隻眼の少女 (文春文庫 ま 32-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 300
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  • Amazon.co.jp ・本 (506ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167838461

感想・レビュー・書評

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  • 2020/05/09読了
    #このミス作品24冊目

    名家琴折家で起こる連続殺人事件に
    母娘2代にわたり御陵みかげが臨む。
    残り20ページまでが完全に茶番。。
    後味悪さは賛否分かれそうだが、
    ドンデン返しに結構楽しめた。

    あとコレ、装丁で損してるよね(汗

  • ままよ、そこそこ楽しめたかと一息ついたところに突如として仰天の結末が降って湧く。とりわけ2部は1部の二番煎じと高を括っていたので完全に虚を突かれた。呆然自失。およそ読書をしている人とは思えないようなリアクションをしてしまった。登場人物が多く複雑な構成は一切手抜き読みを許さない。時間はかかるが最後まで読み通す価値は間違いなくある逸品。出色は巫女さん。整合性のないものに反応し矛盾について考察。而して割り出される真実を抽出する。小さな不整合も見過ごすことなく緻密に地道に論理を積み重ねていく。不純物が濾過され整合性が高まっていく過程には心躍るスリリングと興奮があった。装丁に違わぬ見事さに何度も舌を巻いた。いやはや本当に凄かった。

  • いやーかなり衝撃でしたね。
    探偵が実は犯人でしたというパターンはいくつか読みましたが、この作品は特にインパクトが強かったです。

    静馬と同じように完全に欺かれていました。
    そして巻き込まれた琴折家が可哀想すぎます。

    3代目みかげがとてもいい子だということだけが救いですね。

  • 長編は初挑戦だったけど、やっぱりミステリーに忠実かつファンタジーでなんかふわふわしている世界観が好き。
    どうだろう、どんでん返しといえばそうなのか。読者を裏切り、置いてけぼりにし、最後は薔薇の花束でサプライズプロポーズ的な。もう、振り回させたよ。でも好き。

    でも根底には本格派の香りが漂っていて、謎解きは論理立っているところもあっぱれ。
    長くて少し古い伝承とかが絡んでとっつきにくい感じが最初はあるけど、最後は2時間半(新幹線)で一気読みしちゃうくらいのハマりようだから、おすすめマックス。

  • 名探偵は水干姿、隻眼の少女・御陵みかげ。事件における「不整合」を見つけることで緻密に論理を組み立て犯人を導き出す……のだが、しかし犯人はみかげに負けず狡知。手がかりだと思っていたものが実は犯人の偽装工作で……というイタチごっこが起こるのが前半。そこまでも緻密にパチパチと論理を組み立てていく快感はあるのだが、本当にすごいのはそこからでした……。これは面白いです。むちゃくちゃイヤ~~~な気持ちになる、いろんな意味で。

  • 読了、83点。

    **
    山深き寒村で、大学生の種田静馬は、少女の首切り事件に巻き込まれる。犯人と疑われた静馬を見事な推理で救ったのは、隻眼の少女探偵・御陵みかげ。静馬はみかげとともに連続殺人事件を解決するが、18年後に再び惨劇が…。日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した、超絶ミステリの決定版。
    「BOOK」データベースより
    **


    隻眼の探偵は死んでまったのだ。

    後期クイーン的問題って枠を埋め尽くす感じでみっちり書かれてますが、
    その枠を知らないとどうなんでしょうって、まぁ後期クイーン読んでない人間はこれ以上語るなってことで。
    ミスオタに受けるのは納得

  • まやミステリーあるあるの連続どんでん返しもの。
    少し無理がある箇所もありますがラストの衝撃は膝から崩れ落ちた。

  • 確かにこのヒロインは、やばかった。
    ネタバレ厳禁なので、何も見ずにただ読んでみることをおすすめします。
    第一部で、かなりの満足感というか、1冊分の量と価値があります。
    第二部で何か起きるのかなぁ、とあまり期待してなかったのですが、
    何度もひっくり返されて、そう落ちるのかってなります。
    オススメです。

  • 探偵が犯人ってすごく珍しいですね。新鮮でした。

  • びっくりした!
    突拍子も無いなと思いつつも、こういうどんでん返し好き。
    面白かった。
    探偵役が犯人で、娘が事件を解決するって、パッと聞いたらどーゆーこと!?ってなりそうだけど。
    まんまと騙されました。
    オススメ本なだけあるわーって思った。
    多少強引な感じはあるけど、母みかげの演技力ハンパないだろー。
    自分の父親を殺す方が目的で、三姉妹がついでだなんて気が狂ってるし、娘みかげの父親を殺すためにまた三姉妹を殺そうとするなんて、しかもその残虐な事件が娘みかげを試すための試験にされるとか、若い母みかげの責任に耐えながら事件を気丈に解決しようとする様に感情移入してたから、すごく裏切られた感じがして悔しい。
    父親はいらない、でも御陵みかげは継承したいから遺伝子は欲しい。
    から一夜を共にする、演技をして、酷いな。
    しかも静馬はもうすぐ自殺するから都合がいい、それだけの理由でできるもんなの?
    そして最後まで余裕を残して、自殺されてしまって、これじゃあ勝ち逃げじゃないか。
    でも母として娘に受け継いでいったものもあったから、ただ悪いというわけでもないし。
    いろいろ考えてしまったなぁ。
    でもある意味とてもフェアな作品だとも言えるわけで。
    探偵役は犯人から自然と排除されて話が進んでいく作品がたくさんある中で、探偵も同じ立場だってことを示していて。
    実際にその場に居合わせたら、推理してるあなただって十分犯人の可能性があるじゃないかと思って普通だし。
    だからなんかスッキリもした。
    こういうのは今まで読んだことなかったから、オススメに乗って正解だったかな。
    三代目みかげの話もっと読んでみたいな。
    絆が断ち切られて、また別の絆が生まれたところに普通に読み物としての面白さもあると思う。
    スガルの伝説に縛られ三姉妹を喪った琴折家と御陵みかげとしての宿命に縛られてしまった母みかげ、反映しているとはよく言ったものだね。

著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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