- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167833015
作品紹介・あらすじ
時代の絶頂を極め、近代落語の祖と言われた大名人・三遊亭円朝と彼を愛した五人の女。江戸から明治に変わる歴史の大転換期に生きた彼らの姿、いつの世も深く果てない男女の仲を、語りの名手がいま鮮やかに炙り出す-全盛を支えた名妓から、淋しい晩年を看取った娘分まで、女を活写する傑作時代小説。
感想・レビュー・書評
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円朝のまわりにいた人々が円朝に関わったオンナたちを語る。その語りを通して円朝の人生、人間性を語る。
雑誌の連載ということもあって、こういう語りが読者を引き込むのだろう。本という形式でまとめられると、少しつまらなく感じる。 -
時代の絶頂を極め、近代落語の祖と言われた大名人・三遊亭円朝と彼を愛した五人の女。江戸から明治に変わる歴史の大転換期に生きた彼らの姿、いつの世も深く果てない男女の仲を、語りの名手がいま鮮やかに炙り出す――全盛を支えた名妓から、淋しい晩年を看取った娘分まで、女を活写する傑作時代小説。解説対談・春風亭小朝
(2009年)
--- 目次 ---
惜身の女
玄人の女
すれ違う女
時をつくる女
円朝の娘
解説対談・春風亭小朝 -
昨年の12月から読み出したのに、なかなか読み切れなかった本である。
活字も大きく、すぐに読めてしまうだろうと、思っていたのだが・・・
円朝という偉大な落語家の話なのだが、、、、売れない(?)弟子が、語り手のように、物がっていく。
テンポの良さに、最初は、ググっと引き込まれて行った。
噺家とお姫様のような旗本のお嬢様の女性。
円朝の息子、、、後に勘当されるのだが、その母親。
吉原の花魁。
引く手あまたの柳橋の名妓から正妻になったお幸さん。
そして、円朝の養女の娘たちと、最後まで世話をした娘。
この時代を風靡した落語家の円朝が、人脈が凄いのに驚かされる。
そして、そのパトロンでさえ、芸を磨かすのに、お金を惜しまない所が、凄い時代だったのだと、、、、。
読んでいて、実物像が、どんなであったのでだろうと・・・と、そして、その時代の身分の差の結婚に、やはり、越えてはいけない範疇が、あったのだと、、、感じてしまった。 -
落語が好きで、「塩原多助」も、「真景累ヶ淵」も、昔、『明治文学全集』で読んだことがある。
まったく読んだことがない作家の作品だけれど、数年前からずっと気になっていた。
円朝のおかみさんとなったお幸、円朝の子を産んだお里、ひょんなことから関わりを持った長門太夫、養女お節などの女性たちとのかかわりを通して、円朝の半生が浮かび上がってくる仕掛けの小説だった。
それを語るのは、円朝の弟子で、今や本業では食いあげて、五厘という、芸人にくっついて上前をはねる仕事(今でいうならマネージャー?)となった八。
まず印象的なのは、本当に聞こえてくるかのような、歯切れのいい江戸弁。
これに惚れ惚れしてしまう。
江戸っ子の痩せ我慢や、そこに根差す粋。
絶対自分には無理(笑)
円朝の語り口がどんなものかも描かれていて、想像を掻き立てられる。
怪談になるとわざと声を細めて粘っこい話し方をする、なんてある。
小さな声でもよく通った、などとも書いてある。
どんな風だったのだろう。
タイムスリップして聞いてみたい。
怖がりで、だからこそ怪談話に強みがあったという分析も面白い。 -
内容(「BOOK」データベースより)
時代の絶頂を極め、近代落語の祖と言われた大名人・三遊亭円朝と彼を愛した五人の女。江戸から明治に変わる歴史の大転換期に生きた彼らの姿、いつの世も深く果てない男女の仲を、語りの名手がいま鮮やかに炙り出す―全盛を支えた名妓から、淋しい晩年を看取った娘分まで、女を活写する傑作時代小説。 -
人それぞれ
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伝法な口調の「語り手」の地の文のおかげで、とにかくスピード感を持って読める。
主人公は円朝自身ではなく、あくまでその周辺の「女」であることが
他の円朝ものとは違う利点。
うむ面白い。
いろんな女。
ただ決め手に欠ける。
そんな読後感。 -
円朝の弟子が語るという設定。落語家の話を聞いているようで読みやすかった。出てくる女性はタイプは様々だけど、一所懸命で可愛い。
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男目線の女だが、そこは松井今朝子なので容赦無く厳しい。時代描写も楽しい。