世界を変えた10冊の本 (文春文庫)

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著者 : 池上彰
  • 文藝春秋 (2014年2月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167900366

世界を変えた10冊の本 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 『聖書』『コーラン』『種の起源』『資本論』といった定番中の定番から、『イスラム原理主義の「道しるべ」』という(少なくとも私にとっては)聞いたことのない書物まで計10冊、池上先生が簡潔ながらも分かりやすい解説を付して紹介している。特に『道しるべ』については全く予備知識がなかっただけに、大いに勉強になった。

    奇しくも先日、ここで取り上げられている『アンネの日記』が破られる事件があったが、その際、イスラエル大使館がなぜ『アンネの日記』を大量に寄贈したのか、本書を読めばその理由がよく分かるだろう。個人的な悲劇は何かと政治的なプロパガンダに利用されやすいのだ。また、同じく本書で紹介されているケインズの財政政策とフリードマンの金融政策を知ることは、アベノミクスを理解する上でも参考となると思う。

    池上先生のレクチャーにはいつも感心しているけれども、その土台には、おそらく若い頃に読んだであろう膨大な量の古典の蓄積があったのだなぁ、と改めて感心させられた。世にはびこる自称コメンテーターとはやはり年季が違う。

    書名は「世界を変えた」と過去形になっているが、ここに挙げられた10冊は、それぞれがそれぞれの形で今なお世界を変え続け、現在の世界を形作っている。その意味でこれは「世界を知るための10冊の本」でもあるのだ。

  • 祝文庫化!

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    「本当に「知力」が身につく名著の読み方
    『聖書』『資本論』から『アンネの日記』まで。池上さんが世界史を見渡し、10冊を厳選。その内容と歴史的位置づけを徹底解説。

    担当編集者より
    『聖書』『種の起源』『資本論』から、『アンネの日記』や話題の“プロ倫”まで。それまでの常識を180度ひっくり返し、今につながる歴史を作った世界の重要書物10冊を、池上さんが鮮やかに解説します。もととなったのは、女性誌「CREA」の昨年12月号から10回にわたる連載。「書物から得る教養は、未来を切り開く力となる」というメッセージは、3.11以降なおいっそう色濃くなり、読むと心に強靭な柱が生まれるような本となっています。(RU)」

  • 池上さんが考える世界に影響を与えた10冊の中に、宗教関連(というか聖書そのもの)が3冊も占めていることが興味深い。
    科学書も宗教と対立していたのにはビックリしました。
    日本に生まれてよかったです(笑)

  • 10冊の選び方にストーリー性があってよい

  • 弱いものは狙われます。けれども、強いものは生き残り、けっして負けることはないのです。(アンネ・フランク アンネの日記より)

    ユダヤ人のことをもっと知りたいと思った。もっと言えば、境遇が生む力の大きさが知りたい。それほど力強い少女の言葉であった。

  • 読書案内かと思いきや、さにあらず。
    現在のいろいろな問題の背景にある思想に影響を与えた本を紹介するとともにその思想も明示してくれる。
    大きく分類して、宗教、経済、科学が主流である。

  • 現在の国際問題の多くには宗教論争が根本的にあり、キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の起源を知るには良い教材だと思います。

    そこにアンネフランクの日記も絡んでいるとは、知らなかった。

  • 「世界を変えた」のは間違いないとしても、10冊が同等の価値を持つことを意味してはいない。また、「変えた」からと言って、著者(がいない場合もあるが)が偉い、と限ったわけでもない。また、9.11を起こした「道しるべ」を扱うのならば、レーニンの「国家と革命」や毛沢東の著作も扱うべきだろうし、最終章の新自由主義を述べたフリードマンの本の(影響を与えた期間の)寿命は、このままではおそらく40年ほどのモノだろうから、果たして取り扱う意義があったのかは疑問だ。しかし、著者は「ジャーナリスト」であり、扱われるエピソードの多くが雑誌掲載時以前の10年以内(2001年〜2011年)という偏りもある。それらを含めても、今回の読書案内は、学者の書く解説本よりも、遥かにわかりやすく目配りの行き届いたものであったことを認めないではいられない。私は思いもかけず愉しんだ。以下重要事項や教養としてキチンと知ることで、クイズ番組などで使えそうな事をメモする。

    ⚫︎「アンネの日記」から1961年、当時27歳の坂井泰子氏がアンネナプキンを発売した。アンネ株式会社は1993年ライオンに吸収合併された。
    ⚫︎「聖書」の「産めよ、増えよ」(創世記)より、カトリックやプロテスタントでも原理主義な人々は、避妊は「神の意志に反する」と考える。
    ⚫︎創世記の安息日より、ヨーロッパでは日曜日が閉店が多く、アメリカ含め、日曜日に選挙の投票日は設定されない。
    ⚫︎「旧約聖書」の「10戒」により、反芻しない豚は禁止(牛・羊・山羊はOK)、鰭と鱗がないので、エビ・カニ・タコは食べられない。
    ⚫︎ユダヤ教は「旧約聖書」の10戒などの「律法」には厳格。一方「新約聖書」は紀元90年ごろに定められた「70人訳聖書」が採用、旧約と微妙に内容が違う。
    ⚫︎「新約聖書」の福音書は、成立時期は聖書の順番ではなく、最初が「マルコ(70年前後)」(イエス死亡は30年ごろ)、「マタイ」「ルカ」は80年ごろ、マルコを参考にして更に「Q資料」を見て書かれた。「ヨハネ」は90年代ないしその後。
    ⚫︎「ユダの福音書」がナイル川流域で発見、2006年に出版。ユダはイエスに頼まれ(自ら犠牲になることで人々を救済できる)売った。
    ⚫︎イエスは復活して40日後に昇天。やがて「最後の審判」を行い「神の国(天国)」が実現。その後、サタンが復活して神に挑戦、その場所をハルマゲドンと呼ぶ。やがてイエス再来、「千年王国」を築く。またサタン復活。サタンは天から火が下りて焼き滅ぼされる。
    ⚫︎ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の三つの神は同じ。それぞれ、ヤハウェ(ヘブライ語)・ゴッド(英語)・アッラー(アラビア語)。
    ⚫︎預言者は予言する人ではなく「神の言葉を預かる者」。よって、モーセもノアもイエスもムハンマド(マホメット、モハメド)も預言者。
    ⚫︎ムハンマドは570年ごろ、アラビア半島のメッカに生まれた。天使ガブリエル(マリアに受胎告知した天使・アラビア語でジブリール)から、神の言葉を通訳して伝えられ、ムハンマドは暗唱した。死後、暗唱出来る人が次々に戦死、「コーラン(声に出して読むべきもの)」成立。よって、本来はアラビア語以外では出版出来ないが、解説書という位置づけで、井筒俊彦訳岩波文庫がある。
    ⚫︎イスラム教の世界の終わり。地中の死者は起こされて神の前で裁かれる。天国と地獄に分かれる。地獄では永遠の苦しみ。天国では、腐らない水、乳の河、美酒の河、蜜の河、凡ゆる果物、涼しい木陰、罪の赦し。例外的に、ジハード(聖戦)でアッラーのために戦って亡くなった人は直ぐに天国に行ける。
    ⚫︎イスラム教の五行とは、信仰告白、礼拝(1日5回、夜明け前・昼過ぎ・午後3時・日の入り・就寝前)偶像崇拝はなし、喜捨(収入の2ー2.5%、来世への貯金)、断食(一ヶ月日の出から日の入まで、太陰暦なので毎年違う、辛い経験は貧困層の事を考えさせる、宗教意識が高まる)、メッカ巡礼(一生1度、白い布、全員が神の前で平等)
    ⚫︎妻は四人まで持てる。「(戦争で父親がいない子供のために)孤児に公正にしてやれそうにない時は、誰か気に入った女をめとるといい」と言っているだけ。結婚時に「妻は1人だけ」という契約を結ばせる女性が増えている。
    ⚫︎女性のベールは、男の好奇の目から守るため
    ⚫︎シーア(党派)派はムハンマドの血筋。スンニ派(慣習スンナ)血筋関係なく教えにもとずく慣習に従うという意味、ムハンマドの言行録「ハディース」をまとめる。
    (あとは省略)

    2017年11月9日読了

  • 2刷6月。181

  • 本好きとしてはどんな本がエントリーされているのだろうと、興味津々で手に取る。池上さんの本は分かりやすく勉強になるので好きだし。本を見てみて、10冊で挙げられてはいるのはほぼちゃんと読んだことのない本だが、実際に読む気にはなれず。池上さんの解説で勉強させてもらう。

    【学】
    アンネの日記
    聖書
    コーラン
    プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    資本論
    イスラーム原理主義の「道しるべ」
    沈黙の春
    種の起源
    雇用、利子および貨幣の一般理論
    資本主義と自由

    聖書
     旧約聖書:(古い契約)ユダヤ教聖典
     モーセの出エジプトその際に神はユダヤの民に対し守るべき「十戒」を授け、済む土地として「カナンの地」(現イスラム)を与えた。これが契約
     新約聖書:(新しい契約)人間と神の間で新しい契約が結ばれた。これに対して、キリストはユダヤ人として生まれたが、ユダヤ教の改革運動をする。このためユダヤ教徒の怒りを買い、十字架にかけられる。キリストの言行をまとめたものが新約聖書

    コーラン
     イスラム教教典。旧約聖書、新約聖書後人間は神の言いつけを守らないので、神は最後の預言者に「ムハンマド」を選び、言葉を伝えた。コーランは神がムハンマドに語りかけた言葉をそのまま記載した書物

    ケインズ 乗数効果
    最近の研究でピラミッドは農閑期の働き場所確保という景気対策だったという事が分かってきました

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世界を変えた10冊の本 (文春文庫)の作品紹介

本当に「知力」が身につく名著の読み方

『聖書』『資本論』から『アンネの日記』まで。池上さんが世界史を見渡し、10冊を厳選。その内容と歴史的位置づけを徹底解説。

世界を変えた10冊の本 (文春文庫)の単行本

世界を変えた10冊の本 (文春文庫)のKindle版

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