政界汚染 (文春文庫 は 41-2 警視庁公安部・青山望)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167818029

感想・レビュー・書評

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  • 警視庁公安部・青山望シリーズ第2弾。
    今回も事件に絡む裏社会の事情や捜査に関連する情報が細部まで盛りだくさんで読み応えのある1冊だった。

    複数の病院を経営する理事長:中村が選挙に立候補するも惜しくも落選。そのまま政治家への道は諦めようとしたが、繰り上げ当選で議員となる。政界素人の中村を利用しようと多方面から複数の人物が接触を図ってくるしし、選挙関係者の交通事故が立て続けに起こるしで前半から危険な香りがプンプンする。
    欲望を隠しながら人のよさそうなこと言って近寄ってくる人はどこの世界にもいるんだな。

    今回も同期カルテットが大活躍!
    所属する部署を超えて真相解明・犯人逮捕のために惜しみなく情報共有する絆がなんか良い。
    部署内では優秀と評価の高い藤中や大和田が捜査を通して自分の不得意分野を自覚し、素直に青山に質問して教えを乞う場面は素敵だと感じた。仕事ができる人は変なプライドなく相手を尊重して学ぶ姿勢がある人格者だ。

    中盤以降も相変わらず登場人物が多くてわちゃわちゃした感じだったが、公安・刑事部それぞれが役割を全うして重要人物の逮捕に向けて着実に準備を進め逮捕に至るまでが気になってやっぱり読んでしまう。

    今回も活躍した同期カルテットは、連続で実績を出して上司たちにもその存在を認識されているがすごい。
    半年後には全員異動みたいなので、次回作ではまた違ったポジションでの活躍がみれるのか、楽しみ。

  • 非常に痛快な勧善懲悪もの。かなりストーリーが入り組んでいるので丁寧に読み込まないと詳細まで理解は難しいが、公安は本当にここまでやるのだろうか。

  • 私の好きな今野敏の本で今読めるものがなかったので、警察カテゴリーで読んでみたけどやっぱり今野敏の方が好き。同時にたくさんの事件を詰め込みすぎてる感じがした。

  • この4人組最強

  • 次点から繰上当選した参議院議員の周辺で、次々と関係者が死んでいく。ある男は右腕が川に浮かび、ある男は不自然な交通事故にー。警視庁公安部警部・青山望の前に現れたのは、選挙ブローカー、刀匠、中国人鍼灸師、暴力団…。彼らが大きな権力の一点に結び付く。

  • 大手の医療法人の理事長が参議院選挙に立候補した。
    選挙戦に不慣れな理事長・中村に、選挙を食いものにしている人間が群がっていく。
    残念ながら落選した中村は次点候補となる。
    やがて中村からまとまった選挙運動資金をせしめた市会議員がひき逃げされ死亡。
    次いで京都で当選した参議院議員が、やはりひき逃げされて事故死する。
    繰上当選となった中村の周辺で、事務長としてともに病院経営や選挙戦を戦ってきた金指が失踪し、中村は捜索を警察に依頼してきた。
    はたして二つのひき逃げは偶然なのか?金指の行方は?
    警視庁幹部の間で、青山を中心とした同期同教場の4人は「カルテット」と呼ばれ、徐々に知れ渡っていた。
    従来の枠組みに捉われない捜査は、本来警察があるべき方向へと組織をけん引していく力となっていく。
    国の行方を憂うべき政治家は権力を手にしたときから、政治屋へと変わっていく。
    利益のために国家の安全を平然と無視する企業家たち。
    リアルだといわれている濱さんの作品だけれど、逆に本当にリアルなのだとしたら怖い・・・と思ってしまった。
    平和な時間を過ごすことがあたり前だと思い込んでいる日常。
    実は見えないところでは誰かによって地中の土が徐々に削り取られ、私たちは空洞の上に立っているのかもしれない。
    事件の背景には、政治、経済、宗教、他国の陰謀・・・。
    さまざまな要因が複雑に絡み合い、読みにくい箇所もあるにはあった。
    けれど、聞き慣れない言葉も逆に面白い。
    濱さんのシリーズは、これからも楽しみにしている。

  • よいシリーズになりそう。

  • 【作品紹介】
    次点から繰上当選した参議院議員の周辺で、次々と関係者が死んでいく。ある男は右腕が川に浮かび、ある男は不自然な交通事故に―。警視庁公安部警部・青山望の前に現れたのは、選挙ブローカー、刀匠、中国人鍼灸師、暴力団…。彼らが大きな権力の一点に結び付く。徹底的にリアルさにこだわった文庫書き下ろしシリーズ第二弾。

    【感想】
    同期カルテットの各部門で並行して捜査が進んでいくさまが面白い。ただ、4人のキャラがまだ立ち切れていない感が否めない。このシリーズを読み進むうちにもっとキャラ立ちしていくことに期待。

  • 事件は継続されていますな・・・
    一度にできるところまで「掃除」されたのですが
    まだまだ病巣は奥深いのか
    警部カルテットは絶好調!

  • どうもつまらない。警察内部の情報を披露している感じで人の心に触れていない。

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著者プロフィール

1957年、福岡県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業後、警視庁入庁。警備部警備第一課、公安部公安総務課、警察庁警備局警備企画課、内閣官房内閣情報調査室、再び公安部公安総務課を経て、生活安全部少年事件課に勤務。警視総監賞、警察庁警備局長賞など受賞多数。2004年、警視庁警視で辞職。衆議院議員政策担当秘書を経て、2007年『警視庁情報官』で作家デビュー。主な著書に「警視庁情報官」「ヒトイチ 警視庁人事一課監察係」「院内刑事」シリーズ(以上、講談社文庫)、「警視庁公安部・青山望」「警視庁公安部・片野坂彰」シリーズ(文春文庫)など。現在は危機管理コンサルティングに従事するかたわら、TVや紙誌などでコメンテーターとしても活躍中。

「2022年 『プライド 警官の宿命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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