予言村の転校生 (文春文庫 ほ 19-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.13
  • (3)
  • (18)
  • (37)
  • (9)
  • (3)
本棚登録 : 230
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901387

作品紹介・あらすじ

『幻想郵便局』の著者が贈る怖くて癒される青春ファンタジー村長になった父とともにこよみ村に移り住んだ中学二年生の奈央は様様な不思議な体験をする。村には「予言暦」という秘密があった。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 父が故郷の村長になり、主人公の奈央は閉鎖された陸の孤島のような村に移り住む。
    全ての出来事が「予言暦」に書かれていて、それによって成り立っているという村での、さまざまな出来事や事件を追うストーリー。
    田舎でののどかな生活が子供の頃の実家を思い出し、懐かしくてほっこりとする。
    中学生2年生の主人公の視点からストーリーが進むので、子供っぽいところや、妙に大人びた意見などが混ざった感じも懐かしく感じられて面白い。

  • この方の作品、あらすじには興味惹かれることが多くて、読んではみるんですけど、合わないなってことがたまにあるんですよね。これも残念ながら合わないほうだったかな。「予言暦」が、もっと不思議さに絡んでくるかと思ってたけど、それほどでもなかったし・・・。堀川さんらしいノリの話ですけど、今回はそのノリにもついていけなかった感じです。

  • 父が突然「こよみ村の村長になるから」と市役所を辞めた。娘の奈央は、それについて(賭けに負けて)こよみ村に転向することになったが、こよみ村は予め有る予言暦のとおりに治められているという噂を耳にする。亡くなった奈央の祖父で前村長のみ知る予言暦とは…。

    うーん、思ってたんと違う。というのが読んでの第一印象。まず、タイトルからして学校のことがメインだと思いきや、学校はほんのちょっとしか出てこない。ほとんどは休日や放課後の出来事や、村長になった父のまわりの出来事である。

    また、大人の世界のめんどくさいことというわけでもなく、とぼけた父が引き起こす数々の勘違いでのコメディというわけでもない。では何かというと、奈央を中心とした、子どもたちのちょっとした冒険や謎解きというものであろう。

    もともと児童文学を書く作者のようで、特に何度か有る事件が起こっている最中は、かなり主観的に、しかも客観的だったものが次の行では主観に入れ替わるように描かれいるため、大人の文章に慣れているとどうにも理解し難いものがある。よく考えてみれば、昔読んだ子供の本はそういう無理に事件の中心へ視点を動かしてしまうものが多かったと思う。

    全体に子供向けで、事件自体もいうほどのものもないため、ゆるい印象だ。懐かしい児童文学を読むような気分を味わうには良いのだろう。子供に受けるかどうかは疑問。

  • 読みやすい。
    中学生から高校生がターゲットかな。

    面白いので、この著者の作品、別のもの読んでみようと思った。

  • 行間の空白が独りよがりなせいか、物語が全く頭に入ってこない。それどころか、理解不能であった。読み手の感覚で書いておらず、自分の世界観を自分の世界観のままに描写して自己満足しているような印象だった。自分の世界観を第三者の世界観の視点を通しても書けるのがプロなのではないのか。憤りを感じるレベル。かけた時間を返せ!と言いたくなるくらい読む価値のない一冊だった。

  • のんびりした村の時間の流れの中で、
    柳田国男の遠野物語まで引用した不可思議な話など、
    不可解なエピソードがそこかしこに散らばっている。
    ドキドキとワクワクとヒヤヒヤが適当な加減で
    混ざりあって、いい感じなのですよ。
    隠し味程度の恋のエピソードも効いており癒されます。

  • 2017.6.17読了 67冊目

  •  都市伝説の田舎版というか、学校の怪談というか、私があまり読まないホラーや伝奇小説風味の物語でした。
     柳田國男の遠野物語なども引用されていて本格的。
     しかしB級民俗学同好会とは面白そう。そんなサークルなら入ってみたい。
     本書は文春文庫のための書き下ろしだそうです。
     私は出版業界について詳しくないのですが、文庫書下ろしとはよくあるのでしょうか。普通は文芸誌に掲載したものを文庫化するのではないでしょうか。
     本書は主人公が中学2年生だから、その年齢の読者も期待できるのではないでしょうか。
     私の中学時代には、赤川次郎だとか新井素子だとかコバルト文庫などがありました。今なら、萌え系の表紙のライトノベルでしょうか。
     文庫書下ろしなら、文春文庫よりそういったライトノベル系のレーベルの方が合っているのではと思ったり。
     しかし、もし本書がライトノベルみたいな表紙だったら私が読むことはなかったことでしょう。
         
     こよみ村では自然保護・独立維持派と開発派が勢力争いを行っています。
     開発派がどんどん勢力を拡大し、物語の終わり頃にはほとんど開発派の勝利が決していました。 
     経済力・政治力に勝る現実主義が主導権を握るのは、日本のみならず世界中で行われている縮図ですね。
     ここまで決まってしまったのだから、続編はあり得るのか、と思ったら、1冊だけ出ているようです。
     本作品の世界観が気に入ったので、続編も読んでみたいと思います。
       http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20160613/p1

  • 父が故郷で祖父を引き継ぎ村長になるという。
    そしてそれは村に伝わる『予言歴』で決まっていることだという。
    ひょんなことから娘の奈央も村に転校することになり、村での奇怪な事件に遭遇する。
    村に隠された秘密とは?

    2016.3.19

  • 父・育雄が故郷の村長に当選し、中学二年生の奈央はこよみ村に移り住む。村には秘密の書「予言暦」があるという。元アイドルの溝江アンナとその息子・麒麟、“村八分”松浦、父の政敵・十文字など個性的な村民と共に奈央は様々な不思議な体験をする。村の四季を背景に、ほんのり怖いけれど癒される青春ファンタジー。

全28件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年青森県生まれ。2006年『闇鏡』で第18回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。『幻想郵便局』がベストセラーとなり、以降、「幻想」シリーズで人気を博す。他の著書に『ある晴れた日に、墓じまい』『うさぎ通り丸亀不動産 あの部屋、ワケアリ物件でした!』『オリンピックがやってきた 猫とカラーテレビと卵焼き』「おもてなし時空」シリーズ、「仕掛け絵本の少女」シリーズなどがある。

「2023年 『キッチン・テルちゃん なまけもの繁盛記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堀川アサコの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
森見 登美彦
米澤 穂信
辻村 深月
ピエール ルメー...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×