警視庁公安部・青山望 機密漏洩 (文春文庫 は 41-4 警視庁公安部・青山望)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167818043

作品紹介・あらすじ

絶好調のベストセラー文庫書き下ろしシリーズ第4弾!長崎・平戸に漂着した難破船。船内には中国人の5遺体が。警視庁の青山が公安的視点で汚染国家・中国を捜査した先に見た闇組織とは。

感想・レビュー・書評

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  • 青山望シリーズ第4弾。
    シャブから始まり、反社のフロント企業、パチンコ業界、I R法、性風俗、政治と宗教、警察のセクショナリズム、中国の環境問題と日本企業からの情報漏洩等々盛りだくさん。
    最後は一斉摘発で解決と水戸黄門的パターンが出来上がってきた。

  • 長崎、琵琶湖、大間、東京と様々なところで起きた事件を情報網を駆使して関連をあぶり出し解決していく。
    このシリーズ話としては面白いのだがいまいち盛り上がりに欠ける。
    今回もなんかいつの間にか解決してしまったという感じ。
    他の人のレビューを見ると前作を先に読んだ方が良いとあった。自分は読んでいなかったために楽しめなかったのだろうか?

  • フィクションが、フィクションと思えない物語の構成。
    南の海上で、麻薬取引が行われる。
    高速艇に乗った男たちとボロ船の男たちで
    麻薬取引がされる。
    その場で、麻薬の純度が計測され、
    品質問題のクレームをする。
    いかにも日本的で、相手は中国的。麻薬は麻薬だという。
    ところが、ボロ船の五人は、簡単に射殺されて、
    麻薬の150kg は、強奪されてしまう。
    1kgが末端で1億円。盗まれたのが150億円にもなる。
    (実際 麻薬の価格は、どうなるのだろうか?)
    ボロ船だけど、日本製のしっかりしたものだった。
    それゆえ、沈まなかったことで、事件が明るみになる。
    5人の銃殺死体、弾丸、そして、どこから打ったのか?
    一人の指紋が見つかることで、事件が東京の中国マフィア、
    暴力団 岡広組につながっていく。
    指紋は、袁劉のものだった。それが、つながっていくのは?

    150kgの麻薬が、持ち込まれれば、
    東京の麻薬市場のバランスが崩れることになり、
    勢いのよい勢力が生まれることになる。

    そこの登場するのが 青山望とその同期のカルテット。
    連携を取り合って、事件の全体像というか、
    その犯罪モデルを浮かび上がらせていく。
    前作の「報復連鎖」の時に、あまりにも中途半端な終わり方で不完全燃焼だったのが、この「機密漏洩」で明らかにされる。

    大間から送られた、はらわたをくり抜かれた死体は、
    宗教が関連し、報復の意味を持っていた。
    大間はマグロのメッカであり、中国の富裕層に人気の商品。
    そして、原子力発電所が、ある。
    それにつながる 日本の技術が 盗まれようとしていた。
    セラミクスを使った水の浄化技術は、菱和工機。 
    ジャパンレーヨンの逆浸透膜技術。
    水と空気の清浄技術は、中国の欲しい技術に他ならない。

    菱和工機は、四谷教団の支配下にあり、中国にも進出し、
    その技術を中国は、国内のみならず、
    アフリカへの進出の技術にも使おうとしている。
    この四谷教団は、創価学会ではないのかな。
    その四谷教団の会長は、ノーベル平和賞を狙っている。
    宗教、そして、中国の思惑、知的財産権。
    日本の新幹線技術が、あっという間に中国に移転しまったと
    同じようなことが環境問題の技術も盗まれようとしている。
    それに、政治家さえも、そのトラップに巻き込まれている。

    琵琶湖で、釣船から 銃殺死体が上がった。
    それは、宮古島の漁師だった。
    つまり、最初の事件の高速艇の持ち主だった。
    報復が始まっている。

    南の船の銃殺した弾丸は、
    日本では50丁しかない警察の所持しているものだった。
    誰の拳銃なのか?突き止めたのが
    福岡県警警備部長西川亨の拳銃だった。
    警察の内部から、殺人の武器があぶり出される。
    警察の天下りが、様々な捜査の妨害にもなる。

    いやはや。現実と事実の上にノンフィクションが構成され、
    様々な事象が、盛り込まれていて、
    殺人事件、麻薬の取引、中国マフィアからの政治献金、
    技術の機密漏洩と、スピード感のある事件を
    大きな視点で 解決していく様は、実に面白い。

  • 長崎・平戸に中国人5人の射殺体が難波船に乗って漂着した。船内には元自衛官の指紋が。麻布署警備課長の青山は、同期たちと情報を共有し、日本の原発技術から永田町までをも巻き込んだ中国国内の大きな権力闘争に気付く。そして浮上する意外な共犯者、流出する機密…。

  • 警察組織を理解していないと理解が難しいようだ。

  • 前作「報復連鎖」の続編ともいえる物語。
    一応の解決はみたものの、青山は事件が終わったとはどうしても思えない。
    豊富な人脈をいかした情報収集と分析で、バラバラに思えた事件が徐々にひとつの繋がりをみせていく。
    警察官でありながら道を踏み外してしまう者。
    自分の欲望に負けたとき、人は間違った選択をしてしまうのかもしれない。
    物語の中で中国の現在の形態は長くは続かないだろうと書かれていた。
    本当に国の利益を考え国民の幸福に目を向けたとき、きっとあの国は大きく変貌し本当の意味での発展をするのだろう。
    原発の安全性が問われるいま、もう少し国が安全ということを考えたほうがいいような気もする。
    原発や基地が一望できる場所が出入り自由になっている国なんて、そう他にはないと思う。
    テロなどの万が一を考えたとき、ある程度の規制は必要になってくるのでは?とも思う。
    登場する人たちがみんな揃って出来すぎのような…。
    あくまで小説として楽しむものであって、リアルさを求めてはいけないのだろう。
    展開の早さや壮大なスケール、絡みあう事件の裏側。
    けっこう好きな部類の物語なので次回作も楽しみにしている。

  • 第四弾

  • 【作品紹介】
    長崎・平戸に中国人5人の射殺体が難波船に乗って漂着した。船内には元自衛官の指紋が。麻布署警備課長の青山は、同期たちと情報を共有し、日本の原発技術から永田町までをも巻き込んだ中国国内の大きな権力闘争に気付く。そして浮上する意外な共犯者、流出する機密…。どこまでもリアルな書き下ろし警察小説シリーズ第4弾。

    【感想】
    久々にこのシリーズを読んで、登場人物がやたら多いのを思い出した。
    事件に関係する人物の相関図を作って事件を解決していく手法なので、誰が何をしたのかを記憶しながら読み進んでいかないと途中で訳が分からなくなるので、気が抜けない。
    前作の「大間事件」とも絡んでいるので、読み直す予定。

  • 毎度毎度面白過ぎる。現実との境目が分からない。

  • 2014/9/24 39読了

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著者プロフィール

1957年、福岡県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業後、警視庁入庁。警備部警備第一課、公安部公安総務課、警察庁警備局警備企画課、内閣官房内閣情報調査室、再び公安部公安総務課を経て、生活安全部少年事件課に勤務。警視総監賞、警察庁警備局長賞など受賞多数。2004年、警視庁警視で辞職。衆議院議員政策担当秘書を経て、2007年『警視庁情報官』で作家デビュー。主な著書に「警視庁情報官」「ヒトイチ 警視庁人事一課監察係」「院内刑事」シリーズ(以上、講談社文庫)、「警視庁公安部・青山望」「警視庁公安部・片野坂彰」シリーズ(文春文庫)など。現在は危機管理コンサルティングに従事するかたわら、TVや紙誌などでコメンテーターとしても活躍中。

「2022年 『プライド 警官の宿命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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