学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇 (文春文庫 い 81-5)
- 文藝春秋 (2015年11月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167904920
作品紹介・あらすじ
冷戦後の15年を知れば、混迷の現代が見える!EUの挫折、イスラム国の登場、エネルギー戦争、反日の原点――すべて東西冷戦後に原点が。ビジネスにも投資にも現代史は必須です!
感想・レビュー・書評
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100円だったので購入。現代史のおさらいとして読了。
サラっと流し読み。世界を取り巻く因果は歴史として残される。
指導者たちは何を学び、活かし、実行してゆくのか。
お金、権力、名誉、あらゆるものが交錯していく。
この頃に、2020年現在のことがどこまで想像できたのだろう。
つくづく思うのは、イギリスやフランスはどこまでも野蛮だったし、理不尽極まりない悪行を無かったことのように振る舞う。いつもムカムカする。
アメリカはその力に影りが見え始めている。ロシアだって混沌としてきた。
日本においては、何を信じていいかわからん。
いよいよどこに向かうのか。21世紀は人類はどんな道を歩むのかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
池上先生の東工大での講義、三部作の内の第三作目。
今回は、第二次世界大戦後の現代史がテーマです。
二部で扱った日本の戦後に続き、今回は大戦後、世界で何が起こっていたのか?について、
大きなイベント(出来事)を中心に講義は進んでいきます。
多くの人にとって、現代史は、学校の授業で時間切れになって、
勉強が広く浅くしか進んでいない分野です。
または、内容が新しすぎて(まだ歴史になっておらず)新聞などのメディアを通じてしか、
知らない分野でもあります。
そんな多くの人にとってちょっとあやふやな分野を
池上先生が分かりやすい口調で教えてくださいます。
世界中の人とコミュニケーションを取るためにも、
これくらいのことは最低限知っておきましょうという内容がコンパクトにまとまっています。
情報はだんだん古くなりつつありますが、それでもこの本は(現代史に苦手意識のある人にとっては)一回は読んでおくべき本だと思います。 -
池上彰さんの本は総じて読みやすくて分かりやすいけど、これもそう。けっこういい。
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義務教育ですら怪しい私にも理解できました。
権力者、独裁者による虐殺。いつだって国同士の争いに巻き込まれるのは国民。
国をやり直すと思ったなら、人の教育からやり直さないといけないのかと愕然としました。あまりにも長い。
ベルリンがあんな所にあるとは知りませんでした。 -
知らないことの多すぎる自分が悲しくなったが、内容は非常に分かりやすく良い本だと感じた。
東工大講義シリーズ三部作とのことなので他の2冊も読みたい。 -
池上彰が東工大で行った、計3年分の講義をまとめたシリーズ3冊を一気読み。
3冊はそれぞれ「世界編」「日本編」「国際編」と銘打たれているが、いずれも戦後史・現代史を通しテーマとしたもの。
なので、一部の内容には重複もあるのだが、同じテーマ(たとえばベトナム戦争など)を取り上げる場合でも、年度によって少し角度を変えて講義している。
それゆえに、3冊を通読することによって、現代史に関するいっそう明確なパースペクティブが得られる感じ。
理工系エリートの学生たちだけあって、池上が時折投げかける質問に対するレスポンスも非常によい。これなら池上も教え甲斐があるだろうな、と思う。
池上彰が山ほど出している一般向け教養書のたぐいが、全部よいとは言わない(そもそも、私も一部しか読んでないし)。が、私が読んだなかでは、『そうだったのか! 現代史』シリーズと、この東工大講義3部作、それに『世界を変えた10冊の本』あたりは、じつによくまとまっている良書だと思う。 -
集英社文庫『そうだったのか!現代史』(07年刊行)の、情報をアップデートした上での簡略版(内容がほぼ完全に重複している)。
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そうだったのか!現代史に近い内容。池上氏は学校の勉強で現代史が疎かになりがちな理由として、歴史的解釈が定まっていないことを挙げているが、この本にまとまっている内容は一つの学問として高校生くらいから教えてもいい内容だと思う。第二次世界大戦後の世界の動きと、今起こっていることとの繋がりが非常によくわかると思う。
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沢山本を読んでいるつもりだけど、歴史的出来事を関連付けて理解するには、何だか知識が断片的な部分があり、池上彰のこの本はその点を補完してくれる良書だった。特に、冷戦構造を軸に、朝鮮戦争やベトナム戦争、キューバ危機、中国が反日に傾いたきっかけなど。
読めば読むほど、英国も米国も好き勝手やっている事を改めて学ぶ。最近になって新自由主義とか自国中心主義とか言うムードがあるが、歴史は一貫して、自国の国益を中心としたものであったし、これからもそうだという事だ。この本を読んで、改めて、ソ連の解体が起きた事の凄さを感じた。