侠飯3 怒濤の賄い篇 (文春文庫 ふ 35-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167906771

作品紹介・あらすじ

ドラマ化でますます絶好調のシリーズ第三弾!ついにドラマ開始、主演は生頼勝久さん。原作も負けてはいません。今回の舞台は下町のやくざ事務所。そこにまた“あの男”が現れた!

感想・レビュー・書評

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  • うー今回も良かった…!エンタメとして読み応えがあったし最後グッときた。
    柳刃さんは本当にカッコいいなぁー。火野さんもどんどん良いキャラになるし。相変わらず涙脆い。
    面白かった。

    今回も前作の登場人物達がちょっとだけゲスト出演。こういうの連作もの読んでて嬉しいサービスですね。

  • シリーズ第三弾。今回は下町のヤクザの家に滞在する柳刃と火野。一人前300円の料理だが、簡単で美味しそう。火野さん、発砲しちゃったけど、大丈夫なのかな?

  • 今回は下町のやくざ事務所にあの二人がやってくる。卓磨には若さ故の甘さが見え隠れするが、本質を突いた柳刃の言葉にハッとさせられる。

  • 侠飯 第3弾。快調に!
    第1弾では、柳刃の存在自体が物語になっていた。
    第2弾は、柳刃の正体がわかっていることと
    キッチンワゴンという制約から、おもしろさが失速。
    第3弾に期待したのだが、意外に ストーリー性で期待にこたえてくれた。

    昔のながらの歴史と伝統のある任侠の渋川組に
    桜田門一家柳刃組4代目柳刃は、一宿一飯の恩義にあずかる。
    その代わりに、一食300円/一人の予算で賄いをつくる。
    任侠と言ったって、慎ましやかで、84歳の親分伊之吉
    代貸海老原も82歳。子分の豆藤も60歳こえているという 
    老人ホーム的任侠なのだ。だから、躾がきちんとしている。

    侠飯にでてくる 若きオトコは どういうわけか
    頼りないのだ。学生の『良太』、退職部屋に追いやられる『順平』
    今回は サラ金回収の店長をしている『卓磨』が主人公。
    卓磨は 母子家庭で、おじいちゃんが 渋川伊之吉。
    店長をしているが、とにかくお金だと思って、貯金をして
    1000万円を貯金したと言うから、節制の効くオトコではある。
    しかし、なぜか 意気地がなさ過ぎる。
    弱いものには強く、強いものには弱くと言う典型なのだ。
    だから、料理に売るさく、仕事にもうるさい 
    説教タイプの柳刃のカモとも言える。(カモパターンが定着)

    卓磨が所属しているのが、チンピラのあつまりである串刺連合
    ボスが マッチョの鮫島、卓磨の上司 荒柿。
    卓磨は ボスの鮫島の命により 渋川家の家の立ち退きを命令される。
    卓磨は 一度も会っていない おじいちゃん 伊之吉の家にいき
    しぶしぶ 修行の身になるのだが。

    今回の柳刃の料理は 年寄り向きとノスタルジック。
    そう言う点では 柳刃の料理が ちょっと物足りない。
    予算も限られているが きちんと作り、卓磨に教える。
    当然 柳刃は 卓磨の素性やなぜ渋川家に住み着いたのか
    という理由を知っている。

    柳刃は鮫島に言う
    『金を信じる者は金に裏切られる。暴力を振るう者は暴力に倒される』

    柳刃は卓磨に言う
    『すべてを捨てる覚悟があれば、乗り越えられない壁はないぞ』

    卓磨は、柳刃の言葉で 覚悟する。
    卓磨が想いを寄せる
    伊之吉の体調をおもんぱかる看護士 梨江ちゃん。
    とも、うまくいくのだった。

    めでたしめでたし。というのが いいなぁ。
    予定調和の作品も テレビドラマ向きだ。
    しかし、柳刃が 生瀬勝久 ってありなの?

  • シリーズ第3弾。今回もなかなか面白いストーリーで、ラストに感動した。

    ヤミ金店長の渋川卓磨が上層部からヤクザ組長宅の地上げを命ぜられ、ひょんなことから、ヤクザ組長宅に行儀見習いとして住み込むことに。そのヤクザ組長宅に客人として現れた柳刃竜一と火野丈治。

    今回も柳刃が身分を隠し、料理の腕をふるいながら、極秘任務を遂行するが…

    お馴染みのパターンなのだが、毎回、シチュエーションが変わり、今回は一体どんなドラマを見せてくれるのか楽しみになる。

    テレビ東京でドラマ化されたようで、これからも楽しみなシリーズである。

  • 紛う如なき、【美味しい小説】!
    シリーズの読み物としてもいいんですけど、やっぱり柳刃さんの作るゴハンが食べたくてたまらなくなります。
    今回は、いつも893と誤解されて始まる柳刃さんがホンマモンの893さん宅に張り込むので、終わり際までずーっと任侠ものっぽいです(笑)
    暴力団というより任侠一家なところは、美味しいゴハンが出てくる舞台としてとても相応しかった。
    1人一食300円の予算内というのも好ましい。
    今回は高い材料無くても美味しいをずーっと続けてるので、家でやりたくなるメニュー多かった!
    なめ茸豆腐とか、めちゃうま牛丼とか、キムチ炒めとか、辛ラーメン鍋とかすぐ出来る( ´∀`)
    鳥ササミのカルパッチョ美味しそうだったなぁ。
    お肉屋さんであえてササミ買ったことなかったけど、買ってみようかと思います。
    半グレ集団の中でオレオレ詐欺やってた若者が、地上げのために潜り込んだのに、見習い修行の中で、実の祖父である組長や柳刃さんのおかげで改心するのは、お決まりのハッピーエンド。一気読みできる気持ちよさ。
    でも、心ほぐしていくのはゴハンなんですよ。
    コンビニ飯しいてたのが、毎日毎食、美味しいって箸が止まらなくなるゴハンを食べることで、今までの生き方を振り返るきっかけになるんですよね。
    ゴハンって偉大、、、(*´꒳`*)
    柳刃さんと住みたいものです。
    物語終盤の組長ことおじいちゃまと孫の過去エピソードが正直泣けた。いや、そうじゃないかなぁとは思ったけど、ツンばっかのおじいちゃんのデレを人伝に聞く感動が、破壊力すごい。
    真似できるゴハン、レシピ書いて欲しい。
    このシリーズはハズレないなぁって思います。

  • 今回はヤクザの事務所に潜入。
    相変わらず、美味しそうな料理の数々。

  • 今回も面白かった。一人一食あたり300円でも工夫次第でいろいろ美味しい物が作れるもんだなぁ。

  • 今回は古いほんまものの極道が出てくる回。あと半グレ。
    初回から極道一本道で来てたら、読み手を選んでたかもしれないので、3巻あたりで持ってくるのがなかなかにくい。
    またもや主人公が変わって、任侠料理人が居候するパターン。
    なぜ生きるのか、っていう禅問答のような会話があって、柳刃さんの哲学に触れられる。日々を丁寧に生きるのは大事だけど、難しい。

  • やっぱり料理の豆知識が入っているとありがたいなあ。今回も非常に美味しそうだった。プデチゲは読んだその日に食べたし、トムヤムクンは作ってみたくなった。いつか絶対作ろう。正直、物語より料理のことしか覚えてないかもしれないくらい、料理パートが魅力的すぎる。

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著者プロフィール

福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

「2023年 『怪を訊く日々 怪談随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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