- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167801380
感想・レビュー・書評
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女性作家3人のセレクトによる時代小説傑作選。
選者は杉本章子・宇江佐真理・あさのあつこの三氏。
編集部からの注文は「読んで楽しんで、なおかつ『衝撃を与えてくれる』時代小説」
選ばれた作品は藤沢周平・山田風太郎・榎本滋民・滝口康彦・岡本綺堂・菊池寛と作者だけ見れば順当な作者陣だが、それぞれの作品だけれど、流石に内容は曲者ぞろい。
予定調和な大団円作品はありません。現代でこれほどのものを書く人って居るのかなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
滝口康彦の『異聞浪人記』と菊池寛の『忠直卿行状記』のふたつがガツンときた。とにかく凄かった。テーマも話のベクトルも違うが、うわぁってなった。
これはまた読みたい。 -
麿様(※麿赤児)の自伝で、1971年の初主演映画『闇の中の魑魅魍魎』で土佐絵金役を演じたというのを読んで、映画は無理でもせめて原作読んでみたいと思って探したらこれに収録されていました。杉本章子、あさのあつこ、宇江佐真理の3人の女性時代小説作家がそれぞれ2作づつセレクトされたアンソロジー。巻末にお三方の座談会もあり。
やはり目当ての榎本滋民「血みどろ絵金」が面白かった!作者の榎本滋民は正直よく知らず初めて読んだけれど、短編なのに絵金の血なまぐさい画風の根っこがどこにあるのかギュッと濃縮されていて、とてもいい感じだった。同じく血みどろ系絵師でも芳年はどこかしらスタイリッシュだけど、絵金はなんかこう泥臭いんですよね、ダイナミックで生々しいというか。そのルーツを説得力をもって描き出してありました。
山田風太郎「正義の政府はあり得るか」は、短編というより連作『明治断頭台』の最終章らしい。ここだけ抜粋して読んでも幕末オタク的に登場人物(川路、西郷、桐野、山縣ら)は把握できるからそれなりにわからなくはないけれど、フランス人巫女エスメラルダはさすがに何者!?って感じだし、やや荒唐無稽に感じてしまうので、いずれ改めて山田風太郎の明治シリーズは腰を据えてじっくり読みたい。
岡本綺堂「冬の金魚」は半七捕物帳のシリーズ。岡本綺堂は怪奇もの短編集は何冊も読んでいるけれど半七は老後の楽しみにとってある(笑)基本的に私は歴史小説のほうが好きで時代小説はあまり読んでこなかったけれど、岡本綺堂はやっぱり特別。座談会でも言われてたけど、江戸の空気を実際にまだ覚えてる人の書いたものは空気感が本物だと感じる。
藤沢周平「暗殺剣虎ノ眼」は安定の面白さ。隠し剣~とかのシリーズなのかな。父親を殺した暗殺者が自分の許婚者かもと疑う娘とその兄、しかしオチはまさかの・・・。その他の短編もベテランだけにさすがの完成度。時代小説とはいえ人間心理の描き方が秀逸でなかなか読みごたえのあるアンソロジーでした。
※収録作品
「暗殺剣虎ノ眼」藤沢周平/「正義の政府はあり得るか」山田風太郎/「血みどろ絵金」榎本滋民/「異聞浪人記」滝口康彦/「冬の金魚」岡本綺堂/「忠直卿行状記」菊池寛 -
時代小説の教科書ともいうべき短編だけど、やっぱり読みにくいなぁ。
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異聞浪人記
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暗殺剣虎ノ眼 /藤沢周平
正義の政府はあり得るか/山田風太郎
血みどろ絵金/榎本滋民
異聞浪人記/滝口康彦
冬の金魚/岡本綺堂
忠直卿行状記/菊池寛 -
帰りの電車で読む本が無くなって、駅の売店で購入。
藤沢周平さん、滝口康彦さんは既読。やっぱり好みです。
榎本滋民さんは存在さえ知らなかった作家さん。本職は劇作家さんらしいですが、なかなか良い。
岡本綺堂さん(半七捕物帳)は有名ですが、手を出したのはも初めて。江戸の雰囲気が見事に洒落てます。柔らかさというか、軽さというか、どこか池波正太郎さんを思い起こしました。もう少し読んでみたいと思います。 -
異聞浪人記を読みたくて読んでみたが、他にも中々面白い物があった。色々な物を読んでみないと駄目だね~。
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冬の金魚…何か心の中がザワザワ。半七を読まなくては…