こいわすれ (文春文庫)

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著者 : 畠中恵
  • 文藝春秋 (2014年4月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167900670

こいわすれ (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 前の巻で「こいをしり」、今回で「こいを忘れる」。お寿ず推しの私としては非常にショッキングな展開だった……。

    ・おさかなばなし
    この話で最大に熱くなったのは、お寿ずの懐妊が判明した時の麻之助の台詞。
    「お寿ず、その、とにかく……もの凄く体を大事にしておくれ」
    だと思う。
    亡くした子供をどこまでもいつまでも探している父親が切ない。
    最後まで読んでから、この話がここに入っていた意味を知り、泣く。

    ・お江戸の一番
    書画と狂歌、芸術部門における「お江戸の一番」はどちらなのかといういさかいごとに巻き込まれた麻之助たち。
    機転を利かせた三人は、高利貸しの丸三の力を借りて、両者の争いをお祭り仕立ての楽しい騒ぎに変えてしまった。
    皆がわいわい騒ぐ中、ちゃっかり美人の茶屋娘・おれんの心を掴んだ呂久が一番だね。

    ・御身の名は
    麻之助の元に届いた女手による謎の手紙。話の根底にあったのは嫉妬心。時代を問わず人の心を狂わせるものだけど、これにお寿ずが巻き込まれる。
    古い友達だと思っていたお高の本当の気持ちをぶつけられまくったお寿ずは気の毒。麻之助ときずなが深まったのは良かった。

    ・おとこだて
    江戸の結婚事情・離縁の事情がよくわかる話。
    妻を有利にも不利にもする持参金制度の仕組みを使って、わざと離縁されようとした女が出てくる。
    陰鬱な話だけど、夏三郎というキャラのさっぱりした感じが暗くさせすぎなくて良い。

    ・鬼神のお告げ
    鬼神のお告げというまやかしめいたものを利用して殺人を企てた神職の男。麻之助立の活躍によりその企ては立ち消えた。だけど、別の面で鬼神のお告げは当たっている。
    「この富突きにかかわったものは死ぬ」
    関わっていた麻之助の妻と子は、帰らぬ人となった。
    冒頭から嫌な予感しかしなかったけど、やっぱり。
    ゆっくり二人で歩いて行こうと言ったのに……。

    ・こいわすれ
    妻を失って、呆然自失の日々を送る中、麻之助は川に落ちそうになった千夜という娘を助ける。千夜はある男から「暦が悪いから」と結婚を断られ、心痛でふらついていた。
    調べてみると、どうやら男が見た暦は不正に改ざんされている可能性があった。当時、暦は幕府の天文方が厳密に管理していて、改ざんすると罪になる。
    話が大きくなったところで、真相が明らかになる。実は千夜の思い人には別の女がいて、この女が暦に手を加えて結婚をやめさせようとしていた。さらに男の母親も千夜の家柄が良すぎることと、息子と二人の生活を続けたいと言う気持ちを吐露し、結婚させたくないと言う。
    男はとんだマザコンで、母親の言いつけに従い、千夜を振ったのだ。
    千夜は真相を知り、自ら男への気持ちをきっぱりと断ち切る。
    そして最後に、麻之助を見て言う。「そんなにがんばらなくてもいい」と。
    一連の騒動の中、麻之助には始終「何か忘れている気がする」という気持ちがつきまとっていた。
    麻之助が忘れていたのは、お寿ずを悼んで泣くことだった。
    大きなものを失って疲れている、という自分の心だった。
    最後、お寿ずを想って麻之助が一人泣くシーンは息をするのを忘れるほどぐっときた。
    泣いても戻らないお寿ずのことを思うとさらに来る。

  • うっかり先を知ったうえで読んでしまったけど、それにしてもお寿々が死んでしまったのは悲しい…江戸時代には本当によくあったことなんだろうけど。麻之助が普通を間違えてるのに気がつけていないことが一番悲しい。
    早く、麻之助がお寿々の思い出と一緒に幸せを感じられる展開になってほしいから続きを読まないと。

  • あららららら・・・・お寿ずさんが・・・えぇぇぇ・・娘まで・・・なんてことを・・・。

  • まだ未練タラッタラなのかよって思ってたらそんな展開かよ。ええーっ!ってなった。悲しいとか憤りとかじゃなくとにかくびっくりのええーっ!。
    なんだか文体がくどいと感じるようになってきてしまった、たぶん句読点が多いんだろうな

  •  現在、NHK木曜時代劇で放送中の、『まんまこと』シリーズの第3作である。しゃばけシリーズと違い、純然たる人情時代物であり、捕物帳的要素もある。最初に言っておきたい。一話完結ではあるが、『まんまこと』と『こいしり』は読んでおくべきである。

     主人公は、町名主の跡取り息子・麻之助。幼なじみの悪友・清十郎、堅物の吉五郎というおなじみのトリオが今回も健在。なお、町名主とは、奉行所では裁き切れない町内の揉め事を裁定するのが役目。麻之助がどう裁くかが、読みどころの一つ。

     「おさかなばなし」。主がいるという噂が立つ〝置いてけ堀〟に、清十郎が落っこちた。噂を探ってみると…悲しい裏側があった。魂が救われる日は来るか。「お江戸の一番」。一枚の番付が生んだ揉め事を、どうせならイベントにしてしまえという話。そもそもの対立理由というのが…。麻之助でなければ収まらなかっただろう。

     「御身の名は」。極めて現代的で、やっかいなテーマ。誰にでもある心理だけに、誰にでも降りかかるのが怖い。同情する面もないことはないが…。「おとこだて」。これまた現代的な問題である。お武家といえども、そんな簡単にはいかないとは、知らなかった。もう少しうまい手はなかったのかね。現代なら専門のカウンセラーもいるが。

     「鬼神のお告げ」。現代でいう宝くじを巡る、一騒動。麻之助も面倒に巻き込まれることに。本編のコミカルさの裏では、ある事態が進行していた…。こうなるのはちらっとは聞いていたけど、こうするしかなかったんですか畠中さん、と言いたくなる…。

     最後の表題作「こいわすれ」。ショックから立ち直れない麻之助を気に掛ける、清十郎と吉五郎。そんな麻之助に持ち込まれたゴタゴタ。何だかにぎやかで、いつものこのシリーズらしい。それだけに、最後のシーンが…。思い切り泣け、麻之助。

     この先、麻之助がどう生きていくのか、気になるではないか。既に続編『ときぐすり』が文庫化されているので、読まなければ。江戸時代だろうがネット時代だろうが、人の心は不変なのではないか。畠中作品は、過去と同時に今も描いているように思う。

  • 2015/1/23
    なんで殺したし。
    なんて意地悪な神様だ。
    なんか嫌な雰囲気がプンプンだったのでショックを和らげるために先に見たわ。
    怖すぎて。
    なんで殺すんやろう。もうそういうのはいいやん。
    そんな悲しいのは現実だけでいいよ。
    お由有がいるから?お由有が嫌いになりそう。
    へこんだ。

  • 日常ミステリー江戸版。
    主人公たちが庶民的な、ちょっとした『ご町内』の問題を解決していくシリーズ3作目。

    時代が違っても、お金に対する執着、親子関係、男女関係の悩みは変わらないものだったのかな、と思う。
    これが外国ものだったらちょっと違うかもしれないが、日本人の物の考え方、というのは確かに不変だと思うのだ。
    江戸時代が身近になる。

    …にしても切ない展開。
    主人公の恋の行方は、もしかしたらそっちへ向かうの???
    続編が待たれます。

  • 「お江戸の一番」の考えれば違う分野で1番争いって何?
    な話や、「御身の名は」のような嫉妬が原因な話の
    ように、現代社会にもありそうな事柄が登場の短編。
    「おとこだて」のように一本筋の入った女性への
    優しさはかっこ良いですね~。
    そして「こいわすれ」・・・まさかこんな話になろうとは!
    麻之助の今後がどうなるか!

  • あぁ、そういえばこの作者ってこういう事も書くんだったねぇ。
    誰が誰を忘れるのかは読んでからのお楽しみとして、シリーズのこの時点でこのイベントは早いんじゃないかって気持ちです。
    あまり、登場人物が急激に成長すると、今後シリーズが早く終わってしまいそうで、読んでいて不安が。

  • 28年6月12日読了。

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