追撃の森 (文春文庫 テ 11-21)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (572ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167812065

作品紹介・あらすじ

襲撃された山荘から逃れた女性を守り、森からの脱出を図る女性保安官補。
決死の逃走の末の連続ドンデン返し!

ジェフリー・ディーヴァーの新作が文庫オリジナルで登場! ITW長編賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 「次から次へと」

    まさにジェットコースターだ
    そしてこのジェットコースターが長い
    ぐったりするぐらい長い
    ようやくスピードが収まってやっと終わりかと思った途端に急加速「次から次へと」どころじゃない「次から次から次から次からあーもういい加減にせい!」だ

    追いつ追われつ、追うものを追うもの現れ、追うものを追うものを追うものが逆に追われって『追撃の森』過ぎるだろ!ってなんだ『追撃の森』過ぎるだろって

    まぁどうせ 一番犯人ぽい奴が犯人じゃなくて、一番犯人ぽくない奴が犯人なんだよ
    でもディーヴァーは一番犯人ぽい奴が犯人じゃないと思わせておいてやっぱ犯人でしたーってパターンもあるし、一番犯人ぽくない奴が犯人と思わせておいてやっぱり犯人じゃないと思わせておいてやっぱりそのまんまやないか!というパターンもあって、やっぱ一番犯人

    あーもう!


    あーもう!(二回)

  • 女性警官が深夜の森林をひた走るスリリングな作品。
    ジェフリー・ディーヴァーの久々のノン・シリーズです。

    ブリン・マッケンジーは、ウィスコンシン州の女性保安官補。
    家庭でくつろいでいた夜、通報で一人、別荘地に向かうと、夫婦の遺体が!
    殺し屋二人に追われ、夫婦の友人の女性ミシェルと共に、広大な森林公園を逃げ回ることになる。
    これといった装備も、携帯もないまま、いかにして闘うか。
    殺し屋の正体は?
    警察や夫は、いつ事態に気づくのか‥?

    8割が一晩の出来事で、すぐ緊迫した状況になり、引き込まれます。
    ブリンは優秀で隙がないタイプだが、仕事中毒気味。バレリーナのような体型だそう。
    造園師のスティーヴンと再婚していて、最初の結婚で出来た息子ジョーイには、問題行動が起きています。
    それを知り始めた夫との間にも、亀裂が‥
    おしゃれで若いミシェルは何かと足手まといになるのですが、一緒に逃げ回るうちにふと、心を打ち明けたりします。

    殺し屋ハートは職人気質で、相棒のルイスと組むのは今回が初めて。
    ハートに比べれば素人同然のルイスのいい加減さに苛立ちを抑えつつ、追いつ追われつのブリンの賢さに自分に似たものを感じ始めます。
    このへんも読みどころ。

    どんでん返しは、ディーヴァーなら期待しますよね。
    そのへんも抜かりなく。
    ただ、最後までスリル満点かと思うと~そうじゃない!というどんでん返しになっていたりする。
    ブリンの家庭の問題は、じわじわと。
    ブリンの物語という意味では、全体を通してじっくりしたペースになっているようです。

    結末もあまり親切な書き方ではないので、ぱーっと夢中で読み進んじゃうと、何が起きているのか、わからないままになる読者もいるかも?
    誰が嘘をついているのか、どこは嘘ではありえないのか?だまされないで!
    最初の印象ほど悪くない人もいるけど。
    正体を上手くごまかした悪人もいる。
    ネタばれになっちゃうんで~書くのが難しいけど‥
    けっこうハッピーエンド‥☆

    翻訳もスピード感が出ているのは良いと思います。
    ただ訳語が硬めで、とくに叫喚とか蛙鳴はないんじゃない‥?

    2008年の作品。
    2012年翻訳発行。
    ディーヴァーの傑作を★5つとするなら★4かなという気もするんだけど‥
    全体の水準で4.5以上はいってるよね~ということで、5つに。

  • ジェフリー・ディーヴァーおなじみの大どんでん返しがある。

  • ライム・シリーズのようにいくつかの事件が起こって・・・を予想していたら、最初の事件現場から追撃が始まる。物語の3分の2は森の中。これがおもしろい。相手の考えの裏をかく、だましだまされ、ついつい読んでしまう。
    後半のどんでん返しは、やり過ぎというか、そこまで複雑にしなくても十分面白いのに、とちょっと引いてしまう。
    いつものジェフリー・ディーバの作品。

  • 緊迫した生き残りゲームがほとんどのページを占めている。
    保安官補の女性と殺人犯の知恵比べのサバイバルが読みどころかな。
    偶然二人組みになった逃げる側と追う側、見方を変えれば、逮捕する側とされる側、警官と殺人犯、という組み合わせ、時間とともに理解が少し深まって二人の関係が次第に変化していく、このところはありかもしれないが、一夜の出来事にしても、暗い森の長い追跡は少し飽きる。

    * * *

    人里はなれた森林の中の別荘で夫婦が殺される。保安官補のブリンは現地に行き、生き残った女(ミッシェル)と出会う。
    二人組みの犯人が追跡してくるが、二人は湖岸の森を抜けて逃げていく。
    連れて逃げていく女優崩れの女は足手まといになるし、何かとぐずり続ける。
    やっとたどり着いた窪地に止まったキャンピングカーは、ほっとする隙もなく、麻薬製造の一味だった。この一味にも狙われる。
    そこで追いつかれた犯人たちの銃撃で一味は殺され、ブリンは生き残った少女を保護する。
    隙を見て逃げるが、今度は子ども連れの難行。
    ブリンはありえないほどの困難の中で、さまざまな智恵で犯人をまくが、この智恵比べが読みどころ。

    * * *

    一気に読めばそれなりに面白いが、少し時間が空くと、まだ逃げているのかと思うほど、悪条件が次々に降りかかり、追いつ追われつの果てしない物語に思える。
    ただ、そこは実力派というか、ブリン組の人物像、ブリンの家庭や仕事場の事情、犯人達の目的などもあって、興味をひく部分もある。
    被害者の夫婦はなぜ殺されなくてはならなかったのか。
    ブリンとともに逃げることになった女の真の顔が見えてくるところなど面白い。
    だが今回はあまり魅力は感じなかった。
    こういう、少しゲームっぽい筋書きは長いと緊迫感が少し薄くなる。

    娘はまだ確信がなさそうにしていた。ブリンは罪悪感には複雑なDNAがあることを知っている。毒性を持つものにかならずしも純粋種である必要はない。しかしミシェルは、ブリンの言葉に多少の慰めを見出したようだった。「時計の針を巻き戻せたらいいのに」
     それって毎日の祈りじゃないの、とブリンは思った。</em>

    こういうところは好きな部分で、つい次の作品に手を出す。

    「逃げる」ということで、面白かった映画を思い出したが題名を忘れた。ただ逃げる、どんどん逃げる映画だったが、なぜか面白かった。
    ついでに「ジェリー」という映画も思い出した。
    砂漠に入った二人の若者が道に迷い、歩き続けていく、二人がついに独りになってしまっても歩く、ただそれだけで、恐怖や孤独感が、すばらしい風景の映像とともに伝わってきた。

    事件や出来事の経過を伝えるだけでなく、何か響くものがあってほしい。この作品を読みながら、ストーリーをたどるだけでは面白みがないという感じがした。

  • 2019.8.14 読了

    初めてのジェフリー・ディーバー作品

    広大な森の中での追走劇が殆どのストーリー。
    追われる保安官と追う殺し屋との心理戦ややりとりはもちろん細かく引き込まれるが、少しづつ見えてくる新しい筋。

    中盤からシンプルな追走劇ではなくなり、二転三転プラスの結末。

    それぞれの人間模様やドラマも良いバランスで描かれている。

    最初は入りづらかったけど、映画を見ているようなエンターテイメント性も感じて面白かった。

    ボーンコレクターをますます読みたくなった。

  • リンカーン・ライムシリーズと同じ作者だったので。

    何の根拠もないが確信があった。

    遺体を発見した女性保安官補が、犯人たちに追われ森に逃げる。
    犠牲者の友人の女性とともに。
    逃げる女性二人に追う男性二人。
    だまし、だまされて、だまされずに、だまされたふりをして。

    でも、保安官補と逃げていた女性が、
    本人の言っている人物でないことは明らかだった。
    だてに、この作者の作品を読んで来ている訳ではない。
    ただの嘘つきではなく、悪い人だと確信していた。

    追っていた男の最期があっけなくて残念だった。

  • 殺し屋vs保安官補の手に汗握る一夜の対決

    ノンシリーズであるが、登場人物の設定がしっかりしているので物語にグイグイ引き込まれる。一晩の出来事を追う側、追われる側と視点を巧みに変えて、緊張感が途切れることなく描く手腕はさすが。ディーヴァーならではのどんでん返しもしっかり用意されていて期待を裏切らない。しかもノンシリーズだからのこその意外な展開!?殺し屋好きとしては、プロフェッショナルで粋なハートの活躍がもっと見たかった!

  • とにかくスピーディー。
    逆転につぐ逆転で、果たして終わりは来るのだろうか?まさか2とかに続かないよね?と思ってしまったほど。笑
    襲撃者のハートがどこか憎めない奴なので、2も有りかなとも思ったり。

  • 本書に関する多くのレビューが翻訳者や解説者の問題を指摘していますが、イマイチなのはやはり本書の内容自体にあります。
    560Pある本書の多くのページを費やしている逃亡劇ですが、帯のうたい文句にあった「知力を駆使した戦い」というほどのものはありませんし、むしろ退屈でさえありました。
    やはり、標準以上のレベルが期待できるリンカーン・ライムシリーズには及びませんね。

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著者プロフィール

1950年、シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻。雑誌記者、弁護士を経て40歳でフルタイムの小説家となる。科学捜査の天才リンカーン・ライムのシリーズ(『ボーン・コレクター』他)や“人間嘘発見器”キャサリン・ダンスのシリーズ(『スリーピング・ドール』他)は全世界でベストセラーになっている。ノンシリーズ長編小説、短編小説など人気作品も多数刊行
『ブラック・スクリーム 下 文春文庫』より

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