さよならの手口 (文春文庫)

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著者 : 若竹七海
  • 文藝春秋 (2014年11月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902209

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さよならの手口 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • シリーズものの第一作でもなければ最新作でもなかった。
    でも面白かったわ~。

    四十代の元探偵事務所の調査員で、今は古本屋のバイト店員・葉村晶。
    彼女がめっぽうハードボイルド。

    全身打撲、肋骨二本にひび、おでこに大きなこぶ、そして肺がカビの胞子まみれ。
    これが、導入部の、本筋ではない事件での負傷。
    その後も、たった数日の間に何度病院に担ぎ込まれることか。

    しかし彼女はめげない。
    やらなきゃならないことは、身体を張ってでもやる。
    頭の回転は速い。
    そしてなんだかんだ言ってお人よし。
    ああ、好きだわ、こんな生きるのが不器用な人。

    二十年前に行方不明になった娘の生死は?
    彼女の父親は?
    失踪した探偵は?
    最後までゆるむことなく張りめぐらされた謎と罠。

    ミステリ専門の古本屋さんでバイトもしているものだから、懐かしい書名がたくさん出て来て嬉しい。
    そして店長のキャラクター!
    あくまでマイペースに自己主張を押しとおす。
    そばにいれば迷惑な人だが、傍で見ている分には実に愉快。
    ストーリーの後味の悪さを、彼のキャラクターが随分中和してくれる。

    これも、シリーズを追いかけることになりそう。

  • 若竹七海さんのミステリー小説 初めて読みました。
    これは 女探偵 葉村晶シリーズだったんですね〜
    この本で初めて葉村晶を知る事になるんですけど タイトルからして訳ありな要素を含みつつ、内容も かなり面白かった ついつい読み入ってしまった ラストが呆気なく終わってしまった感じがした…女性探偵ならではの サバサバした性格でありながら 人を気遣うところなど とても 主人公に好感を持てるし、細かく調査してゆく道順が面白かったし、結構痛い目に遭いながら臨んでゆく姿に
    ミステリーではないドラマ性を感じられ 前作の葉村晶シリーズを読みたくなった。葉村晶シリーズに期待大!

  • 女性の探偵ものは、何故だかほろ苦い。
    女性が探偵『役』で、美人だったりして、荒事をこなしてくれる相棒がいたり、疲れ切った時に労ってくれるいい男がいたりすると、そうはならないんだけれど。

    葉村晶は、その点ちっとも甘くなく、リアルに食べていくための仕事として『探偵』で、女性として得してるところはほとんど全然なく、その上運が悪く、ケガはするし危ない目には合うし、いまや若くもなく美人でもない。
    けれど真摯に仕事をし、精一杯フェアであろうとする、人としてスジの通ったところが沁みる、男前?な女探偵ぶりが、独特な面白さになっていると思う。

    若竹七海さんの作品は、ドタバタミステリもいいけど、こういう曇り空みたいなミステリも好き。
    青空が、ちらっと見えるところがあって救われるのもいい。

  • 面白かった。
    ミステリのネタが散りばめられて最後まで飽きずに読みきれる。
    主人公に振りかかる災難も愉快(失礼!)。
    主人公 葉村晶が人間臭く抱えながら負けずに探偵業に勤しんでいく。

    物語はドロドロして重いミステリ・テーマなのだが、気分が重くならない。

    他の葉村晶シリーズも読んでみたくなりました。

  • 20年前に失踪した娘は、調査していくうちに多数の謎が浮上してきますし、本筋とはまた別に様々なトラブルや謎も発生します。複数の中編や短編を絡ませたような感じで贅沢な内容です。足で情報を稼いで少しずつ事件の真相に向かっていく過程は端正ですし、状況が二転三転していく構図もお見事で、質、量ともに満足出来る探偵小説だと思います。
    また、作中に沢山登場したミステリーが巻末に紹介されており、ちょっとしたガイドブックとして活用出来るのも良いです。

  • 20141110
    ひゃー
    面白かった。
    どんどん踏んだり蹴ったりで、全然報われなくて、間違えたりしてかっこ悪くて、でもカッコイイなぁとしみじみ。
    謎そのものが二転三転するのもあるけど、別の小さな事件が繋がっていき、そこかー!みたいな引っかかりを逃さない感じが好き。
    もっとたくさん出て欲しいなー涙

  • 2017.8.17読了。

    途中なんども頭の中がとっ散らかった...
    「ん?どういうこと?」
    思いながらも、戻らずそのまま読み進めていったら、終盤一気に沢山のことが解決していった。

    ゆっくり、じっくり、時間をかけて、いつか再読したい作品。

  • 名探偵羽村晶シリーズ第四作。
    前作の登場人物が基本的に出てこないのがちょっと残念。。

    20年も前の疾走事件を追ううちに、犯人に狙われたり事件に巻き込まれたりして、満身創痍になっていくのが、痛々しくも、プロ根性なように思った。

    書評では、羽村晶は不運な探偵という紹介があったが、今作で初めて、その不運だと感じた。
    捜査が進むに連れて怪我が増えていく様は、痛々しくもあった。ここまで来たら、調査を続けたのはもはや意地だったんじゃないかとすら思えてくる。
    友人思いだけどドライで皮肉っぽい人情家という変な性格が、とても好きになった。
    ホントにいたらいいのに。

    読んだあと、ふと、この羽村晶シリーズは、新井素子さんの作風に少し似ているような気がしてきた。
    強いて挙げてみると、読後感もジャンルも全く違うが、主人公の内省の方向性や、皮肉が皮肉にならないで事実になってしまう立ち回り。
    真面目なのは解るのに真面目になりきれないところは、読んでいてついつい力が入ってしまうところでふっと力が抜けるのが、いいアクセントになっていて、作品が一層面白くなっていると思う。
    そして、こういう真面目な中のユーモアみたいな、あるいは言葉遊びみたいな息抜きは、集めていくと面白いと思う。

    しかし・・・、店長さん!
    もっと早く免許のこと言っておいてくれたら良かったのに。。
    ワンマンすぎる店長さんのおかげで話はタイトルからオチまで全部が面白かったです。

  • 探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。入院した病院で同室の元女優に二十年前に家出した娘探しを依頼される。当時娘を調査した探偵は失踪していた――。

    相変わらずタフ。しかし今回はほんと不運が多くてちょっと笑ってしまった。読み応えあって贅沢な本。ほんとこの一冊で五冊分くらいのネタが入ってるような。新しい女友達とのほのかな友情があんなことになって切ないなあと思っていたら結果アレで同情なんていらんのじゃ!というクール&ドライな後味でほっとしたというかなんというか。ところでみのりは元気なのだろうか……

  • 前作から10余年。
    勤務先の廃業とともに探偵を休業中の葉山晶はミステリ専門書店でバイトをしていた。
    ある日、古書を回収しに行った家の床板を踏み抜き、床下に埋められていた白骨死体に頭突き。
    肋骨を2本折り入院するが、同室になった元女優の老女から20年前に行方不明になった娘を探してほしいと依頼を受ける。
    これが、受難の女探偵・葉山晶のさらなる不運の始まりだった。

    メインの謎となるのは、元スター女優の20年前に失踪した娘探しですが、同時にいくつもの派生した謎や別のトラブルが発生し絡み合っていくという複雑な様相を呈しています。
    失踪当時、女優の娘を調査中に突然失踪した探偵の行方は?
    他にもこの親子の近辺の人物が何人も行方不明になっているが、その真相とは。
    また、偶然知り合った舞美という女性は何が目的で葉山に近づいたのか?
    それらの謎が有機的にメインの謎と結びついたり結びつかなかったり、盛りだくさんでおなかがいっぱいになりました。

    雪崩のように事件が発生し、伏線を取りこぼすことなく続々と破綻無く回収していく様子は日本版フロスト警部のミステリを読んでいるようで至極満足でした。

    事件が起こった時に一人の人間の心の水面が波立ち、それが言動となってあらわれ周囲にどう波及していくのか、露わにしてみせる巧みな心理描写には唸らずにはいられません。

    悪意や残酷さを鷲づかみにしてナマの人間の本質を見せてくれる作者の凄腕にぶんぶん振り回されながらも、葉山の筋を通す頑固一徹な清廉さにほっとします。

    正義というとちょっと面映いのですが、物事に対して葉山は必ず自分の内面の正義と照らし合わせてから行動を起こすような一面がある気がします。

    人間って普通、筋が通らないことでも自分の利益になることなら真実も捻じ曲げ、ずる賢く欺瞞に満ちたことを平気ですると思うのですが、葉山は賢いがゆえにそのごまかしに自分で気づいてしまうようなところがあるんですよね。

    そんな彼女だから、不運を呼び寄せてしまうのですが、後悔なく生きているであろう彼女が悪意に敢然と立ち向かっていく姿がすごく好きです。
    自分にはできないから憧れているのかもしれません…。

    ウィットに富んだ台詞回しもいつもながら楽しいし、100点満点の作品です!!

  • 初読みの作家さんだったけれど
    ミステリー好きにはたまらない一冊なのだろう。随所にちりばめられるミステリーの傑作選、残念ながらあたしにはちんぷんかんぷんだったけれど
    巻末にご丁寧な解説付き。

    内容はかなり重くて
    読み進んでいくうちに苦しくなってきて
    何とも救いようがなかったのが
    苦痛だった。
    たぶん読み手によってかなりの温度差があるのだろう。

  • 相変わらずの面白さ。

    毎回ボロボロになって、とにかく今は眠りたい、ってなるなー(笑)

    巻き込まれ型の探偵さんですが、巻数を重ねるごとに人情味がましますね。しかしあくまでドライ。

    同時進行の問題多発であきません。

    このシリーズの残酷な結末は重くなくて好きなんだけれど、今回こんな終わりもいいな。切ないとこは切ないけど。

  • 葉村晶シリーズも4冊目。一気に読み進めているので感じないが、この本が出るまでに10年以上の月日が流れている…という事で、ファンには待望だったんだろうなあ。
    葉村さんも同じくらい年をとっていて、まずそれに意表をつかれた。取り巻く環境も大きく変わっていて、その間に何があったのか気になる!
    過去の事件を追って、やっぱり様々な不運に見舞われつつも、一本芯が通って強い葉村さんが良い。
    そして彼女の好きなところは、ちゃんと反省が出来るところなんだなと思った。
    「さよならの手口」このタイトルが、色々な意味を持っていて、とても好き。
    あと、様々なミステリ作品が出てくるのが面白く、何作か読んでみたいものがあった。

  • 失踪した女優の娘を探す女探偵。

    相変わらず面白い。

    理不尽なことばかりだけど主人公がドライで読みやすい。

  • もともとハードボイルドで、ひどい目にあうシリーズだけど、今回は特に悲惨。長編だと、ずっとひどい目にあい続けて見えるから?
    20年前の失踪事件など、雲をつかむような話なのに、泥くさく、しぶとく、粘り強く調べていく。
    動けば動くほど、厄介ごとを抱え込んでいくのが、葉村らしい。ちりばめられたエピソードを回収していくのが圧巻。
    アルバイトからみでのミステリの話が興味深く、読みたい本リストが増えた。

  • 解説者さんのおっしゃる、原価率の高いミステリー。

    先に「静かな炎天」の方を読んでしまったけれどこちらは超の付くほどの長編。イヤ、本の厚さではなく内容の濃さで。

    このシリーズを語るには私にとって100万年早い気がする。その位心酔してしまいました。
    何しろ『MURDER BEAR BOOKSHOP』の富山店長が素敵すぎる!

  • 濃密すぎる一冊です
    ハードボイルドはもちろんなのですが、良質なミステリィな事は太鼓判です
    一体、どれだけのネタでどんでん返しを体感させられるんだ!読了後にゼーハー喘ぐような心地よい疲れる作品です。読むべし。

  • この作品も「このミス」(2015)でランクインしていたので、読んでみた。シリーズとしては4作目になるようだが、この前が13年空いているとのことで、ここから読んでも、全く問題なく楽しめる1冊。しかし…名前はもちろん知っていたが、こんなにハードボイルドな作品を書く方だったとは…最初から最後まで、まさにジェットコースターな展開で息が出来ないかと思うほど。女性探偵の葉村晶はとても不死身、でも、かっこいい訳でもなく、かなり抜けている。そこがまたいいのかもしれない。次作も2016年の「このミス」でランクインしており、人気があって、まだ読めないので、先に前の作品を読もう!

  • 若竹七海『さよならの手口』文春文庫。『悪いうさぎ』から13年振りのシリーズ作とのこと。葉村晶シリーズの長編作であり、『このミステリーがすごい!』、『週刊文春ミステリーベスト10』にランクインするなど評判の高い作品である。

    これまでシリーズ作を4作読んだが、長編よりも短編に魅力を感じる。長編になると必要以上に色々と詰め込まれ過ぎて、読むのに非常に苦労するのだ。

    探偵稼業を休業し、ミステリ専門書店でバイト中の葉村晶は古本を引き取りに出向いた古い民家でアクシデントに見舞われる。白骨死体を発見するは、大怪我はするはの相変わらずの不運ぶりを発揮。入院する羽目になった葉村晶は同室の元女優から20年前に失踪した娘の安否調査の依頼を受けるが…

  • このミスから。「悪いうさぎ」は未読でしたが、問題はなさそう。探偵を休業し、ミステリ専門店で古本買取のバイト中、負傷。入院先で偶然に同室だった元女優に20年前に失踪した娘探しを依頼され、調べると20年前に調査を行った探偵は失踪。驚くほど怪我をし、驚くほど携帯を壊し、驚くほどかっこいい。無理に男性的な魅力を彼女に求めないのが素敵。後は、ささいなところですが、彼女を皆が晶ではなく葉村と呼ぶのに好感がもてます。かなり重苦しく、辛い結末でありながら、良い読後感。さよならの手口が見つかって良かったです、葉村さん!

  • 葉村さ~ん。
    あいかわらず運が悪い。
    でも、かっこいい。
    40歳を過ぎて、ああいう生き方ができるって
    素敵。
    今回は、特に満身創痍度がどんどん悲惨になって
    でも、筋の通った葉村晶が大好きなのだ。

  • 久々の葉村晶シリーズがいきなり文庫って! これはあまりに贅沢すぎますよっ! ファンとしては超大満足の一冊です。
    探偵を休業し、事件とは無縁、のはずに思えてもさすがは葉村晶(笑)。どんどん事件に巻き込まれ、次々に降りかかる信じられないほどの不幸……悪いけど笑っちゃいます。どれだけついてないの……。
    しかし。どれだけ打ちのめされても決してめげることなく真相を追い求める彼女の姿勢はやはりカッコいい!のひとことに尽きるのです。真実がどれだけ残酷でも、誰かの望む結末でなくとも、依頼を全うするのが探偵。素晴らしい。
    さて、このまま完全復活してほしいところです。富山さんのキャラも素晴らしいので(ひどいよねえ、この人)。一緒に古書店探偵やっちゃいましょうよ。

  • 探偵としての腕は良いが、どこかツイていない女探偵、葉村晶。
    現在は骨休めのつもりでミステリ専門書店のバイト店員をしている。
    ひょんな出来事をきっかけに、元スター女優から二十年前に失踪した一人娘を探して欲しいと頼まれ調査を始めるが……。

    話が二転三転し色々な事件も絡んでくるが、テンポ良くスッキリ物語も進み、読み手を飽きさせない。
    何より葉村晶のキャラにとても好感が持てる。
    明らかになる様々な真実に落ち込み自棄になりそうになるが、やはり探偵の仕事が好きだと気付く葉村。
    また葉村のミステリが読みたい。

  • 葉村晶シリーズ。ほんと面白い!そしていろいろ起こる起こる。

  • 一気に読了。やっぱり葉村晶は面白い。

    ただ、前作「悪いうさぎ」がいつもどおり暗いながらも、おっかなびっくり人間関係を築いていくプロセスも描かれていて非常によかったので、それには劣るかなという感じ。できれば葉村には完全に一人ではいないでほしい、と同世代同性として思うわけでね。

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さよならの手口 (文春文庫)の作品紹介

仕事はできるが運の悪い女探偵・葉村晶が帰ってきた!

ミステリ専門店でバイト中の女探偵葉村晶は、元女優に二十年前に家出した娘探しを依頼される。当時娘を調査した探偵は失踪していた。

さよならの手口 (文春文庫)のKindle版

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