生命と記憶のパラドクス 福岡ハカセ、66の小さな発見 (文春文庫 ふ 33-2)
- 文藝春秋 (2015年3月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167903244
作品紹介・あらすじ
〝記憶〟とは一体、何なのか?働きバチは幸せ? 進化に目的はない? 福岡ハカセが明かす生命の神秘に好奇心を心地よく刺激される『週刊文春』人気連載第二弾。
感想・レビュー・書評
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いい歳こいて自分のことを「福岡ハカセ」と呼ぶ(呼ばせる)感性は十分に不思議ちゃんカテゴリーに入ると思うが、象牙の塔の住人は変わり者が多いので、この程度ならまだ軽症患者なのでしょう。
さて、本書は「週刊文春」に連載されたコラムをまとめたものですが、もし発表順に並んでいるのなら見事に最初の方のコラムは面白くない。(ただし「働きバチは不幸か」のみ除外)
実力が発揮されてくるのは、中盤辺りからで「ご本人様の証明」を経て「閉所という極限」「似ている理由」「寄生と共生」「退化は進化?」「詰まり体質」「進化に目的はない」からまた退屈なコラムが続き「最も成功している生物」を打ち止めとする、といっても、あくまでも個人的な関心や興味が私に合っているかの基準だけの話で、他の人にとってはまた違った印象になるのに違いない。とここまで書いてきて、各コラムを束ねる中見出し的なテーマでわざわざまとめていることに気が付く。こうした編集作業は、そのテーマに沿ったコラムを選び出している可能性が強く、となれば発表順という前提も怪しくなる。学者なら、コラムの最後に発表した日付を入れておく配慮(原典ソースを明示)が当たり前だと思うのだが、それが「博士」ではなく「ハカセ」という意味だったのかと深読みしてみる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
福岡さんを知るきっかけになった本
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スラスラと読めるハカセのエッセイ。
楽しく読めてときどき理科の勉強になる。
理系の読みものは知識がないと難しい、堅苦しい難解な文章もキライ。そんな苦手意識がある人にオススメしたい一冊であった。 -
p.2018/3/7
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これまで読んだ福岡ハカセのコラムと重複するものもあるけれど、軽い気持ちで読める科学モノ。
理系が好きな文系、理系に触れてこなかった人でも楽しめるのでは。 -
3.6
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生物学者にしてロマンチストの著者による、秀逸なエッセーの数々。昆虫に魅せられ、ドリトル先生に夢中になった幼少期。筒井康隆、新田次郎、フェルメールファン。自分と共通する部分を見つけて何だか嬉しい。村上春樹の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を傑作と書いてあっので、読んでみようかな。
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去年の奥トレ忘年会で交換してもらった一冊。著者のことはフェルメールに興味を持ったことで知ったけれど、生き物についての洞察は専門的で文章もとても読みやすく、読んでいておもしろかったです。あと、多摩川だったり国分寺だったり自分の知っている場所がところどころ出てくるのも親近感を持ちました。こういう文章が書けるようになりたいなぁ。印象に残ったのは「関係妄想」という言葉。まったく関係のないところに余計な関係を見出しがちなこの世界、たまにはバッサリ切ってみるのも精神衛生上いいかもしれないすね。この本で紹介されていた場所や映画、いくつか見てみようと思います。
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研究奴隷という自らを称する言葉に目がいく。福岡ハカセ自身のことだ。生物と無生物のあいだ、という著書はハカセのものだ。私はこの著作を読んだ後、随分長い時間をかけて、ハカセの事を知った。この著作はハカセの日々の周辺の出来事を綴ったエッセイである。ハカセの魅力をたっぷり味わえる。但し、あまり生物や科学的な事には触れられない。
必須アミノ酸の内、人が合成できない9種類の覚え方を 風呂場椅子ひとりじめ、と覚える。フェニルアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン、スレオニン、ヒスチジン、トリプトファン、リジン、メチオニン。この覚え方は知らなかった。