月と蟹 (文春文庫 み 38-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 3116
感想 : 300
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167838669

感想・レビュー・書評

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  • 心理描写は迫力があるが、私には合わなかったそれだけの作品

  • なんともいえない嫌な小説だった。後味が悪い系というか、なかなかに形容し難い小説だったが、これはこれで等身大の人間らしさがあって私は好きだった。

    小説はフィクションなので、どうしてもテコ入りされて上手いこと行くように書かれてしまうことが多いが、これは良い意味でフィクションっぽさがなかった。設定も話も、「こんな小学生がいてたまるか」という感じだが、でも登場人物の行動や感情の揺れが人間臭くて良かった。

    すごく面白かった。話としては何も起こっていないのに、何かが起こっているという話の展開の仕方が上手かった。

  • 初めて読んだ道尾秀介作品。
    圧巻だった。爽やかではなく寂しい中で戸惑いもがく子供達のお話。もう少し素敵な結末が好みだけど、この終わり方もアリだとは思う。

  • 初めて道尾秀介さんの小説を読んだ。
    読んでいてもやもやさせられた。
    天才作家をまた発見してしまった。

  • 儚げでいつの間にか壊れそうで読んでいて怖い日常だった

  • たまに間違うねん、って「人差し指と中指で挟んでいるが、手の甲が顔の方を向いていて、あれではピースサインだ。」←好

    p.268
    p.310

    最後てっきりお互いに願い事叶えるんだと思ってたのに全然違うエンドでした。スピード感あって実際の読むスピードも速まった
    もやもやした
    エモい

  • 慎一も春也も残酷な描写が多い。丸っきり残酷なのではなく、身近な人を心配したり悲しんだりするような心はもっているが、『どうすればいいの』『逃げ出したい』と傷ついているときに一層残酷的になっていたと思う。

    春也が何を考えて慎一を追い詰めるようなことをしていたのかが個人的にははっきりとはわからなかった。
    一周目の前提を踏まえて、二周目を読んだときに行動の動機等また新たに気づくことができるかもしれない。

  • 鬱屈した少年の心の描き方が見事。

  • 道尾秀介氏直木賞受賞作。少年少女の危うさ残酷さ、3人の揺れ動く関係性、心にくる物語でした。

  • 子供が持つ無邪気さと残酷さ、そして純粋さが危うくバランスを崩しそうな、いや、
    少し崩れたものを子供ならではの稚拙さで繕おうとも足掻いているような。
    それが成長ってものなんだろうか。上手く繕えたから大人になれたんだろうか?歪ん
    で繕ったから大人になったんだろうか。
    『大人になるって難しいね』

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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