悪の教典 上 (文春文庫 き 35-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.83
  • (1097)
  • (2033)
  • (1268)
  • (219)
  • (66)
本棚登録 : 15043
感想 : 1147
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167839017

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 映画が公開されてしまっていたので、すでにどういう内容なのか分かった状態で読み始めました。
    ただ、いざ殺人が始まってしまうと、そのあまりのあっけなさに少し戸惑いました。主人公(で良いのでしょうか?)の蓮見が快楽殺人者ではないので、殺人のシーンにカタルシスを感じるような描写がほとんどないことが原因かな、とは思います。
    上巻は、混沌としていて、読者だけに知らされる情報と、生徒たちが少しずつ気付いてく不安感がうまくミックスされていたように思います。
    「こいつを始末しなくては」から「始末する」がとても短く、読み手であるこちらがその意味や意図を理解する前にアクションが起こってしまうため、蓮見の行動をすべて知らされているにも関わらず、置いてけぼり感を味わうのは、言葉は悪いですが楽しかったです。
    内容というか、扱っているもの自体はもちろん気味は悪いのですが、読み手を飽きさせない、という点においてはエンターテイメント小説だなと感じました。

  • 映画の予告編の「黒い」伊藤英明に興味をそそられて、
    翌日には本屋さんへ走る自分がいました。

    もしも有能な人気教師がサイコパスだったら―。

    上巻は「恐ろしい一夜」へ至るまでの序章のような感じです。

    有能な人気教師である、昼間の明るいハスミンの描写と、
    その裏(いや、こっちが表なのか?)にある蓮見聖司の本性、黒い影。
    その対比が面白く読めました。
    サイコパスとしての本性、その影は、最初は薄気味悪い程度なのですが
    読み進めていくうちに、背筋が冷えるような恐怖へと変わり、
    それは影どころか、深い深い闇であることに気づきます。

    そして下巻へ―。
    どんな結末が待っているのか、恐ろしいけど楽しみ。

  • 蓮実というサイコパスな教師が主人公の話。
    自分に不都合な事が生じれば躊躇無く人を殺し、証拠を残さないように行動する様は正にサイコパスだと思った。だが、その様子を知ってか知らずか本能から警戒する生徒もいるので下巻ではどうなるのか気になる。

  • 目が離せないとはこの事かと思うようなストーリー展開でした
    初めは非情で権力志向の強い教師の話かなと思いましたが、それよりも酷い共感性のないサイコパスの教師だったので、俄然ストーリー展開に期待しました
    もっと凝った方法で殺人などをするのかと思いきや意外に何気なく放火や事故に見せかけたりなどして人を排除していく
    おそらく精神障害者であるが、恐ろしいことに天才でもある
    まさに世の中に放置してはいけないタイプの人間で生涯医療刑務所に収監すべきレベル
    でも小説の世界なら楽しめる次はどうなるのだろうと、まさに臭いものの匂いをつい嗅いでしまいたくなるような感じ
    前半でライバン釣井教諭を排除したので後半はどういう結末になるのかめちゃ期待

  • 映画の感じやと序盤からハスミン暴れると思ってたけど、かなり狡猾やった。伊藤英明がぴったしの配役。映画見たこと無いけど。

  • 読み始めたらきっと一気読みだろうと思っていたのだが、先が知りたいのに読むのが辛いという状況で、ジリジリ読み進めることになった。
    登場人物の大半がどこか変で、とにかく嫌な気持ちしかない。嫌な気持ちのまま下巻へ。

  • 生徒に絶大な人気で、教員からは信頼されている英語教師、蓮実聖司。一見普通に見える彼は、その笑顔の裏に恐ろしい本性を隠していた……!

    生まれつき共感能力が欠如していたとはいえ、育った環境が悪かったわけではなく、諭してくれる人もいたのにどうしてこうなってしまったのか、よく分からない。彼の心には何も響かないのだろうか。次に蓮実がどういった行動をとるのか、引き続き目が離せない。

  • 映画見てから入ったので伊藤英明のイメージのまま読みました。
    映画よりも細かい描写まで描かれているので良かった。
    下巻も期待。

  • 蓮見は一見完全・完璧なサイコキラーに見えるんだけど、共感性欠如ゆえに「一般人が怪しむポイント」に無頓着なところがあり、幼稚園のエピソードなんかは微笑ましさすら感じる。蓮見を中心に考えなければ、死者の量には気が付かないな……。

  • サイコパス。
    感情を持ってない、共感しない、
    淡々とことをこなしていく。
    その考え方に恐怖する。
    あっという間の上巻でした。

全1147件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

貴志祐介の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×