異国のおじさんを伴う (文春文庫 も 20-7)

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著者 : 森絵都
  • 文藝春秋 (2014年10月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902025

異国のおじさんを伴う (文春文庫 も 20-7)の感想・レビュー・書評

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  • 『架空の球を追う』の次は、『異国のおじさんを伴う』。なかなかのネーミングセンス。

    森絵都は、なんでこんなにバラエティ豊かな短編小説を書けるんだろう、と感心するくらい面白い。

    ビックリと、ほっこりの繰り返し。

    筋を追っていると見えるはずの着地点を無視していく鮮やかさ。いいなあ。

    飛行機の中で、あと十分のラストシーンを巡って論議する乗客たち。
    美しいエジプト人に心を奪われたが、しかし彼の貧乏ゆすりと「危機一髪」に耐えられず蹴り出す女性。
    タウン誌に掲載したコラムの「取り違え」が元で大きくストーリーが変わっていく編集者の話。などなど。

    まとめて一言では言えない、豊富な魅力が詰まった一冊。お腹いっぱいになりました。

  •  10編の作品を収録した短編集。

     状況も、登場人物もバラバラの短編ですがそのいずれにも共通しているのは、どこか身近に感じられる登場人物たちの心情や語り口、少しの毒とユーモア、
    そして読み終えた後鮮やかに登場人物たちへの思いや、作品からみえる風景が反転することだと思います。

     収録作品は、どれも劇的な場面を描いているというわけではありません。たとえば、

    工事による停電に悩まされる二人の女性が文句を言いに夜の街に繰り出す「夜の空隙を埋める」
    伊勢丹に訪れた女性を描く「クリスマスイヴを三日後に控えた日曜の……」
    フリーライターの女性の仕事上の一つの後悔を描く「竜宮」
    国際線のフライトの着陸間際、最後まで見られなかった映画をめぐって話が展開する「ラストシーン」 
    正月に実家に帰ってきた息子と母を描く「母の北上」
    女性作家が”ひげ人形愛好会”に出席する表題作「異国のおじさんを伴う」などなど。

     そうした短編たちから感じるのは、文章の上手さや日常を小説に昇華させてしまう、森絵都さんの視点の確かさ、そして、
    人の愚かさや愛しさ、心情の変化やドラマが優しい視線で日常から抽出されていることだと思います。

     小説の主流はやはり長編なのですが、こういう短編集ももっと読まれてほしいなあ、と読み終えて思いました。

  • 文庫にて再読。装丁はハードカバーの方が好き。
    旅に出ながら読みたくなる一冊。誰しも時間を、土地を、たゆたいながら生きている。靴を買う話がとくにすきだ。

  • 短編集。

    クスッと笑えるものからブハッと吹き出すもの、考えさせられる展開になったものなど、色々な話があって読み応えがありました。

    桂川里香子、危機一髪が1番笑ったw
    最後の爽快感がすごい。清々しい!

  • 森絵都の異国のおじさんを伴うを読みました。
    向き合い方によって世界の印象はがらっと変わるというテーマの短編集でした。

    「藤巻さんの道」という短編は物語の語り手の僕が有能な同僚の藤巻さんとつきあうという物語でした。
    藤巻さんに道の写真だけで編まれた写真集を見せてどの写真が好きか聞いたところ、荒涼とした道の写真を選んだのでした。
    なぜ、藤巻さんは花畑の道の写真ではなく、枯れ草と土が続いている道の写真を選んだのか...
    真相があらわになった時に、僕が選んだ行動が印象的です。

    一番気に入ったのは「桂川里香子、危機一髪」という短編でした。
    お金持ちのじゃじゃ馬娘がそのまま大人になった里香子の、新幹線にまつわる危機一髪の物語が語られます。
    世界の認識が変わった時に里香子がとった行動に笑い転げてしまいます。

  • 2017-05-24

  • へんてこりんな話が多いけど。
    でもまあいっか。
    それぞれの人のちっぽけな毎日にもストーリーがありドラマがある。
    そういうことが伝えたいのかな。
    生きてるのって悪くないよね、みたいな。

  • 森絵都めっちゃ好き。
    検察側の証人読んだことあって良かったと思った。

  • 森絵都さんの短編集のあたたかい雰囲気が大好きで、また手に取ってしまいました。母親のお茶目な頑固さ、藤巻さんの艶めかしさ、小池さんの包容力、停電の闇の隙間から見えた人生の機微、ヒヤリと差し込まれるミュンヘンでの喪失感。どれもがリアリティがあり、そして美しく、優しく、時おり哀しい。読んでいる刹那、ぽんとどこかに灯りがともりそうな、そんな1冊です。

    好きな作品を1つ挙げるなら、やっぱり伊勢丹かなあ。どこか馬鹿馬鹿しい狂想曲を最後にくるりと転調させる、その鮮やかさに脱帽です。

  • 短編集で、今まで読んだ森絵都さんとちょっと違う印象かな。オチがあったり楽しめました!

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心に残る一行と、さりげない毒と、胸を震わせるカタルシス……。いま最高の短篇小説の名手が、人間の愚かさと愛しさを描きます。

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