隻眼の少女 (文春文庫 ま 32-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (506ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167838461

感想・レビュー・書評

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  • 日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した作品。
    超絶ミステリの決定版とあったので期待して読みました。

    私は乱読で教養も有りませんので、なんの参考にもなりません。
    以下は個人的な感想、備忘録です。

    残念ながら、私には良さが分かりませんでした。
    主人公みかげに全く同意出来ない、衣装や持ち物がコスプレめいてて、お話もライトノベルのように感じられました。
    なんだこりゃ、でした。

  • 寒村で繰り返される悲劇、1985年と18年後の2003年の2部構成で事件が起こる。探偵のみかげは翡翠色の義眼に水干という独特の見た目をした少女で、18年の間に代替りするが、名前もその見た目も一緒。殺害される少女も三つ子の姉妹で絞殺の上首斬りと同じ要素が繰り返される。犯人が分かったと思っても悲劇は止まらず、一体どうなっているのかと先へ先へと読み進めていくと、驚愕のラストに辿り着く。結構なボリュームで途中だれそうにもなったが、最後まで読んだら始めからまた読み返したくなるような仕組みに脱帽。摩耶さんの本はこれが初めてだったけど、他の作品も読んでみたくなった。

  •  閉ざされた村でおきた連続殺人事件。
    その残虐な手口には、横溝正史先生の作品に近い部分を感じた。実際、作中でリスペクトしていることを匂わせる文があった。
     作品を読み進めながら、推理してみたが…あえなく敗北。犯人は狡猾で最終場面に行き着くまで分からなかった。犯人が分かったときは、驚き過ぎて…マジか!となった。読了後は、驚きよりも切なさと虚しさが勝る何ともいえない内容だった。
     ミステリー内容としては凄いとしか言えないが、
    ちょっと…と思う部分が人物関係にあったので星4。

  • いやーかなり衝撃でしたね。
    探偵が実は犯人でしたというパターンはいくつか読みましたが、この作品は特にインパクトが強かったです。

    静馬と同じように完全に欺かれていました。
    そして巻き込まれた琴折家が可哀想すぎます。

    3代目みかげがとてもいい子だということだけが救いですね。

  • 一族の
    呪いを祓う
    隻眼の
    見つめる先が
    凄まじきかな

  • 長編は初挑戦だったけど、やっぱりミステリーに忠実かつファンタジーでなんかふわふわしている世界観が好き。
    どうだろう、どんでん返しといえばそうなのか。読者を裏切り、置いてけぼりにし、最後は薔薇の花束でサプライズプロポーズ的な。もう、振り回させたよ。でも好き。

    でも根底には本格派の香りが漂っていて、謎解きは論理立っているところもあっぱれ。
    長くて少し古い伝承とかが絡んでとっつきにくい感じが最初はあるけど、最後は2時間半(新幹線)で一気読みしちゃうくらいのハマりようだから、おすすめマックス。

  • 面白かったです。

    ミステリーというか不思議な話という感じかなっと途中まで

    思ったのですがミステリーでした。

    前半の部分の流れにちょっと強引な部分があり、

    後半の少女の正体もバレバレだったりします。

    最後がきれいに終わってよかったです。

  • よくもまぁこんなの思い付くよなぁ。
    凄い作家だ。
    ただただ脱帽。

    陸の孤島みたいな村の、伝統ある名家の中で起こる連続殺人事件。
    おどろおどろしい雰囲気とか、ひとつの事件に対して探偵が饒舌にさまざまな可能性を披露するわりには慎重を期すあまり核心には触れない感じとか、麻耶さんデビュー作の『翼ある闇』に雰囲気が似てると思った。
    それにしても、麻耶作品に登場する探偵のキャラ設定は、現実感に欠ける。
    まぁ、探偵って存在自体が現実味ないから、このくらいはっちゃけてても別に気にならないけど。

    犯人の目星は全くつかないし、そもそも動機から謎だし、もう犯人当ては無理。ただの読者になって読んだ。
    スガル様が犯人だと指摘された時は「なるほど盲点だ」くらいには感心したんだけど(いや多分その瞬間はとても驚いたはずだけど第二波のせいで印象にない)、まさかの探偵が殺人犯だったことが明かされた時には、読者の目、曇りまくりじゃね?ってひっぱたかれたみたいな衝撃でした。
    ここで本投げつけたくなるヒトがいるんですか? 私は(真相が分かってやっと自覚できたんだけど)ずっと部外者である山科が殺されたのが引っ掛かってて(みかげの言う不整合だ)、みかげも何故土が適当にかぶさってたのかとか状況しか問題にせず山科が死んだことはスルーだし、殺された唯一の部外者としてもっと注目すべきじゃないかと思ってたから、真相知って凄く腑に落ちたんだよね。つまり動機に納得したというか。

    確かにオコジョ利用説だけは無理がある。
    腹話術も始めは「バレるやろ!」と思ったけど、そのシーン読み直したら静馬は入口に誘導されてたから、あの距離じゃ分からないかもなと思い直した。

    この作品はいわゆる「後期クイーン的問題」に対する問題提起みたいな意味合いがあるらしいけと、そこまで詳しくないので、ただ麻耶さんまた掟破りの作品世に送り出したな(褒めてる)的な喜びを感じた。

    どなたかがレビューしてた、「でも結局みかげ犯人説を支えてるのは自白だけだから、ばらまかれた手掛かりの拾い方次第では他のヒトが犯人になり得るわけで、実は明確な犯人はわからずじまい」みたいな読みは、正に仰る通りかも知れないけど(自分はそこまで読み込めなかった)、個人的にはみかげ犯人でお仕舞いでイイよ。

    (追記)
    本当に衝撃的な作品は、読み終わったあとも作品世界から抜けられなくてボーっとしちゃうんだけど、この作品は意外にあっさり離れることができた。
    ☆4つ付けたけど、そんなに印象深くない作品だった。

  • こんな結末なら、何でもありじゃないかと思った。何だかなあ。他のシリーズとかは違うのかもしれないけど、この作家さんの本はもう読みたくない。

  • 名探偵は水干姿、隻眼の少女・御陵みかげ。事件における「不整合」を見つけることで緻密に論理を組み立て犯人を導き出す……のだが、しかし犯人はみかげに負けず狡知。手がかりだと思っていたものが実は犯人の偽装工作で……というイタチごっこが起こるのが前半。そこまでも緻密にパチパチと論理を組み立てていく快感はあるのだが、本当にすごいのはそこからでした……。これは面白いです。むちゃくちゃイヤ~~~な気持ちになる、いろんな意味で。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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