国境 下 疫病神シリーズ (文春文庫) (文春文庫 く 9-11)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902520

感想・レビュー・書評

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  •  疫病神シリーズの第2弾。

     今回も二宮さんのタフさと二宮さんのピンチで現れたり、なんだかんだ言いながらも面倒見が良かったりする桑原さんの名コンビから、最後まで目が離せませんでした。
     桑原さんのキャラって、不思議な魅力がありますよね。
     続編も読みたい。

    ・「国境てなもんは地形や民族で決まるもんやない。そのときどきの喧嘩の強さで上にも下にもずれるんや」

  • 疫病神シリーズ第2作、下巻。

    二宮と桑原は再び北朝鮮へ入り詐欺師を追う。

    朝鮮語が全く話せない二人に手を差し伸べてくれる人もいる。

    北朝鮮の極道ともやり合うが、圧倒的な強さを見せつける桑原。
    強烈な個性を持ち、群れない一匹狼の極道だが、時に見せる情の厚いところに惹きつけられる。

    そしてカタギなのに、これまで幾度となく危ない目に遭ってきた二宮も、さらに危ない橋を自分から渡りに行く。

    展開が早く、スピード感あふれるストーリーは、読者を飽きさせない。

    最後にはオチまでついていた。
    このシリーズ、クセになる。

  • 下巻も面白すぎて一気に引き込まれ、あっという間に読了。内容はなかなかハードなのに桑原、二宮のテンポの良い会話とギャグまで盛り込んだやり取りに、お腹抱えて笑ってしまう場面まであった。
    それなのに最後は泣かせにかかるんだから、黒川さんずるいぜ(笑)

    上下巻あわせて北朝鮮という国、国のシステム、市民の暮らしなんかを実に綿密に描き出しているし、疫病神コンビを始め脇役のキャラクターも個性があって実に楽しかった!

  • 「鵜飼いの鵜」になってしまった疫病神コンビ。命懸けの越境までしたのに散々でした。
    堅気の二宮氏がだいぶ図太くなってきましたね。

    「おまえはなんや、金の亡者か。地獄に堕ちるぞ」

    またもや死人出ず。不思議や。


  • とにかく、「天性のイケイケヤクザ」の桑原の魅力が圧倒的。底なしの口の悪さと悪知恵のための頭の回転と、化け物じみた喧嘩の強さ、そしてなにより、筋の一本と追った任侠(なんだかんだ言って金を使うべきときには出し惜しみしない)に、爽快感を覚えない人はいないのじゃないか。

    特に本作では、桑原たちに協力する中国人、朝鮮人の男たちの侠気に思わず目頭が熱くなるシーンがあり、文字通り「任侠に国境なし!」と快哉を送りたくなった。また、ラストシーンにもぐっと来る。もちろん、想像を絶する過酷な現実の中で生きる北朝鮮の人々(特に浮浪児たち)の描写には胸が痛む。桑原でさえ絶句する社会状況、小説では金正日体制時代でまで日本との経済交流があった時代だが、金正恩体制となった今、悪くなりこそすれ良くなっているとは到底考えられず、果たしてここで描かれているよりひどい状況とはいかなるものかと考えるだけで、言葉を失う。

    おそらく、黒川さんご自身で北朝鮮に取材されたと思われるが、巻末の参考資料の量にも圧倒される。これだけ手間隙書いたのに「あと一息」とか「北朝鮮の描写が書き割り」とか評されて直木賞獲れなかったなんて、ちょっと悔しいくらいじゃ済みませんよね。

    あれだけ長いのに、無駄なシーンがひとつもないうえに、おびただしい情報量にも関わらずすこんすこんと頭の中に入ってくるので、あっという間に読めてしまう。もちろん、桑原と二宮の丁々発止の遣り取りには時々吹き出してしまうこと請け合い。
    暴力シーンもあるけど、桑原は女性には意外にもジェントルマンなので、女性にもお勧めですよ!

  • 疫病神シリーズ第二弾

    なかなかいけない北朝鮮内部を非常にリアルに書かれている。
    暴力団ストーリーで内容はハードボイルドに近いが、ギャグセンスもあり読んでて楽しい。
    上下共にすぐに読み終わる。

  • 二転三転するストーリー。
    主人公2人の掛け合いが良い。

  • 大好き“疫病神”シリーズ。
    相変わらず軽妙な大阪弁のやり取りで物語が紡がれていきます。
    桑原と二宮の、腐れ縁というには濃すぎる絆が北朝鮮で更に強まったような。
    にしてもラストにはやられました。
    美しいです。

  • あちこちのレビューで最高傑作と書かれていて気になって、これを読むために疫病神シリーズを読み始めた。噂に違わぬ面白さ。
    名作でした。
    最後は思わず泣いてしまった。
    近年読んだ本の中ではダントツで面白かった。

  • このコンビ、大好きです。

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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