その日まで―紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫)

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著者 : 吉永南央
  • 文藝春秋 (2012年11月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167813031

その日まで―紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • お草さんのシリーズ2冊目。
    連作短編で、次第に事件が絡み合っていきます。

    北関東の紅雲町。
    「小蔵屋」というコーヒーと和雑貨の店を出して10年になる杉浦草は、76歳で独身。若い頃に離婚し、地道に働き続けてきた。
    若いが頼りになる店員の久実と一緒に、コーヒーの試飲もさせる店をやっている。
    近くに安い雑貨店「つづら」が出来て、露骨な営業妨害をしてくるようになった。

    アパートの前で捨てられた人形を見つけたお草さん。
    その持ち主らしい子どもの荒れた様子に驚く。
    かって幼い我が子を失っているお草さんは、困っている子どもを放ってはおけない。
    けれど、これは虐待というのではなく…
    叔父の田村は30歳ぐらいの誠実そうな男で、理由を説明するのだった。
    久実は田村に好意を抱いたようで、店にもよく来るようになった子タケルを皆で可愛がるが‥?

    福祉作業所のたんぽぽで作っているキャンドルを売ってくれないかと頼まれるが、特徴のない品なのに高すぎると筋を通す。
    「つづら」では福祉に協力するために販売していると評判になり、しかも小蔵屋では断ったと広められる。
    ところが「つづら」では、おまけとして配っていた。
    別な販売方法を工夫する草。

    展覧会に出かけたお草さんは、久しぶりの知人に出会う。
    彫刻家の須之内ナオミは、まだ草が40歳の頃、呉服店の手伝いに通っていた頃の知り合いで、当時は高校生だった。
    ナオミがアメリカに行く前にあった出来事について意見を聞かれ、当時の知り合いに電話してみた所…?

    カレー屋を経営する香菜という女性と知り合い、不動産取り引きの問題を聞く。
    呉服のマルフジが高利貸しにも手を広げ、不動産屋と組んであくどい手を使った疑いが。
    マルフジの社長とは、かって縁談が起きた間柄だった。
    この件には、田村にも意外な関わりが‥?!

    表紙イラストのほのぼのしたイメージを期待しすぎると違うかも。
    日常の謎系ではありますが。
    和装で髪を髷にまとめているので、おばあさんという感じだけど、そうでなければまだ、おばさんでというか初老で通るかも?
    現役の働く女性で、健康だと、いまどき。
    とはいえ、長く生きているとこんな経験もする、という印象はありますね。

    40年も前なのにと自分でも思いつつ、幼い息子を失ったことを悲しむ草。
    普段は淡々と暮らしていても、時にはその思いがあふれ出すように。
    40年前に終わったことではなく、40年も続いた悲しみなのでしょう。
    力のこもった書きぶりです。

  • 祝文庫化!今朝から一冊目を読み始めました。。。

    文藝春秋のPR
    「ヒット作『萩を揺らす雨』続編、待望の文庫化!
    北関東の紅雲町でコーヒーと和食器の店を営むお草。詐欺まがいの不動産取引について調べ始めると、因縁の男の影が。シリーズ第2弾」

    文藝春秋のPR(単行本)
    「小蔵屋を営む老女・お草は、最近くさくさしている。近所に安さと豊富な品揃えが売りの和雑貨店・つづらが開店し、露骨な営業妨害を仕掛けてくるからだ。しかもつづら出店の裏には詐欺まがいの不動産売買の噂があって、草はほうっておけなくなるが…。コーヒー豆と和食器の店を舞台に、老女が街で起きるもめ事を解決するコージー・ミステリー。 」

  • 「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズ第2弾。
    杉浦草は紅雲町で和食器とコーヒー豆の店「小蔵屋」を営む。
    70代の草は和服を粋に着こなし、髪をお団子にまとめ、蝙蝠傘は杖代わり。
    これまでの人生、辛いこと、後悔することが多かった分、人として魅力的なのだろう。
    だが、時として草の優しさは受取り手の思いとのズレを生じさせてしまう。
    言い訳をせぬ姿勢は言葉足らずと感じられることもある。
    見返りなど決して求めないのが本当の優しさだとは思うが、平穏でいられないのが人の心。
    前半はひきつけられて読んだのですが、後半は…
    ちょっとペースダウン。

  • シリーズ2作目
    後半スケールが大きくなっていたからどう納めるか、ハラハラした。
    が、案外あっさり納まって
    あら?な感じ。

    今後のお草さんの活躍を期待します。

  • 杉浦草の紅雲町珈琲屋こよみシリーズの第2作。
    ライバル店つづらが登場。姑息な手段を使うつづらを横目に、内心は穏やかでない草さん。独自のやり方で丁寧かつ客に寄り添った行動をとり、さまざまな人の信頼を得て行く。
    何と言っても70才を超えたヒロインの行動力と情の深さが、とても魅力的で、楽しい。そして時折見せる老いの寂しさに哀愁を感じる。

  • シリーズ2作目。

    わたしは、1作目のほうが好きでした。
    素人探偵のようなおばあちゃんが、おばあちゃんであることを活かして謎を解き、人助けをしていくというかんじで、とても読みやすく読後に清々しい気分になれました。

    今作もお草さんキャラクターは好きだし、何より小蔵屋の雰囲気にはとても惹かれます。本当にあったら行ってみたい!
    でも、途中から前作にあった謎解きものの読みやすさがなくなってしまったようにかんじました。他人の親子関係を自分の子供への思いに重ねていくみたいでしたが、その辺から急に重さがでてきてしまって。
    最後があまりすっきり終わらなかったので、3作目にどうつながるのか、次回作も読んでみたいと思います。

  • 今回も表紙につりあわないちょっとハードな内容。
    でもお草さんのキャラゆえか、読後はいつも悪くない。

  • シリーズ第2弾。シリーズ物の難しさってあるんです。その作家さんと今後もつき合っていけるかどうかが二作目にかかってると思うんです…

    正直に言えば、自然消滅の仲かな…私とは(*_*;読みやすさが逆に私には合わない気がしました。

  • 2話目が白眉。同情だけでは続かない、という現実。障害も災害もなんらかの事情も他人にはやはり他人ごとであるということを踏まえ、対等に居る。その「施し」ではない対等さは、きっと、どんな同情よりも貴重なものではないのか。
    前作もそうでしたが、ひとがひとを先入観なくただその個人として捉え尊重することが出来るか否かを、容赦なく問われているように読み。そしてこの目線に至るにはまだまだ足りないなと思い知らされる。
    苦いものも辛いものも味わうことで解るのだろうと。

  • シリーズ2作目。
    人情物にしたほうがいいと思うんですけど、どうして事件を大きくしたがるのか。
    やっぱりタイトルと表紙と設定が、書きたいテーマとプロットに合っていない気がする。

    探偵役がおばあさんである、そのあえてがよりぼやけた感じになった。

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コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」の近くに、ライバル店「つづら」が開店した。つづらは元和菓子屋だったが、近隣では経営難のオーナーから詐欺まがいの手口で土地家屋を買い叩く業者グループがいるという噂がある。小蔵屋を営む気丈なおばあちゃん・杉浦草は、背景を調べ始めるが…。

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