嘘みたいな本当の話 (文春文庫 う 19-18)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903220

作品紹介・あらすじ

あらゆる場所の、あらゆる年齢の、あらゆる職業の語り手による、信じられないほど多様な実話。それは、ささやかな善意やご縁の糸が絡み合う、「嘘みたいな」本当に起こった話だ。応募総数1500近くの中から、知の泰斗ふたりが選りすぐった149のリアルストーリー。ポール・オースターの「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」のいわば日本版。日本が「物語る」声が聞こえてくるような奇跡の一冊が、ついに文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 心底びっくりするような話はないが雑談を聞いてるみたいにさらさらと読んでしまった。書き手の年齢層高め?今の状況が過ぎたらどんな話が出てくるのだろう。ほしよりこさんの絵がよかった。

  • 読みたいリストより

    大変おもしろい。続編も読もうと思う。
    興味深くて、周りの世界へ優しい気持ちになれる。ひとの一日のディテールを聴くのが楽しいのと似ている。
    ほしよりこさんの挿絵もいい。

  • 対談がおもしろい

  • 正直、クソつまらなかった。
    あまりにつまらなかったので、読んだページを破っていった。この作業は楽しかった。読むたびに本がだんだん薄くなる。こんなことは初めて経験した。最近はKindleで本を読むこともあるが、電子書籍ではこうはいかない。
    読んだそばから紙をちぎってポケットに入れ、駅のゴミ箱に捨てる。読み終わると手元なら本がなくなる。
    こんな読み方を発見したのが、本書を読んだ最大の収穫だった。

  • 内田樹・高橋源一郎選『嘘みたいな本当の話』(文春文庫)読了。
    公募した「嘘みたいな本当の話」を集めた本。すべて1,000字以内。
    内田樹だし、高橋源一郎だし、期待大といったところ(でもどちらの本も読んだことがない…)。
    「事実は小説よりも奇なり」というし、『きっとドキッとする話満載だろうな』と思って読んだが、ドキッとするような話よりは『ははぁ?』という話が多かったかな(どんな話?)
    いや、アタマがミステリーに冒されていてドキッとするような話でも驚かなかったのか。
    小話として使えそうな話は何本か拾っておいた。

  • ポール・オースターの『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』に倣って、日本の一般者から寄せられたショート・ストーリーを集めた本です。

    選者を務める内田樹は、日本人の作った物語は「定型に回収する」という傾向が強く見られると指摘しています。ただし読者の方からすると、内田が物語を選択する際のクセと、内田の主張する「定型に回収する」傾向との区別がどこにあるのかという疑問もあります。じっさい、もう一人の選者である高橋源一郎の印が付されている物語には、少し落ち着きの悪さを感じさせるような、不思議な読後感を残すものが多いように思います。

  • 面白かった、と思う。

    日本全国から集められた、
    「嘘みたいな本当の話」。

    タイトルに合わないようなのものもあったが、
    印象的な話もいくつか。

    かえってくるはずないものがかえってきた話、
    動物にまつわる話、
    すごい酔っ払いの人の話、
    後から(色々な意味で)ぞっとする話、などなど。

    たいていの話は数行程度なので、
    電車の待ち時間などにいいなと思いました。

  • 一般の方から集めたお話。
    どれも短いけれど、面白くて、時間を忘れて読みました。
    旅行のお供に最適?

  • 高橋源一郎・内田樹選の嘘みたいな本当の話を読みました。

    「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」として一般公募した嘘みたいな本当の話を収録した本でした。
    それぞれの物語は、恩田陸選の新耳袋コレクションや死ぬかと思ったシリーズに比べるとちょっとパンチに欠けるかなという印象でした。

    しかし、巻末の内田樹と柴田元幸の対談で、日本人が物語を書くと欧米人に比べて均質的な物語に落とし込む傾向があると解説されているのは納得したのでした。

  • タイトルに惹かれて、つい気になって買ってしまいました。
    アメリカの市井の人々が、自分たちの人生で実際に起きた、変わった出来事を寄稿し、それをポール・オースターがラジオで朗読する『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』。
    その日本版が本書です。
    選者は思想家の内田樹さんと、作家の高橋源一郎さん。
    普段からお二人の著書に親しんでいる私にとって、全幅の信頼の置ける選者です。
    タイトル通り、人々の身の回りで実際に起きた「嘘みたいな本当の話」がてんこ盛り。
    どれも面白く拝読しました。
    唖然としたり、ジンと来たり、思わず吹き出したり。
    人生は物語にあふれていると、あらためて実感した次第です。
    私は以下の5点が特に気に入りました。
    □□□
    【出戻りベッド】
    自分の知り合いは、彼女と別れるときにベッドを彼女にあげたそうです。それから一年後、新しい彼女ができて、その新しい彼女の部屋に行ったら、なんと前の彼女にあげたはずのベッドがあった! 「どうしたの、このベッド?」って聞いたら、「寿退社した先輩にもらった」。
    当人は「彼女は変わったが、ベッドだけは変わらなかった……」と言っていました。

    東京都 伊達直斗
    □□□
    【ねこ】
    昼過ぎに家を出ると、道のあちこちにチョークで落書きがしてあった。
    電柱の横に「でんしんばしら」、単車の横に「ばいく」、ある家の前に「ゆーびんばこ」……という具合。なるほど、午前中に聞こえていた子どものはしゃぎ
    声はこれだったか。
    おもしろくなってあとを追いかけてみたが、「ねこ」と書かれているところで落書きは終わっていて、猫も子どももいなくなっていた。

    千葉県 樫山泰士
    □□□
    【猫ケ辻】
    駅の近くの十字路の四隅すべてに猫がいて、互いに見つめ合っていた。

    兵庫県 橋本美保
    □□□
    【忘れ物】
    友人は自転車でコンビニへ行き、歩いて帰ってきた。

    大阪府 sanasuke
    □□□
    【宇宙と地べた】
    奴とは大学一年と二年で一緒のクラスだった。
    とはいっても、向こうは成績の良いグループ、クラスの中心の輪のなかだった。こちとら成績は冴えず、どちらかというとアウトロー。
    というわけで、向こうはこっちを覚えていないだろうが、こっちは出回ったノートのコピーに大変お世話になったのでよく覚えている。
    でも心のなかでは思っていた。大学以降は成績がすべてではないと。
    あれから十年が経過して、いまだ大学のとき以来抜け出せずにいる、木造家屋の六畳一間の、映りの悪いテレビに、見覚えのある顔が映っていた。
    あいつが宇宙飛行士に内定したとのことだった。
    十年経ってやっと気づいた。
    デキる奴は成績もいいのだと。

    神奈川県 サヤママサハル
    □□□
    興味のある方はどうぞ。
    ちょっとした空き時間に読めるので、特に忙しい時にお勧めです。

  • 内田樹と高橋源一郎が選んだ普通の人たちが寄稿したショート・ストーリーの数々。かつてアメリカであった企画の「日本版ナショナル・ストーリー・プロジェクト」
    当に事実は小説より奇なり。実際にあった話ですから、テーマによっては自分にもあるある!と語り出したくなります。戻ってくるはずがないのに戻ってきたものの話、とか私が会ったなかで、いちばん粗忽な人の話、とかばったり会った話とか‥読んでいると可笑しかったり、ほっとしたり、ぞっとする話でも何か親近感を覚えます。巻末に翻訳者の柴田元幸氏と内田先生の対談が載っています。その中で内田先生は日本人は定型と教訓を好む特徴があるため、元々のローカリテイやオリジナリティーが消され、物語の枠組みにすっぽり収まってしまう。と述べていますから、私の感想も然り。そして、こうした語りは自分の身近にあった出来事を俯瞰して見ることにつながるので救いにもなると思っています。

  • へ~、そんなこともあるんだ~って感じでサラサラ読み。

  • 賞味期限から一年以上たったチョコレートを食べたら絵の具みたいな味がしたのを思い出した。絵の具、食べたことないけど。

  • すべらない話みたいだ

  • あらゆる場所の、あらゆる年齢の、あらゆる職業の語り手による信じられないほどに多様な「作り話のように聞こえる実話」を集めたというアメリカ『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』の日本版という触れ込みなのだけれど、採録された話を読んでも(そこそこおもしろいものの)いまひとつすごさや興奮を感じられなかったのは、たぶんこの日本版企画の募集の仕方(アメリカ版のようにラジオで朗読するのではなくネット上の文芸誌がベースだったことなど)にも理由があったのだろうと思う。その点も含め、日米の話の質の違いについて分析している巻末の内田樹と柴田元幸(NSPの翻訳者)の対談がある意味いちばんおもしろく読めた。
    とりあえず、本家『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』はすでに新潮文庫になっていることがわかったので、そちらも読んでみようと思う。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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