夏のくじら (文春文庫)

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著者 : 大崎梢
  • 文藝春秋 (2011年6月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167801373

夏のくじら (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 青空に舞う纏。 曲に合わせて振り鳴らされる鳴子。
    ぴったりと動きを揃え、最高の笑顔で舞う踊り子たち。
    年に一度のよさこい祭りに懸ける思いの熱いこと!

    有川浩さんの小説、『県庁おもてなし課』や『ゆず、香る』
    ドラマ『遅咲きのヒマワリ』などで、ここのところじわじわと高まっていた
    「高知に行きた~い♪」熱が、さらに急上昇してしまいました。

    東京近郊で育ったにもかかわらず、ひょんなことから中三の夏
    祖母や従兄弟の住む高知で、よさこい祭りのチームに参加することになった篤史。
    審査員から、素敵なパフォーマンスをした踊り子だけが貰えるメダルを
    祭りの最終日に交換しようと約束した女の子が、いつのまにか姿を消して。。。

    初恋の夏から4年。
    彼女にもう一度逢いたい一心で、関東からはるばる高知大を受験し
    晴れて大学生として高知に戻ってくるとは! 青春ですね♪

    彼女との再会を果たすため、しぶしぶ参加したはずのよさこいなのに
    チームの一員としてコンセプトの決定から衣裳や音楽選び、
    メンバー募集のためのHP作成、踊りの練習、地方車の飾りつけまで関わるうち
    どんどん燃え上がる、よさこいへの情熱。
    遠い昔、学園祭に向けて狭い教室にぎゅうぎゅう詰めになって
    模擬店や仮装行列の準備をしていた時のときめきが、懐かしく甦ったりして。

    最終日に向けてどんどん白熱していくよさこい祭りそのままに
    地道な準備作業に始まって、厳しい練習、汗と笑顔が飛び交う祭り本番へと
    一気に加速していく物語。
    祭りの喧噪も過去のわだかまりもすべて遠のいて
    切り取られたようなラストの一瞬、爽やかな風が心を吹き抜けます♪

  • ここしばらく、大崎梢氏の旧作を連続で読むことにした。

    いつもながらに…細やかな描きこみに心打たれた。人によれば、ひと夏の祭と淡い恋…の取り合わせをありきたりのテーマだと思うだろう。でも私は、大崎さんが描く限り、上っ面を舐めただけで終わる青春ドラマにはならないだろうと確信していて、まさに期待通りだった。

    登場するのは、それぞれの人生の輝きの中でそれぞれの思いを抱え、時に壊れそうになりながらも歩き続けるたくさんの主人公たち。互いが時に重なり、繋がり、反発しあい、強く結びつき、それぞれの夏を完結させてゆく。

    篤史もそのひとり。篤史にしかわからないこだわりと思いを胸に、因縁のよさこいに加わる。

    チームの絆は、互いを思いやり労わるだけでは生まれない。なぜなら、それぞれが目指すところは向きも高みも異なっているからだ。それはそれぞれの生きる道の違い。だから、ばらばらなメンバーを結びつけるものはそこにはない。ただ、チームの踊りが最高の瞬間を極めることを刹那の願いとして集う。ひとつのことに全員で打ち込み、成し遂げたという実感と揺るぎない自信、はじける笑顔と爆発する喜びをお互いに認め合った時、それこそが絆となる。

    絆は刹那。そのような強いものは、人の一生を貫き続けることはない。でも確かにそこにあった。みんなではじけた。輝いた。それこそがそれぞれの人生をやがて動かしていく力になる。

    賞を獲ったチームの後夜祭、それにそのあとのチーム解散が描かれていないところにこそ、綿密な取材を通じてきっと生まれたに違いない、作者のよさこいへの愛を感じた。描きたくなかったのだと、私は思う。

    強い力と清々しさに、私もひととき酔わせてもらった。

  • 季節は夏にはまだ遠いけれど、夏をしっかり感じました。

    高知で行われているよさこい祭を舞台にした話。
    うわー生で見てみたいなぁ。
    お祭り女の私としては読んでいるだけで血が騒ぐような気がします。
    これは楽しくない筈がない!
    月島、いい男だなー。

    風邪をひいて体はグッタリしているのですが、気持ちは元気になりました。

  • 夏に読んだら、よさこい祭りの熱気がもっと伝わってきただろうなー。こんなにも大掛かりなものだと初めて知りました。でも思ったより話にハマれずに読了。題材はいいけど登場人物にあまり魅力を感じなかったのが原因。特に篤史にはほとんど共感できなかった(主人公なのに)。初恋の人を探すっていうのも、そんなに好きなように見えなくて「ふーん」としか思えなかったです。

  • 青春全開な本でした。「かも」を大事にせぇ。青春だからこそ実行できるのかもしれず、羨ましい限り。
    憧れの彼女の正体は少し分かりやすかったかもしれませんね。

  • お祭りに恋。いやぁ、青春ですな。熱気もあるし、言葉も跳ねる。これはいいお話ですね。

  • たった2日間、その2日間に自分たちの夏 すべてをかける

    よさこいについて予備知識なく読み始めたこともあって、文章だけでなく絵や映像で見たいと強く思った
    主人公がよさこいに本気になっていくにつれこちらも物語に入れ込んでいけるのが読んでいて心地良い

    たった一瞬のために力を尽くし、その一瞬を迎えたときに味わえる快感と感動と寂しさ、それを経験したことが誰しも一度はあると思う
    読書中、そんな自身の青春時代を何度も思い出せた

  • 青春小説の醍醐味といえば『ボーイ・ミーツ・ガール』は外せない。
    本書はそんな王道、といってもすでに四年前に出会った彼女との約束果たすために彼女を探すという物語。
    そこに夏のよさこい祭りが舞台装置として描かれる。

    よさこいにかける人々の想いや、そもそもこのお祭りは各チームすべて自分たちでプロデュースして自腹を切ってプログラムを制作し、祭りの運営側もすべて手弁当で踊り子たち各チームを支援するこのお祭りの情景がいきいきと描かれている。
    2年前から数ヶ月の間に何回か高知を訪ねて、高知の姫たちと語り飲んだ街の景色を思い出す。
    もう、前回訪ねてから早いモンで一年も経ってしまった。

    そもそも本書を知ったのは、ちょうど今年のよさこいの最中に高知の姫から紹介してもらったのがきっかけだった。
    前に住んでいた池袋でも毎年夏になるとよさこい祭りをやっていたが、それほど興味を引くモノでは無かったが、今年はfbを通じて流れてくる本場高知のよさこいの状況や本書を読んでみて、本場のよさこいの空気を自分も肌で感じたいと思わせる、暑い夏の日の二日間の物語であった。

  • 一度本場のよさこいが見たいと青春18キップで乗り込んだ。
    同じ阿呆なら踊らにゃそんそんを地で行く自分が、ただただ通り過ぎる隊列に手を叩いて歓声を上げた。

    行き当たりばったりなスケジュール、
    踊ってる最中に腕を掴んで無理矢理メダルを掛けたり、
    かと思ったら踊り子も手を振って列から抜けたり、
    最後尾からは団扇のサービス。
    賞がらみのソーラン系を踊ってばかりだった自分には驚く事ばかりで、
    でも純粋になんて楽しいんだろうと思った。
    これが祭だって。

    本当は夏の真っ盛り、ギラギラな酷暑のど真ん中で
    読みたかったけど、なんとか残暑には間に合ったかな。

    昼間の原色の鮮やかさ、
    夜の幻想的な艶やかな深み、
    抜群に派手で明るいのに、どこか哀しいんだよね、まさに。

    未来は、決まってないことの方が多いよ。
    南国高知には恋以外の花も咲くよ。

    次は何して踊ろうかな。

  • 私が高知で踊ったのは、もう5年も前になるのか。思い出せる部分と思い出せない部分と。いろいろ交錯した結果、もう一度踊りたい、と思いました。

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