新装版 遥かなるセントラルパーク (上) (文春文庫) (文春文庫 マ 1-4)
- 文藝春秋 (2014年12月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167902667
作品紹介・あらすじ
とにかくひたすら面白い不朽のエンタテインメント!LAからニューヨークまで5千キロの大陸横断マラソン。それぞれに夢や事情を持つランナーたちのドラマを描き、感涙必至の名作復刊。
感想・レビュー・書評
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ロサンゼルスからニューヨークまで、多額の懸賞金が懸けられた5000キロに及ぶアメリカ大陸横断マラソン「トランス・アメリカ」で起こる様々な人間ドラマを描いた小説。
上巻を読み終えた段階では、とにかく書きっぷりが気持ちいい作品だと感じています。
まずは登場人物たちの書きっぷりが気持ちいい。人生の一発逆転を狙って参加するランナーたち。彼らの過去のエピソードから、マラソンの参加に至るまで、それぞれの人生であったり懸けるものであったり、そこのドラマが読ませるし、そして参加者たちの中で徐々に生まれてくる、ライバル関係とは違った、一種の仲間のような関係性の変化であったりもとても爽やか。
またこのマラソンの主催者であるフラナガンも、徐々に単なる興行主でなくランナーたちに感情移入していき、立場の違いを超えて関係性が深まっていくのもいい。
数か月に及ぶマラソンはトラブルももちろん起こります。酷暑であったり、大雨によるルートの変更であったり、そうした状況下でのランナーたちの走りっぷりの描写も真に迫って書かれていて引き込まれる。
特に砂漠地帯を走るランナーの描写は、シャツが身体にまとわりつく描写や、身体の熱さが危険な領域にまで達する描写など、ランナーたちの限界が身を通して伝わってくるような気がします。
そしてマラソンを妨害する組織の陰謀が入ってきたりと、大会の継続自体も徐々に怪しくなってきます。そこをフラナガンがどう乗り切っていくのかも見ものです。
マラソンの休憩日に起こるイベントも面白い。なぜか地方の運動会のようなイベントにランナーたちは参加することになるのですが、そこでのある大勝負が繰り広げられたりと、ここでもエピソードは事欠かない。
2000人が当初参加した「トランス・アメリカ」も上巻を読み終えるころには800人が脱落。下巻に至り、より苛烈を極めるであろうレースの行方に期待せずにはいられません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
感想は下巻で語ります
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文学
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「トランス・アメリカ」という、ロサンジェルスからニューヨークまでアメリカを横断する5000キロのレース。最初は2千人を超えたランナーたちが出場したが、毎日80キロを週6日走るという過酷なレースにどんどん脱落者が出てくる。
運営側から見たレース、ランナーから見たレース、通過する街の人たち。自分もトレイルランやマラソンをやるので思わずうなずいてしまう個所も多々あり、人それぞれ抱えている事情なども交わってどんどん読めた。 -
1年前に買って最初の方だけちょっと読んで放置してたf^_^; 本腰入れて読み始めたら何これめちゃくちゃ面白いじゃん!翻訳物に有り勝ちな文章のリズムの悪さもなくて読みやすい。下巻も一気に読めそう(^^)
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ただ走るだけなのだが、走るとは何かという白鯨的な考察もさせられるし、このスケールの大きさにはぐいぐい惹き込まれるばかり。下巻に続く。
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これは冒険小説。
1930年代初めの世界恐慌時代。ロスからN.Y.までのウルトラマラソン。
マラソンというより、満足な舗装路もないのでクロスカントリーと言った方が正しいか。 -
150202