無罪 INNOCENT 下 (文春文庫 ト 1-14)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903367

感想・レビュー・書評

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  • 推定無罪がとても面白かったので読んでみたが、やはり過去作には及ばず、と思う。
    登場人物の中で、トミーとブラントのことしか好きになれなかった。

  • とっても面白かった。舞台は『推定無罪』の20年後。もちろん、主人公はラスティ・サビッチ。前作では、不倫の末不倫相手を殺害した容疑で起訴されてしまった検察官だ。
    そして、今作では、妻であるバーバラが突然死んでしまったことから、それがラスティによる殺人容疑として再び起訴されることとなってしまう。

    今作は、視点がラスティや、ラスティを起訴することに決めた前作でも登場したモルト検事、ラスティの息子であるナットなど様々に描かれており楽しめた。

    また、物語もスピーディーで、読み進めるにつれてラスティが今回は本当に殺してしまったのだろうか、や、懲りずにまた不倫をしているラスティだから、その不倫相手がバーバラを殺してしまったのか、等々最後まで推理できたのがとってもよかった。

    最後の解説にも書かれているが、ラスティ、オンナにフラフラ近づいては不倫をして、こりねーのかよ!というのが1番最初に抱いた感想だった。

  • 「推定無罪」の続編。20年後の設定。主人公の判事が妻殺害容疑をかけられ裁かれる話。宿敵の検事から訴追され、法廷での戦いが描かれる。前半は、1年半前~現在に至るまでの登場人物たちの描写と、検事が訴追するまでの経過が交互にそれぞれの視点から語られる。後半は裁判の様子。先が読めない展開で、何度も予想を裏切られた。構成もわかりやすくて、途中でとめられないくらい夢中になる。墓まで持っていくべき秘密があることの重さを感じた。

  • 徐々に証拠や事実が明らかにされ、そのたびに状況は二転三転する。そして、最初のシーン(空白の一日)の真実が最後の最後に明かされる。
    証拠の提示から、ちらっとは犯人を予想できるが、空白の一日の謎までは全く予想がつかなかった。

    家族の有り様、家族の絆が、事件の真相を明らかにする。このあたりは、いかにもアメリカ的。

  • さて、訴追されたラスティはスターンの助けを得ながら、後輩検事であるトミー・モルトの追求を受けていくことになる。読者としては、ラスティがバーバラを殺していないことを完全には確信できないまま、それでも違うよね、信じていいよねという息子ナットの思いに大いに寄り添いつつスリリングな法廷戦術の記述に、本を置くことは不可能というものだ。

    終局、モルトの決断と、ラスティの口から語られる真実に感銘を受けざるを得ない展開となって読者としての私はかなり浅はかだったことを知る羽目となった。
    こんな感じだろ?とわかったような気になる人は最後まで大いに楽しみにしていいだろうと思う。

    さて、本書の中で、とても良いなと思ったのは、検事トミー・モルトの人物造形である。主人公の敵として、反感を覚えざるを得ないのだが、しかし彼は59歳にしてついに愛する人間を得て、ラスティの決断も、それが愛する人のためであるならうなづけるという心情に達する。

    歳を取ってもモルトのような幸せを掴める可能性を知ることができ、私はちょっと今後を怖いと思う気持ちが軽くなった。トゥローさん、どうもありがとう。

  • 推定無罪の続編が、推定無罪を未読でも十分楽しめる内容だと思う。実際私は推定無罪を読んでいるが、内容は全く思い出せなかった。
    いわゆるリーガルサスペンスだが、恰好良くてキレのいい弁護士が登場しないのが本書の特徴といえるだろうか。真実を明かすべきかどうか、ということの難しさが本書のテーマではないかと思う。主人公に感情移入しにくいのが難点だろうか。

  • 読後に唸るしかなかった。本書は『推定無罪』の続編と言うより、解決編ではないだろうか。

    物語はタイトルが既に示す通りの展開を見せるのだが、意外な展開と二転三転するサビッチの運命に最後まで手に汗握りながら読み終えた。

    妻を殺害した容疑で法廷に立つサビッチに待ち受けていたのは予想も出来ない新たな事実だった。そして、最後に明らかになる、あの空白の1日…

    もしかしたら、スコット・トゥローは『推定無罪』の結末に不満を持っていたのかも知れない。だからこそ、23年後に解決編の形で本書を書いたのかも知れない。

  • サノバビッチサビッチ、いとしすぎる男。
    共感したらあかんのやろけど〜

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