警視庁公安部・青山望 報復連鎖 (文春文庫 は 41-3 警視庁公安部・青山望)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167818036

作品紹介・あらすじ

大間からマグロとともに築地市場に届いた氷詰めの死体。麻布署警備課長に異動した青山は、同期の築地署刑事課長・龍に協力して情報収集するが、見えてきたのは新宿で凶暴化する「半グレ」元暴走族グループ、チャイナマフィアが絡みつく裏社会の報復…。日本社会の隙を世に問う、インテリジェンス警察小説シリーズ第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 青山望第3弾。築地市場に大間から届いた死体。半グレ、チャイナマフィア、複雑な関係を青山が暴く。結構詳しく書いてあるので説明も多く難しく感じるところもあるが、興味深い。謎が残ってるし、これは続くのかな。いやしかし、相変わらずスーパーヒーロー大活躍ばかりだな。

  • ストーリーの詳細は複雑で理解しきっていないが、捜査手口の細かな描写がリアルな感じで楽しい。そして、正義が勝つところが良い。

  • 報復連鎖 警視庁公安部・青山望。濱嘉之先生の著書。元警察官である濱嘉之先生ならではの臨場感あふれる小説。恐ろしい事件、複雑に絡み合った組織関係や人間関係。フィクションだけれどフィクションではなく現実世界の話のように惹き込まれてしまう一冊です。警視庁公安部に青山望のような人間が本当に存在していたら、さぞや頼もしいことでしょうね。

  • 大間からマグロとともに築地市場に届いた氷詰めの死体。麻布署警備課長に異動した青山は、同期の築地署刑事課長・龍に協力して情報収集するが、見えてきたのは新宿で凶暴化する「半グレ」元暴走族グループ、チャイナマフィアが絡みつく裏社会の報復…。

  • 日本はスパイ天国だとよく言われる。
    日本における最高刑は言うまでもなく死刑だ。
    けれども刑法における条文のほとんどには「死刑又は〇〇に処する」か、「死刑若しくは〇〇に処する」と明記されている。
    「外患誘致罪」のみが「死刑に処する」と言い切った表現になっている。
    では「外患誘致罪」とは何か。
    外国と通牒して日本国に対して武力を行使させた者に対する処罪である。
    他国の人間が日本においてスパイ活動を行うのとは根本的に違う。
    似た例は過去にもある。
    戦時中に現在の中国において中国人李香蘭として活動していた山口淑子さんは、漢奸容疑で捕らえられたが日本人であることが証明され国外追放処分となった。
    同時期に日本人川島芳子として活動していた愛新覺羅顯しは、戦後に漢奸として逮捕され銃殺刑となった。
    いずれの国も祖国に害を及ぼす人間に対しては厳しい態度をとるということだろう。
    ニュースなどで国益を損なうような行為…キャッチオール規制に抵触するものを輸出した企業がたまに話題になることがある。
    利益優先の企業が実際に存在するということになる。

    物語は冷凍マグロとともに男の遺体が築地に運ばれたことから始まる。
    登場するグループの描写に、「あれ?これってこの間までテレビで騒がれていたグループのことじゃ…?」と連想したくなる場面も多かった。
    日本の犯罪は年々凶悪化しているような気がする。
    短絡的に命を簡単に奪っていく。
    何の抵抗も感じることなく他人を傷つける人たちが増えているのだろうか。
    ほんの一部の人たちだけなのだと、特異な存在なのだと思いたい。
    中国マフィアが登場し、さまざまな中国に対するエピソードが語られる。
    社会情勢、経済構造など興味深かった。
    とても近いはずなのに、とても遠い国。誰かがそんな表現をしていたことを思い出す。
    著作権が守られることもないし黄色いガンダムには心底笑ってしまった…不思議な国といった印象だ。
    事件は一応の結着をみる。
    しかし真の解明には至らない。
    次作「機密漏洩」ですべてが明かされるのだろう。
    すっきりとしないまま本を閉じた。

  • 【作品紹介】
    大間からマグロとともに築地市場に届いた氷詰めの死体。麻布署警備課長に異動した青山は、同期の築地署刑事課長・龍に協力して情報収集するが、見えてきたのは新宿で凶暴化する「半グレ」元暴走族グループ、チャイナマフィアが絡みつく裏社会の報復…。日本社会の隙を世に問う、インテリジェンス警察小説シリーズ第3弾。

    【感想(一度目)】
    3作目で大体のストーリーのパターンがわかってきた。
    警察の捜査能力が高いことは十分に理解できるが、如何せん登場人物が多すぎる。それこそ主人公の青山の相関図を書かないと途中でわからなくなる傾向有。
    相変わらず同期カルテットのキャラ立ちがいまいちぼやけている感は否めない。

    【感想(2度目)】
    4作目の「機密漏洩」を読んで、当3作目の内容を思いだしたかったので、再読。
    やはり、2度目の方が相関図はよくわかる。
    ただ、主人公以外の同期カルテットのキャラがまだぼやけているので、今後のキャラ立ちに期待か?

  • 同期カルテットの活躍が続く。縦割りの弊害を取り除く唯一の手段かも。

  • 事件の展開や捜査の進み様はいつもどおりスムーズで、青山の能力が際立つところは相変わらずではある。

    ただ、この連作を読んで知らぬ間に頭に入っている知識が、日常の報道等を考察するにあたってかなり有用なものであることが、最近わかってきた。

    もう一度シリーズを読み直すのもいいかもしれない。
    知識習得のために。

  • 警視庁公安部・青山望シリーズ、3作目。

    さすが元警察官の著者なだけあって、裏社会の現況がリアルに詳細に描かれている。恐らく、個人名やら団体名やらは異なれど、かなり現実に近いところを突いてるんじゃなかろうか。この本を読めば、そういった裏の世界を大筋のことは把握できる、という教科書本的な感じ。その分、文章が説明的で、ストーリー的には楽しみ辛い。出てくる人物もやたらに多く、人物把握がなかなかに困難。カルテット以外は、公安の佃巡査部長くらいしか覚えられなかった。最後、変に中途半端に終わったなぁと思っていたら、次作がこれの続編にあたるようだ。忘れないうちに読まないと。

  • 青山さんは何もしない?

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著者プロフィール

1957年、福岡県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業後、警視庁入庁。警備部警備第一課、公安部公安総務課、警察庁警備局警備企画課、内閣官房内閣情報調査室、再び公安部公安総務課を経て、生活安全部少年事件課に勤務。警視総監賞、警察庁警備局長賞など受賞多数。2004年、警視庁警視で辞職。衆議院議員政策担当秘書を経て、2007年『警視庁情報官』で作家デビュー。主な著書に「警視庁情報官」「ヒトイチ 警視庁人事一課監察係」「院内刑事」シリーズ(以上、講談社文庫)、「警視庁公安部・青山望」「警視庁公安部・片野坂彰」シリーズ(文春文庫)など。現在は危機管理コンサルティングに従事するかたわら、TVや紙誌などでコメンテーターとしても活躍中。

「2022年 『プライド 警官の宿命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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