その日まで 紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫 よ 31-3)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167813031

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ2作目
    後半スケールが大きくなっていたからどう納めるか、ハラハラした。
    が、案外あっさり納まって
    あら?な感じ。

    今後のお草さんの活躍を期待します。

  • 杉浦草の紅雲町珈琲屋こよみシリーズの第2作。
    ライバル店つづらが登場。姑息な手段を使うつづらを横目に、内心は穏やかでない草さん。独自のやり方で丁寧かつ客に寄り添った行動をとり、さまざまな人の信頼を得て行く。
    何と言っても70才を超えたヒロインの行動力と情の深さが、とても魅力的で、楽しい。そして時折見せる老いの寂しさに哀愁を感じる。

  • シリーズ2作目。

    わたしは、1作目のほうが好きでした。
    素人探偵のようなおばあちゃんが、おばあちゃんであることを活かして謎を解き、人助けをしていくというかんじで、とても読みやすく読後に清々しい気分になれました。

    今作もお草さんキャラクターは好きだし、何より小蔵屋の雰囲気にはとても惹かれます。本当にあったら行ってみたい!
    でも、途中から前作にあった謎解きものの読みやすさがなくなってしまったようにかんじました。他人の親子関係を自分の子供への思いに重ねていくみたいでしたが、その辺から急に重さがでてきてしまって。
    最後があまりすっきり終わらなかったので、3作目にどうつながるのか、次回作も読んでみたいと思います。

  • 前作の最後で幼馴染の由紀乃さんが遠くへ行ってしまい、どうなるのかと思っていたら、
    時が巻き戻っていた。

    四季折々の話が一つの方向に向かって流れ込むという展開は好きだが、
    彫刻家との縁はちょっと唐突かな。
    知り合った時も共通点なしの偶然だし、
    30年ぶりのこれまた偶然の再会で、
    面倒事を頼む方も頼む方だし、受ける方も受ける方だし。
    最後の話の親子の確執の決着も、ちょっと安っぽい。

    ところどころに心を刺すようなガラスの破片が埋め込まれている良さがあるのに、
    切れ味が今一つ鋭くなくて、傷口がじくじく痛むような感じがする。
    人の心の綾に痛みを感じさせられるところは、
    宮部みゆきにも似ているが、
    その痛さがスパッとしていて、
    ある意味気持ちがいいのとは大違い。

    自分の店にありきたりなものを置きたくないと納品を断った潔さがありながら、
    過去の自分を責め続け、囚われ続ける主人公のもがきが
    その根源なのだろうか。

    それとも、人とはそういう矛盾した存在であるということを、受け入れられない私の未熟さのせいか。

  • 今回も表紙につりあわないちょっとハードな内容。
    でもお草さんのキャラゆえか、読後はいつも悪くない。

  • シリーズ第2弾。シリーズ物の難しさってあるんです。その作家さんと今後もつき合っていけるかどうかが二作目にかかってると思うんです…

    正直に言えば、自然消滅の仲かな…私とは(*_*;読みやすさが逆に私には合わない気がしました。

  • 2話目が白眉。同情だけでは続かない、という現実。障害も災害もなんらかの事情も他人にはやはり他人ごとであるということを踏まえ、対等に居る。その「施し」ではない対等さは、きっと、どんな同情よりも貴重なものではないのか。
    前作もそうでしたが、ひとがひとを先入観なくただその個人として捉え尊重することが出来るか否かを、容赦なく問われているように読み。そしてこの目線に至るにはまだまだ足りないなと思い知らされる。
    苦いものも辛いものも味わうことで解るのだろうと。

  • 一つ一つの話の終わりがすっきり感じないところもあるんだけれど、事件の終わり方というよりは出来事の納得の仕方と捉えると読み続けられる。

  • シリーズ2作目。
    人情物にしたほうがいいと思うんですけど、どうして事件を大きくしたがるのか。
    やっぱりタイトルと表紙と設定が、書きたいテーマとプロットに合っていない気がする。

    探偵役がおばあさんである、そのあえてがよりぼやけた感じになった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「人情物にしたほうがいいと」
      二作目は未だ読んでませんが、人情物つもりで読んでます。。。
      「タイトルと表紙と設定が」
      表紙画を描いてる杉田比...
      「人情物にしたほうがいいと」
      二作目は未だ読んでませんが、人情物つもりで読んでます。。。
      「タイトルと表紙と設定が」
      表紙画を描いてる杉田比呂美のイラストは好きなのですが、確かに全然合ってナイですね。。。
      2013/01/08
  • 和食器とコーヒー豆を扱うこじんまりとした小蔵屋を営む70代のお年寄りお草さんのシリーズ続編。ジャンルとしては日常ミステリに近いもののお草さん自身を始め登場人物たちが負っている人生の機微が細かく丁寧に描かれています。前回から店を手伝うようになった健康的でけなげな久美ちゃんの存在が、ややもすると暗くなってしまいそうな全体の雰囲気を救っています。短編連作だけれど全体を通した横軸のストーリーもしっかりあって、大変面白かったです。今後も楽しみなシリーズです。

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著者プロフィール

1964年、埼玉県生まれ。群馬県立女子大学文学部美学美術史学科卒業。2004年、「紅雲町のお草」で第43回オール讀物推理小説新人賞を受賞。著書に「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズ『誘う森』『蒼い翅』『キッズ・タクシー』がある。

「2018年 『Fの記憶 ―中谷君と私― 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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