ウィンター・ホリデー (文春文庫 さ 49-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902179

作品紹介・あらすじ

元ヤン&ホスト→宅配便ドライバーの父+しっかり者の小学生の息子
一人から二人、そして仲間と……大人気「ホリデー」シリーズ第二弾!

元ヤンキーで元ホストの大和と突然現れたしっかり者の息子・進のひと夏の絆を描いた『ワーキング・ホリデー』、その待望の続編!
冬休みに進がやって来るのを心待ちにしつつ、自分の知らぬ間に女手一つで頑張っていた元恋人で進の母親・由希子のことが気にかかって仕方ない大和。しかし、クリスマス、お正月、バレンタインとイベント盛り沢山のこの季節は、トラブルも続出で……。

そんな季節を舞台に、大好きな人と一緒に過ごせる幸せに改めて気づかせてくれる、6編の物語が収められています。

感想・レビュー・書評

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  • 1作目の後に3作目を読んでしまったので、慌てて2作目を読む。
    初めて会った息子との遣り取りが、前作に続いてぎこちない。言動の端々に元ヤンキーでホストだった経験が出てくる父親と、お母さんとも言われる常識人の息子との考え方の違いもあるだろう。別れた元カノの母親との出会いも何とか果たし、あとは結婚して3人が暮らせるように、と願う。ほのぼのとして読み味が良いシリーズだった。

  • 久しぶりの坂木司さん。タイトルの通り、冬休みのクリスマスや年越しにお正月から始まり、バレンタイン、春頃までの時期の元ヤン&ホストで現運送会社配達員の大和と母親と暮らす息子/進の交流を中心とした話が描かれている。坂木さんの小説の登場人物は、どの人も人間味に溢れ温かい。坂木さんらしく、美味しそうな食べ物もたくさん登場する。温かい人々に美味しい食べ物は、心穏やかに日常生活を過ごさせてくれる。ワクワクする季節も相俟って、とても楽しく読んだ。約10年前に書かれた小説のため、今後続編が出る可能性はわからないが、大和たち家族の今後がとても気になる終わり方だった。

  • 前作に引き続き、一気読み!
    キャラクターが生き生きしていて、悩みつつもたくましく道を進んでいく姿がとても良かった。
    皆が幸せになれる話でホッと癒された。

    解説にもあったが、ジャスミンの言葉は本当に深い。書き留めておこうと思った。

  • 新しい お仕事小説だと 思って 読み始めると

    続編か。

    宅配便業者の 人々のいろいろな 日常が 感じられました。

    次は ホリデーインを 読むつもりです。

    登場人物たちの 短編集。

    なんか 裏側を見るようで 楽しそうです。
     

  • いつかは、子供は大きくなって親から離れていく。
    だから小さいときに頬っぺたをスリスリしとくべき。今はもうウザい、キモい、クサイだが。
    ヤマトと由希子の再会となりほっとした。進はいい子だなぁ。続編もホッコリでよかったです。

  • 前作に続きホンワカしたお話。

    6つのエピソードで楽しく読みました。
    色々とお疲れの方に気分転換で読んでみて頂きたい作品です。

    スピンオフ?のホリデーインも是非、読んでみたいです。

  • ワーキングホリデーに続くホリデーシリーズ第2弾

    今回も豪速球の直球勝負の沖田大和は、健在!

    進化して自転車付きとなったハニービー・キャリーに乗って
    クリスマス、年末、バレンタインと仕事にがんばる姿や再会した進との交流も前回以上に楽しかった

    何とか大和と母親の由希子を会わせたいという進の願いを叶えようと進の友だちのコウタが家出作戦を企てるが、それが大変なことに・・・

    読者が期待している3人が一緒に暮ら すようになるのは、次回作を待ちたい

    作中で、No.1 ホストの雪夜が大和に話した言葉が心に残った

    僕たちは、普通の人の倍努力して『きちんと』しなきゃ。
    でないとすべての悪いことに枕詞がつくようになるよ
    『 ホストだから』
    ゴミをちゃんと出さないのね。そうよ、あの人、ホストだから。
    煙草の吸い殻をポイ捨てするのね。そうよ、あの人ホストだから
    そもそもホストですって言った時点でマイナスからのスタートだと思わなきゃ

    『ホストだから』って言われ続けた後、何かちょっといいことをするんだ
    『ホストだから』が『ホストなのに』に変わるんだよ
    あら、ホストなのにお年寄りに優しいのね。ホストなのに礼儀正しいんだな
    これまでのマイナス要素がぱたぱたって音を立てて、一気に裏返っていくんだ

    『ホストだから』は、時によっていろいろ変わるだろう
    女だから、一人っ子だから、韓国人だから・・・
    人間の本質を見ようとせず、上辺だけで決めつける偏見の浅はかさを言い得ている
    日常生活でも、自分の身に置き換えて、そんな見方をしていないだろうか考えたいところだ

  • 「ワーキング・ホリデー」の続編。大和が進と過ごす冬休み(クリスマス)からホワイトデーまでの様子。
    おせちを配達する側のことは全く考えたことがなかった。大晦日に近付くほど冷凍がナマモノになり、高級になり、代えが効かないなど初めて知ることにびっくりした。積み方にも色々気を遣っている様子など読むと、益々尊敬と感謝の念が湧いてきた。

    解説にもあったけど、私もジャスミンのキャラが好き。こんな人が身近にいたらいいな。「どこまでも近付くだけの人間関係なんて存在しない」「自分の子供を持つか持たないか、持てるか持てないかは個人の判断と運命。でもあたしは、出会う全ての子供は自分の子供だと思って接する」

  • 一言で言うと。。。

    幸せだなー。。。

    人って、無くしたものがあって、初めてそれがどんなに大事なものかを知るんですよね。
    この本の中の人々は、それを知って、それを改めて考えて、幸せだったんだな。大事だったんだな。って再認識している人々が多いように感じる。

    幸せ、大事なことって、本当に身近にあるんだよって。

    この本を読んで、こんな感想を感じたのは、2020年4月の今だからなのかもしれないけれど。

    みんな、幸せになーれ!

  • 「ワーキング・ホリデー」の続編。タイトルの通り、今回は冬休みから3月にかけて起こった出来事を描いている。
    大和と進の距離感は微妙なままだが、今作では、進の母親であり、大和の元恋人・由希子の存在が大きく、3人の微妙な関係の変化が描かれている。
    特に最後の「届けたい」では、いろんな人が誰かを大切に思う気持ちや、一生懸命に日々を過ごしていれば、必ず物事はいい方向に向かっていくのだと、つい、自分の追い詰められた日々と重なり、涙ぐんでしまった。
    正直、大和は好きになれないけど、「みんな、幸せになれるといいな」と、思わずにいられない作品だった。

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著者プロフィール

一九六九年、東京都生まれ。二〇〇二年『青空の卵』で〈覆面作家〉としてデビュー。一三年『和菓子のアン』で第二回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。主な著書に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『肉小説集』『鶏小説集』『女子的生活』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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