問いのない答え (文春文庫) (文春文庫 な 47-5)

著者 :
  • 文藝春秋
3.10
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本棚登録 : 344
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167906542

作品紹介・あらすじ

静かなやさしさが皆をつなげる長編小説震災の直後にネムオがツイッターで始めた言葉遊び。会ったことはないのにつながっている人々の日々を描き、穏やかに心を揺する傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 好きな作家、西加奈子さんが推薦していたので読んでみた。群像っていうの?とにかく登場人物が多くて、そして違う人物のシーンへ変わる時の「一息」みたいなものが全く無くてすぐ変わる。だからところどころ「え?今は誰の話?」「また人変わった?」と混乱もしてしまう。登場人物をきちんと(?)把握するためにも片手間に読むのではなく、腰を据えて集中して読むのがおすすめです。

    「(○○だったら)なんと言いますか?」「(○○のとき)何をしたい?」などの質問の前半である(○○〜)部分を抜かして、「なんと言いますか?」「何をしたい?」と漠然とした質問をTwitterで投げかける。フォロアーたちは思い思いの答えを出していき、皆の答えが揃った頃、質問の前半が明かされるという言葉ゲーム。噛み合わない回答や妙に噛み合ってしまう回答が面白い。

    東日本大震災始め、秋葉原の無差別殺人など実際にあった出来事への各自の思いも書かれているのもあってリアリティのある小説です。

  • 西加奈子の本で紹介されていたので興味を持って読んでみた。
    Twitterで繋がる人たちの目線を途切れなくスイッチしていくので
    それが誰なのかが掴みづらいまま進んだけど
    ネット社会って実際そんな感じよね~とも思った。
    意図せず311を挟んで読了。
    [図書館・初読・3月14日読了※単行本]

  • 読み終わるために、読み終わった。
    とりとめもなく、視点を変え続けるお話。
    とてもネット的、ツイッター的と言えばそうなのだけど、
    なかなか読みづらさが勝ってしまった。。。。

  • 私は正直誰が誰ということが時々わからないことがあった。笑
    でも、誰の物語を受け止めて、誰の物語を受け流してっていうことが認められているような小説やったから、読んでいてイライラしなかった。
    本当にTwitterのように、誰かの物語には引っかかるし、そうじゃないものは流れてた。環境(物語)がそんな雰囲気を作ってた。不思議な小説やったけど、終わった時、私もとりとめのない物語に過ぎないし、寂しい1人に過ぎないけど、いいかなって思えた。

  • 長嶋有はデティールを描くということについてはこだわりがあるのだろうと思うし、実際上手いと思う。本作は、そんな長嶋有の実力がいかんなく発揮されるとともに、震災後のツイッターという空間を介して、時代を写しとった一冊だと思う。ツイッターという空間でいろいろな人が他愛もなくおしゃべりをしている、そんな雰囲気がよく写しとられているだけではなくて、それが形式上も、登場人物の行動が切り取られてつながっていくさまに現れている。そんなつながりが心地よく、しかし、一方で、その背後には震災や秋葉原の殺人事件といった時代的な背景がある(別にそれが主題ということではなくそれも含めて切り取られている)。実のところ、ツイッターでの言葉遊びなんて、という思いもなくはないが、それでもやっぱり引き込まれて読んでしまったのは、長嶋有の描写の上手さがやっぱり大きい。

  • 何よりも加藤のことに思いを巡らせる。

    人物・場面の切り替え、人の交換可能性、については、してやられたり。

  • 本町にあるtoo booksで購入した一冊。

    登場人物が短いスパンでコロコロと変わるため、この人誰だっけ?となる瞬間が何度もありすこし読みにくさを感じた。登場人物が変わった事に気付かないこともあったが、だんだん慣れて分かるようになると、切り替わり方が面白いと感じるようになった。今までに読んだことのない不思議な小説だった。
    最後まで読み終わった後に解説を読んで、この本の魅力や良さが少し分かった気がする。
    解説を読んだ後でもう一回読み返したいと思った。

  • 86Pでギブアップ。
    構成、展開が独特。中年以上のSNSやってるひとなら面白いのかなと思った。

  • 22/10/15
    震災後にTwitterではじまった言葉遊び、謎かけを楽しむコミュニティの群像劇。コンセプトもエピソードもいいのだけど、もう少し登場人物を減らしたら読みやすかったんじゃないかな…この人誰だっけな、に気持ちを分断されがちでした

  • 震災後、作家のネムオがTwitter上で始めた言葉遊び。
    その言葉遊びを楽しむ人々の群像劇。

    改行された、今まで読んでいた隣の文章が別の登場人物の話に突然変わるので、慣れるまでは読みにくいです。

    震災や、秋葉原の無差別殺人など実際に起きた出来事を織り混ぜながら、様々な場所で生きる、様々な年齢の、様々な日常と思考が描かれています。

    手法とか発想は面白いのですが、私には相性が悪いようでイマイチでした。
    何も伝わってこない、というのが正直な感想です。
    残念。

    2014年15冊目。

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著者プロフィール

小説家、俳人。「猛スピードで母は」で芥川賞(文春文庫)、『夕子ちゃんの近道』(講談社文庫)で大江健三郎賞、『三の隣は五号室』(中央公論新社)で谷崎潤一郎賞を受賞。近作に『ルーティーンズ』(講談社)。句集に『新装版・ 春のお辞儀』(書肆侃侃房)。その他の著作に『俳句は入門できる』(朝日新書)、『フキンシンちゃん』(エデンコミックス)など。
自選一句「素麺や磔のウルトラセブン」

「2021年 『東京マッハ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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