真田三代 上 (文春文庫 ひ 15-11)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902278

作品紹介・あらすじ

二〇一六年NHK大河ドラマは「真田丸」山間部の小土豪であった真田氏は幸村の代に及び「日の本一の兵」と称されるに至る。その軌跡を『天地人』の著者・火坂雅志が描く!

感想・レビュー・書評

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    血沸き肉躍る物語です。
    六文銭の旗印のもと戦国乱世を駆け抜けた真田幸隆、昌幸、幸村の三代の物語です。

    信濃国小県郡(長野県上田市)の山あいの小土豪である真田幸隆は、天文十年(1541)5月の海野平合戦で武田信虎(信玄の父)と村上義清などに攻められて小県郡から上野国へ逃げたが、武田家が信虎から信玄に代替わりしたのを機に武田の家来となり、武田家の信濃先方衆として活躍し、村上義清を信濃国から追い払い。その功績によって旧領の小県郡真田郷一千貫(石高に直すとほぼ二千石)を武田信玄から恩賞としてもらう。このころの信玄と真田幸隆の主従関係は、後の世の忠義というものではなく、お互いの利益(土地)のために結びついていると考えらます。

    真田幸隆の三男・昌幸は、七歳の時に人質として武田信玄のもとへ出されます。信玄の近衆として学問に武術に励み、十五歳で武田信玄と上杉謙信とが戦った川中島の戦いの第四次合戦、永禄四年(1561)に行われた、八幡原の戦いで初陣を飾ります。父・幸隆が病で亡くなり。武田勝頼が織田徳川の連合軍と戦った長篠の戦で、兄の信綱と昌輝が討死しました。このために昌幸が、真田家の当主となります。

    真田昌幸には、信之と幸村の二人の子供がいます。時が激しく流れていきます。武田勝頼が、織田信長に滅ぼされ。その信長が明智光秀に本能寺で殺され。羽柴秀吉が、光秀を破り、信長の遺産を継承し。徳川家康は、信長の死後、主のいなくなった甲斐国、信濃国を手に入れます。真田昌幸の領地は、信濃に砥石城、上野に岩櫃城、沼田城を有し、およそ十万石になります。

    争っていた徳川家康と北条が、和議を行なって北条が領有していた甲斐と駿河を徳川に渡し。徳川は、真田昌幸に無断で上野国を北条に渡します。これに昌幸が納得せず、沼田城へ北条が攻めてきます。

    上巻は、真田昌幸が上田城の築城を始める所までです。

    武士の名前は、生涯のうちに何度も変わります。このため人名に関しては上巻では、武田信玄、上杉謙信、武田勝頼、徳川家康、羽柴秀吉、真田幸隆、真田昌幸で統一します。
    なお、信濃国は、長野県。上野国(こうずけのくに)は、群馬県。甲斐国は、山梨県です。土地の名前として信濃、上野、甲斐とも呼びます。

    火坂雅志さんの本は読むのは初めてです。

    【読後】
    何度も火坂さんの本を読もうと手に取ったのですが、字が小さくて読むのを中止しました。今回の「真田三代」もブックオフで何回も見たのですが、手を出さなかったのですが、何の拍子か買ってしまいました(苦笑) 買った限りは読まなくてはと思い、読みましたが本当に字が小さくて大変でした。真田幸隆、昌幸、幸村の三人の物語は、大好きです。いままで何度も池波正太郎「真田太平記」を読みました。今回も楽しみにしています。
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    真田三代 上巻《文庫本》
    2014.11発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    2023.01.28~29読了。★★★★☆
    ブックオフ、110円で購入2023.01.27
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    「参考」
    ※参考は、私のメモ書きです。本の感想ではありません。
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    「著者紹介」
    火坂雅志(ひさか まさし、1956年5月4日 - 2015年2月26日)は、日本の小説家。本名は中川雅志(なかがわ まさし)。上杉景勝の家臣であった直江兼続を主人公とした時代小説『天地人』は大河ドラマとして映像化された。また、明治の小説家である村井弦斎を敬愛し、長年にわたる弦斎研究を行っていたことでも知られる。

  • 戦国武将好きな方の中では真田幸村が好きという方も多いと思うが、個人的には真田幸隆と真田昌幸を知らずに真田幸村が好きというのはありえないし考えられない。
    なんで?と思う方はこちらをおすすめ。
    今作は淡々と書かれている真田の三代記の印象で、上巻は幸隆の苦労と手腕が中心で楽しめます。

  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    戦国の乱世、山間部の弱小勢力であった真田氏を大名にまで育てた三代の男たち。仇敵である武田氏に仕え、旧領を取り戻した幸隆。主君を次々と替え「表裏比興の者」と呼ばれながら徳川の軍勢を二度まで退けた昌幸。そして「真田日本一の兵」幸村―知恵と情報戦で大勢力に伍した、地方の、小さき者の誇りをかけた闘いの物語。

  • 小説というよりも説明文だった。

  • 全2巻。
    真田幸隆〜真田幸村の真田3代史。

    久しぶりにど真ん中の正統派歴史小説を読んだって感じ。
    珍しく、真田幸隆の時代から真田氏を掘り下げた本著。
    「表裏比興の者」とか「日の本一の兵」とか評されるまでの流れが分かりやすく、真田入門として良いかも。

    ただ、この枚数で三代ってことで、
    各人の掘り下げが少しあっさり。
    小説的なキャラを設定するも、
    物語としてうまく活用しきれてないように感じた。
    物足りない感は残る。

    これが池波先生の「真田太平記」レベルの巻数だったら
    かなりな名作になっていたと思う。
    残念。

    とはいえ、それなりに長く、読み応えはある。
    変なひねり方もなく、素直で真摯な物語って印象。

  • 真田家三代の物語。
    昌幸やるなぁ。

  •  火坂雅志の歴史小説は初めてであったが、元々興味ある戦国時代ということもあってか、上巻だけでも五百頁を超える、読み応えある紙幅であるも意外に無理なく読めた。
     有名な真田信繁(本書では幸村として描かれている)の祖父幸隆から物語は始まる。
     主君に対する忠義などといったよく知られた所謂武士というイメージではない、戦国時代の恐らくこれが当時の武将であったというところを、著書は色濃く書き出すことに成功している。
     上巻は山間部の土豪程度の勢力である真田氏の、砥石城を謀略で奪取した幸隆とその子の昌幸を中心に描かれている。
     まだ下巻は未読であるが、上巻だけでも大勢力の者に対する弱小勢力の知略を尽くした生き方、矜持のあり方というものが本小説のテーマであることは言うまでもなかろう。
     武田、織田などあれほど隆盛を極めた大名であろうと、時の流れと何かしらの誤謬により、あっという間に衰え滅んでいくことを含み、この小説のテーマが何ら戦国時代に止まることなく、現代にも大いに参考となろう。
     それにしても下巻は上田城の攻防から始まるのかと楽しみである。

  • 忘れたー

  • #読了 少し伝奇的な要素の入った歴史小説かな。その伝奇的なところにどうも馴染めないのだけれど、それ以外の要素は面白いし、歴史の流れがよくわかる。
    上巻は真田幸隆の時代から昌幸の上田城築城までの物語。本拠地を追われて上州に逃げるという苦境から這い上がっていく様子が良い。
    武田信玄の側に仕えてから武田家の滅亡を目の当たりし、さらに織田だの徳川だの北条だのの大勢力を相手に渡りあったりしなきゃいけないんだもん、表裏比興と言われる昌幸が出来上がっていくのも納得。
    ちょうど別の著者さんの勝頼時代の本をよんだばかりだったのもあって、馴染みのある合戦や人物が登場して面白かった。同じ合戦や状況も、書く人によってこうも変わるのかと。そういう意味でも、歴史小説って面白いね。

  • 復習も兼ねて

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著者プロフィール

作家

「2017年 『左近(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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