侏儒の言葉 (文春文庫)

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著者 : 芥川龍之介
  • 文藝春秋 (2014年7月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901424

侏儒の言葉 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 他の出版社からも同タイトルのものは出ているのだが、読みやすさから購入。

    芥川語録。今でいうツイート?(笑)
    短き中にも芥川らしさが存分に出ているというか、ついつい笑ってしまう。

    私のお気に入りは「批評学」と、それに連なる「広告」「追加広告」である。
    批評というものを皮肉ったつもりが、当の批評家には通じなかったため、馬鹿馬鹿しさを全面に押し出して弁解を行う一連の流れに笑ってしまった。

    芥川龍之介は、ちょっと距離を置いた上でじっと観察していたいと思える、唯一の作家である。

  • 侏儒とは。辞書で調べると「見識のない人を嘲っていう言葉」のような意味だそうです。ユーモアと皮肉たっぷり。にやにやしながら爆笑しながら書かはったんやろなあ…。でもセンチメンタルが溢れちゃったりもするんですよね。ちなみに帯は「わたしは度々他人のことを「死ねば善い」と思ったものである。」という作中からの抜粋でした。衝撃。(というか吹いた。)

  • ほんとは青空文庫で読みました。
    忍従とはロマンチックな卑屈である、というのがかっこよすぎて読みました。
    インターネットで開いておいて、なんども繰り返し読みます。

  • 【文藝春秋九十年、芥川賞百五十回。変わらぬ言葉の力】「人生とは落丁の多い書物に似ている」。創刊時の「文藝春秋」に連載され、いまなお読者の熱烈な支持を受ける箴言集。筒井康隆解説。

  • 鋭くて洗練された言葉たち。著者がこんなにも西洋文学に親しんでいることや、藝術を熱く語る側面を持ち合わせていることを、今まで知らなかったのが恥ずかしい。

  • 芥川龍之介の「侏儒の言葉」を中心に短い評論・雑記数本を文庫にしたもの。2014年07月に刊行。
    本文への注釈はまとめて巻末にある。解説は筒井康隆がまともに書いている。岩波文庫版では削除されている部分も載せられているとか。

    (感想)
    ・250頁ほどなので軽く持ち運びやすい。PCやタブレットで見る青空文庫より読みやすいのは当然として、作品セレクトもこういうのが前から欲しかったので嬉しい。
    ・最近そういう本ばかり読んでいるせいか、強めの皮肉や思想云々より文章のリズムの方が気になる。
    ・表題作の中なら「神秘主義」と「諸君」が、私個人の好みというか、中学時代からのお気に入り。変わらん……。
    ・ここでひとつ引用。

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     ( 好 悪 )
     わたしは古い酒を愛するように、古い快楽説を愛するものである。我我の行為を決するものは善でもなければ悪でもない。唯ただ我我の好悪である。或は我我の快不快である。そうとしかわたしには考えられない。
     ではなぜ我我は極寒の天にも、将に溺れんとする幼児を見る時、進んで水に入るのであるか? 救うことを快とするからである。では水に入る不快を避け、幼児を救う快を取るのは何の尺度に依ったのであろう? より大きい快を選んだのである。しかし肉体的快不快と精神的快不快とは同一の尺度に依らぬ筈である。いや、この二つの快不快は全然相容れぬものではない。寧ろ鹹水と淡水とのように、一つに融け合っているものである。現に精神的教養を受けない京阪辺の紳士諸君はすっぽんの汁を啜すすった後、鰻を菜に飯を食うさえ、無上の快に数えているではないか? 且(か)つ又水や寒気などにも肉体的享楽の存することは寒中水泳の示すところである。なおこの間の消息を疑うものはマソヒズムの場合を考えるが好い。あの呪うべきマソヒズムはこう云う肉体的快不快の外見上の倒錯に常習的傾向の加わったものである。わたしの信ずるところによれば、或は柱頭の苦行を喜び、或は火裏の殉教を愛した基督教の聖人たちは大抵マソヒズムに罹っていたらしい。
     我我の行為を決するものは昔の希臘人(ギリシア人)の云った通り、好悪の外にないのである。我我は人生の泉から、最大の味を汲くみ取とらねばならぬ。『パリサイの徒の如く、悲しき面もちをなすこと勿れ。』耶蘇さえ既にそう云ったではないか。賢人とは畢竟荊蕀の路みちにも、薔薇の花を咲かせるもののことである。
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侏儒の言葉 (文春文庫)の作品紹介

文藝春秋九十年、芥川賞百五十回。変わらぬ言葉の力「人生とは落丁の多い書物に似ている」。創刊時の「文藝春秋」に連載され、いまなお読者の熱烈な支持を受ける箴言集。筒井康隆解説。

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