- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167903343
感想・レビュー・書評
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なかなか話に入り込めず、ずいぶん時間をかけて読了した。後半はなるほどそういう話か…など感じるところもありつつ、最後の作家さんご自身のあとがきなども読んでみて、さらに、なるほどと…
「人の上に立つのはしんどいぞ。」と最後に岩渕家老が藤兵衛相手にはいた言葉がすんなり腑に落ちる。「腹を割って話す相手がほしい。」
大きな器を持って、人は上に立てるものだと再認識する。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白え。青山文平読むの2作目だけど、やはり時代小説とは思えない読み易さに引き込まれるし、そこに感動すらする。ドラマティックな歴史的出来事に欠ける時代を舞台にしてここまでのドラマを編めるのが凄い。ラストでタイトルの意味と妻の駆け落ちの真意がわかるシーンは痺れた。ただ、それも自分の興産の結果を知らずに腹を切った娘婿に関しては救って欲しかったなあ。これじゃみんな救われないじゃん。ハッピーエンドでいいんだよ?
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2015年の直木賞作家さんです。
別に賞につられたわけではないのですが、紹介文を読んでこれは好みかもと思って、文庫化されたこの作品を購入。
当たりでした。
身を削るようにして興産の道を進む武士と家僕と篤農家。そしてその婿養子。剣士ではなくとも武家の清冽な生き様を感じさせます。
少々、女性たちの心情に無理を感じますが、何やらフッと笑を感じさせるエンディングも良く。
このまま、こうした作品を書き続けていって欲しいものです。