悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

著者 :
制作 : ピエール・ルメートル 
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 3564
感想 : 450
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167904807

感想・レビュー・書評

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  • とてもおどろおどろしい描写の殺人事件からスタート、最後まで読み切れるか不安になりつつ読破しました!
    過去の事件とも繋がる痕跡があり、カミーユ警部が事件を調べていくと...なんと小説に書かれている内容と同じ状況で殺人が行われている⁉︎
    他の事件でも小説と同じ内容のものが見つかり、連続殺人として捜査が進みます。

    いやぁ、人が沢山殺されて酷い殺害方法いっぱい(°_°)
    そして、ビックリする展開が待ってます。
    次に読む予定のアレックスもこの感じなのかしら

    読後はドヨーンのお話でした


  • 若い女性2人が惨殺される、猟奇殺人事件が発生した。それも、猟奇殺人を扱ったある推理小説と寸分たがわぬ殺し方、死体の処理の仕方で。身長145センチの敏腕警部カミーユ・ヴィルーヴェンは、事件の手がかり求めて捜査の手を伸ばすが、何故か捜査情報が逐一マスコミにリークされてしまう。そして身重の愛妻、イレーヌが犯人の最終ターゲットとなり…。

    残虐の限りを尽くす猟奇的殺人。追い詰められていく捜査陣。そして全く救いのない悲惨なラスト。なんて作品なんだ! 「ルメートルのミステリー作家としての特質はこの死を玩弄する遊戯性にあるのかもしれない。ルメートルの作品内で行われるどんでん返しは、単なるサプライズ用ではなく、読者が共有している倫理観を転覆させて動揺を誘うために行われるものだ。」(解説)。まさにその通りだな。ムカムカする読後感の残る作品だった。

  • トリックの大胆さに驚かされた。

    ストーリーは、共通点の無い複数の猟奇的殺人の謎に迫っていくのだが、あまりに凄惨な殺人現場の叙述に高い緊張感と没入感とともに引き込まれる。

    例に漏れず、私も二作目「その女アレックス」を先に読んでいたので、オチの一つは分かっていたわけだが、それでも犯人はなぜ凄惨な殺人事件を引き起こすのか、読み解く部分は色々残っていた。

    そんな中突如、からくりが分かるのだが、分かった途端、頭はフラッシュバックの連続、パチパチと音を立てるような錯覚に襲われてしまった。

    このトリックは他ではなかなか味わえないので、読む価値はあるだろう。

    しかし、作品としての評価は、2つに分かれる。

    トリックが分かっても、登場人物や設定を読みつなぐことができれば高評価。そうでなければ、評価できない、そんな小説だ。

    残念ながら、私は後者だったが、ピエール・ルメートルはトリックになかなか凝った著者なので、三作目「傷だらけのカミーユ」に是非期待したい。

  • 傲岸不遜。醜悪。
    アレックスは未読且つ積読。
    しかし、この読了間もない気分で、その女アレックスに手が伸び悩む……。少し挟むか。

  • やっっと読み終わった!
    長くかかりました。

    まず、タイトルでイレーヌに不吉なことが…ってなるし。
    一章のカミーユさん優しいし、何が不満なの?
    イレーヌわがままか!ってなったし。
    どうしても、最悪の結末は考えたくなくて離婚しちゃうのかなーとかそのくらいで済むと良いなという、軽い考えをもちながら読み進めたし。
    第一章、いつまで続くんだろ?って思ってたし。

    そしたら、第二章始まったら。
    なんかおかしい。
    噛み合わない。
    あ、そういうことだったのか!!
    第二章のあの短さでひっくり返してくるの、すごい。
    しかし、結末はやっぱり最悪だった。
    これグロさ耐えられたから、次作もいけるよね?

  • 『その女アレックス』の著者、ピエール・ルメートルのデビュー作。殺人現場の描写は、非常に凄惨で誉田 哲也さんの比ではありません❗

    ルメートルの腕前なのか?訳者の橘 明美さんのお陰なのか、『その女アレックス』同様に、テンポ良く息つく暇もない位、その世界へ読者を惹き込ませます♫これがデビュー作とは、とても恐れ入ります❗

    ただ残念なのはタイトルで、もう少ししっくりくるものがあったような気がします。また個人的には、終り方も少し残念で、『その女アレックス』の方が数倍も面白かったように感じました❗

  • 「その女アレックス」が気になっていたが、2作目だったので1作目のこちらから読んでみた。
    落ち着いた語り口と作品の雰囲気がうまくマッチしていて、ところどころ斬新で素敵な表現があり読み応えがあった。巧みに訳してくださった翻訳者に感謝。
    医者や学者など専門家が出てウンチクを語っているシーンが好きなので、本作もわくわくしながら読めた。
    「ハサミ男」が好きな人におすすめしたい。

  • アレックスを先に読んでいるので、この小説の最後は知っているのだけれど。だからこそ辛くて読み進められない。

  • うん、、、
    なんか消化不良、、、

    地名なのか人名なのか分かんない〜

  • その女アレックスを先に読んでいたので結末は解っていたのですが、問題なく楽しめました。

    登場人物が多い上に日本人には覚えにくい名前が多く、誰?事案が多くて少し大変だった。小説内の犯罪小説も全く知らなかったので、知っている人ならばもう少し楽しめたのかな。

    邦題は…ちょっと問題ありかもしれません。自分は結末を知っていても問題ない派ですが、ネタバレ厳禁な人にはしんどいのでは。
    その女アレックスの翻訳が先だったので、人物名を入れることに統一したのだと思いますが…。

    それでも文句なしに素晴らしいエンターテインメント作品だと思いました。おすすめです。

著者プロフィール

橘 明美(たちばな・あけみ)
英語・フランス語翻訳家。お茶の水女子大学卒。訳書にスティーブン・ピンカ―『人はどこまで合理的か』(草思社)、デヴィッド・スタックラー&サンジェイ・バス『経済政策で人は死ぬか?』(草思社、共訳)、ジェイミー・A・デイヴィス『人体はこうしてつくられる』(紀伊國屋書店)ほか。

「2023年 『文庫 21世紀の啓蒙 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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