com/blog-entry-3131.html?sp

    家で映画観るのも楽なのは確かやけど、やっぱり、あの臨場感を味わいたければ映画館や!

    映画によって、国境、言葉の壁を越えて、友情が出来るのに感動します!
    最近は、やっぱりシネコンになってしまうけど、小さな昔ながらの映画館に行きたくなって来た。ミニシアターやなく。
    ええ話でした。何か小説の内容がほぼない感じになってるやん(^_^;)

    ゴウちゃんは、死ぬまで映画館行きまくってしまうんやろな。
    私も見習いた〜い!!!!!

  • 原田マハ『キネマの神様』文春文庫。

    Twitterのフォロワーさんからお薦めされて手にした作品。成る程、この作品も素晴らしかった。この作品も含めて、原田マハには一体何度泣かされるのか……

    本書の題材は映画だ。しかも、名作と呼ばれる古い映画が何作も登場する。それらの映画のストーリーを思い出しただけで涙がこぼれそうになるのに、原田マハが描く家族の物語がそれに追い討ちをかける。前半を読んだ限りでは、一度どん底を味わった主人公が再び陽の当たる場所に這い上がる再生の物語かと思ったのだが、ところがどっこい想像を超える展開が待っていた。

    主人公の39歳独身の歩は課長職まで登り詰めた会社を突然退職する。折しも、映画とギャンブルが趣味の不良老人の父親が心臓の病で入院することになり、付き添いの母親から父親が多額の借金を抱えていることを知らされる。無職となった歩と不良老人の父親は映画を通じて……

  • 志村けんさん…

    映画「キネマの神様」公式サイトで拝見できる志村さんの優しい笑顔。こんなゴウを見てみたかった。

    小説の方も、全てがとても優しいトーンで描かれている。映画への愛情に満ち溢れていて、いつまでも読んでいたい小説だった。

    ゴウみたいに、心底打ち込めるものがある人は美しい。どんなにそのほかのコトがだらしなくて、人に迷惑をかけていたとしても。

    合掌。

    さて、東京都のコロナ対策のロードマップもステップ3となったし、久々に映画館に行ってみようかな。

  • 親子愛、映画愛、友情、仲間達...。
    愛情いっぱい、溢れ出るほど詰まったお話でした。
    最後の方は私の涙がいっぱい溢れて、止まりませんでした。読んでる間も「ニューシネマパラダイス」の曲が脳内でずっと流れてました。もうお話にピッタリ過ぎて。
    こんなに心温まる涙溢れる本、久しぶりです。
    もう夜中なのに、読後興奮冷めやらぬ状態です。

    そうか、映画もあるんですね。
    今度はちゃんと、ハンカチティッシュを準備してから見てみようー。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

原田マハの作品

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