勝手にふるえてろ (文春文庫 わ 17-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.36
  • (239)
  • (576)
  • (746)
  • (246)
  • (67)
本棚登録 : 7770
感想 : 734
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167840013

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 自分が好きになる人と自分を好きになってくれる人が違うというよくあるシチュエーション。
    この物語の主人公には中学生の頃から一途に片想いをしている相手がいる。
    相手に気付かれないようにずっと視野見する日々。
    何度もリピートして思い出す彼との数少ない接点。
    読んでいてなんとなく気が滅入る。
    本人にとっては初めての大切な恋心なのに、それはひどくありがちで、チープで、粘着質に見えてしまう。
    その残酷さに鬱々とする。

    主人公に迫ってくる同僚の男性も、主人公があれこれ相談する同僚の女性も、記号的な存在に思える。
    あらかじめ用意されている役にキャスティングされた役者さんのような。
    この人じゃなくてもいいけど、男には告白されたいし、恋バナ出来る友達も欲しいという欲求を満たすためだけの存在のような。
    そういう役どころを当てはめているから、彼らにそっぽ向かれることが許せないわけですね。

    食中毒が私の身体で進行している時に読んだからかもしれないけど、読み終わってとてもぐったりしてしまった。
    主人公がこの後幸せになれたかどうかについても、あまり良いイメージが浮かんでこない。
    私はこの物語と幸せな出会いが出来なかった。
    残念…

  • みんな通る道
    イチもガキなのになかなか思わせぶり
    判断できるくらいの思いやりと経験があって安心した
    ラストのセリフも彼女らしい召喚の仕方かな

  • 中学時代の初恋の相手、"イチ"。
    社会人になってから同じ会社でヨシカに猛アタックしてくる、"二"。
    自分だったらイチへの恋が終わったとしても、二にはいかないなあと思った。
    単純に彼の性格にあまり魅力を感じなかった(笑)

    初めて綿矢りささんの作品を読んだが、要所要所に出てくる例えが面白かった。
    〜〜、で、その鳩は誰が面倒みるの?とか(笑)

    続けて別の収録作「仲良くしようか」を読み進めて、「????」となった。
    てっきり前ページの続きの話だと思い込んでいたので、よくわからないままパラパラ飛ばしてモヤモヤが残る読書になってしまった。

  • 妄想と純情は紙一重。メンヘラと悪女もきっと紙一重。途中までは気持ちはわかるが、最後は全く共感できず、なんとゆうか、過剰防衛の子供の自意識が突飛な行動をしたとしか思えず。大人とは。社会人とは。私も歳をとったのね。

  • 映画と比較して、原作からどんなふうにアレンジされたかを目の当たりにできてよかった
    映画のつくりやセリフ、脚本家さんや監督さん、キャストで めっちゃ上手く作り込まれたんやなぁって思えてめっちゃくちゃ感動した!

  • 脳内妄想で二股をする純情かつ小悪魔な女性のお話。
    やっぱり女は愛するよりも愛される方が良いと再確認しながらも、これからもやっぱり追い続けてしまうんたろうなと途方に暮れる今日この頃。

    ところで綿矢りささんのが書く話は個性的で、何と言っても例えが上手い!
    読んでいて「確かに!」、「わかる!」と心の中で叫んでしまう。

  • 男性から見た「何を考えているかわからない女性」の頭の中ではこういうことが起こっているのかなと思う。決して悪気があるわけでないが、無垢ゆえの振舞いというわけでもない。
    で、あとニがかなりムカつく感じで描かれているので、どうかニとはくっつかないでくれと最初思ったが、多分、女性から見た男性って大体こんなもの。

    ちなみに、いまどき26歳で処女なんて現実味がないという声もあるようだが、今の時代だからこそ、特にこれと言った理由、原因のない高齢処女は意外に多かったりする。

  • 話題性を求めたタイトルと、それに見合わないボリューム

    良くも悪くも妄想小説で、リアリティのあるなしのちょうど境目にいるような作品だった。勝手に好きになって勝手に思い続けて勝手に見放して勝手に震えてろとはいかがなものか。読了した読者側の感想としては「勝手に妄想してろ」てな感じですね

  • 正直、意味は不明。だけどたまに引くほど生々しい「嫌さ」みたいなものを見せつけてくるのが怖い。
    登場人物たちの行動はぶっ飛んでて、そこは文学っぽいし非現実的なのに人間の悪意とかについては驚くほど現実的で的確で容赦ないのがすごい。
    変なところで地に足がついているというか、ただ笑って読むだけでは済ませられないような感じ。

    文章が、主人公の思考そのものがひたすら流れ込んでくるみたいで、破綻するギリギリで保たれてて勢いがすごい。
    ヨシカと同じおたくだから私の脳内もあんな感じだ。
    処女の比喩とか的確すぎて膝を打った。
    そうそう、いらんけどいるし、どうでもいいけど大事なんだよね。私も傘の持ち手のビニールを剥がせないタイプだよ。同じだねヨシカ。

    解説の辛酸なめ子さんの小6バレンタインのエピソードが強すぎて大爆笑しちゃってそれ以前の記憶やや消し飛ぶよ。

  • しっちゃかめっちゃか。周りの人が突然何かに吹っ切れて奇行に走ったらびっくりすると思うし、できればそういうことはしないでほしいなぁと思う。私が誰かを脳内の恋人にするのはいいけど、私は誰の脳内の恋人にはなりたくないなぁと思った。

著者プロフィール

小説家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

綿矢りさの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×