ノーバディノウズ (文春文庫 ほ 18-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167850012

作品紹介・あらすじ

野球ミステリーに新たな金字塔が!メジャーリーグ初の東洋系本塁打王に隠された過去とは? サムライジャパン野球文学賞大賞を受賞した、壮大なスケールの野球小説。

感想・レビュー・書評

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  • サムライジャパン野球文学賞受賞作品。
    メジャーリーグで本塁打王として活躍する、韓国系アメリカ人ジャスティン・キング。彼の出自に疑問を持つ者が現れ、調査を始めると、その者たちが忽然と姿を消してしまう。彼は何者で、内に秘めた想いとは。
    スポーツモノだけに、ラストはこのまま清清しくと思いきや、残念な方向に流れてしまった。ヒョンスが簡単に自由になれるようなら、あえてFBIなどは必要なかったような。

  • 野球が好き&ミステリーが好きな人は
    かなり読んでて楽しいミステリーだと思う。

    メジャーリーグで活躍する東洋人本塁打王の
    隠された秘密を追う人物ミステリーで
    光と影の2つの人物像の描き方は
    東野圭吾『白夜行』を彷彿とさせる。

    成功を収める人物の隠された過去を地道に追いかける
    というプロットは、松本清張や『飢餓海峡』など
    リアリズム・社会派ミステリーによく見られたもので
    新聞記者である著者の良さを引き出している。

    ただ、物語のかなり序盤で正体自体が判明し、
    序盤から中盤にかけては、過去をちょっとずつ
    暴いていく流れで新展開が少なく、
    ちょっと中だるみを起こしているところが気になった。

    NUMBERあたりに掲載されているノンフィクション記事を
    いくつも積み重ねたような書き方になってしまっていて
    物語・ミステリーとして弱さ・物足りなさがあり
    物語の起伏として、もう少しひねりが欲しかった。

    時折挟まれる野球ネタ・メジャーリーグネタは
    さすが本職といえる内容で、
    狙い球の絞り方・ヤマの張り方などは
    野球ファンなら読んでいて楽しくなる部分だと思う。

  • 本城雅人さんは初読み。野球ミステリーと聞いて楽しみにしていた。バッターの出自が謎なのかと思いきや、出自は早々に明かされ途中からは倒叙ミステリーの様相。

    元スポーツ記者だけあり、さらっと盛り込まれるマニアックな描写に臨場感がある。日本人と外国人のバッターの追いこまれてからの対応の違いとか、代理人とGMとのやりとりとか。
    賛否両論ありそうだけれど、私はこのエピローグ好き。野球の好きな人におすすめできるミステリー。

  • ずっと読みたかった本、本城雅人さんのデビュー作。
    ストーリー、登場人物、展開、オチ、全て面白かった!

  • 大リーグで大活躍する韓国系アメリカ人が、実は過去に犯罪を犯した日本人ではないかという疑惑を持つジャーナリストやカメラマンたち。彼の疑惑を解明しようと近づくものたちは、なぜか次々と姿を消す。そのうちの1人に説得された彼の最終判断は、シーズン終了後に全てを明らかにするというものだったが、、、。とても良くできたストーリーでテンポもよく、状況がどんどん進展するが読み手として混乱することもなく、一気に読める(楽しめる)一冊。物語の底流には、虐げられた者が終生忘れない強い感情と意思がある。登場人物のほとんどが偽善的で自己の利益を第一に考える人間ばかりだが、「会社のため」「家族のため」「恋人のため」の行動でもあり、なんだか否定しきれないところがあって考えさせられる。随所に野球経験者でないとわからないマニアックな解説があり、経験者はこの点でも楽しめる。

  • 作者のデビュー作。まずまず面白かった。様々な登場人物の視点で描かれるため、誰が主人公なのかがややぼやけている。結末は単純でなくて良かった。

  • メジャーリーグを代表する東洋系本塁打王の正体を暴け! 調査を命じられた新聞記者が辿り着いた驚愕の真実とは? コリアンマフィア、辣腕エージェント、敏腕記者…。「キング」争奪戦の行方は? 迫真の野球ミステリー。

    作者の本城雅人はサンケイスポーツの元記者。本作は第16回松本清張賞の最終候補作で、第1回サムライジャパン野球文学大賞作なのだそうだ。荒唐無稽な話なのに、つい引き込まれて読んでしまう…そんな魅力のある作品だった。
    (B)

  • 【ネタバレあり】圧倒的な実力を持つ選手の意外な過去、って点では伊坂の「あるキング」にも通じるかな。まぁあれよりは野球愛は感じる。ただ、野球小説として読むには野球の描写は薄い。
    野球の知識、蘊蓄はおもしろいし豊富なんだけどね。野球を道具立てにしたサスペンスってところかな。


    ナカムラ=仲村はもっと早く気づいてもええ気がするし、左投げ右打ちはもっと話題性あるよね、というあたりが甘い気がするけど、それ含めても十分おもしろい。

  • とても面白かった!
    面白かったのだけど、どうしてもオチというか、話の結末がすっきりしない。
    途中が非常に面白く引き込まれるように読んでいただけに、何ともいえない後味でした。

    私は悪は滅びる話が好きなので、何となく納得できないだけなんだと思いますが、そこだけが少し残念でした。

  • 終わりはやや物足りないが、まあまあ。

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著者プロフィール

1965年、神奈川県生まれ。明治学院大学卒業。産経新聞社入社後、スポーツ紙記者として活躍。2009年『ノーバディノウズ』が松本清張賞候補となりデビュー。2017年『ミッドナイト・ジャーナル』で吉川英治文学新人賞を受賞。2018年『傍流の記者』で直木三十五賞候補。著書に『四十過ぎたら出世が仕事』(祥伝社刊)『友を待つ』(祥伝社文庫)など多数。

「2023年 『あかり野牧場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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