岸辺の旅 (文春文庫 ゆ 7-2)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167838119

感想・レビュー・書評

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  • 白玉を食べたくなりました。
    人が出来なかったこと、そしてやりたかったことが、
    その人の魂を形作ってゆくということ。
    心象風景のような、普遍的なような小説だと思いました。

  • 20150920読了

  • 夜中にしらたまが急に作りたくなって作っていると、失踪した夫が3年ぶりに帰ってきた。
    夫はすでに死んでいて、川底で蟹に喰われたという。

    瑞希は、夫とふたり旅にでる。
    それは夫が行方不明から家にもどってくるまでの道を遡っていくことであった。

    すでに亡くなっているというのに、夫の姿はだれとでも「

  • 初めましての湯本さん。

    お話の最初からずっと確かなものが何一つなくて。地に足が着いてない。
    ふわふわ、ふわふわ。
    いつまでも、いつまでも、ずっとふわふわしてる。

    最後の最後。
    最後の一文だけが、このお話の中の、確かなものだったと思う。

  • 自分が普段考える常識って、案外ユラユラしてるものかもしれないと思う。
    一見あり得ない話が、こんなに静かに心に沁みてくるのだから

  • わたしを離さないでと
    同じく感覚味わった。
    どこに向かうのかわからない物語は好きだ。

  • 私の夫は、死んでも何を食べたがるだろう?そんな事を考えた。「泣きながらでもちゃんとご飯食べそう」っていう一文と「死者は断絶している、生者が断絶しているように。死者は繋がっている、生者と。生者と死者が繋がっているように」という一文が心に残った。なんだか白玉食べたい。

  • 3年前に行方知れずになり、この世の人でないのに戻ってきた夫。まるで生きているような彼と、長い旅をする。

    最近身近に、死や、精神を病んだ人がいないので、それほど惹かれる内容ではなかったけれど、やはりこの作者の文章が好きだなと思いました。自分の状況次第では、もっと身に沁みたのではないかと思います。

  • 不確実なものを追いかける浮遊感。
    多少否めないファンタジー要素はあるものの何となく魅力がある。

  • きれいな描写で読みやすく、はじめから抵抗なく読み進められた。死者と生者が旅をするというファンタジーだけど、所々にびっくりする展開があったり、共感したりして楽しく読めました。哀しい物語ですが。みっちゃんも優介も好きです。夫婦でさえ生きてる時に分かり合えることは、一部なんだろうなあと思いました。

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著者プロフィール

1959年東京都生まれ。作家。著書に、小説『夏の庭 ――The Friends――』『岸辺の旅』、絵本『くまとやまねこ』(絵:酒井駒子)『あなたがおとなになったとき』(絵:はたこうしろう)など。

「2022年 『橋の上で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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