検察側の罪人 下 (文春文庫)

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著者 : 雫井脩介
  • 文藝春秋 (2017年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167907853

検察側の罪人 下 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • さて、下巻。
    別件で逮捕した人物を犯人と睨み立件に執念を燃やす最上に対し、その強引な捜査に疑問を持ち始め、職を辞して真相に迫ろうとする沖野。
    沖野が最上を追い詰める道筋を語る物語は、マスコミや“人権派”の弁護士などが入り乱れ、その進展は大方の予想の通り。
    最上が本当に自分を守ろうとすれば、『小細工せずに受けて立つべきだろうという思い』を捨て、沖野を適当な口実で捕まえてしまえば、『自分が属していた組織がよもやそんな汚い真似をするとは』夢にも思っていない沖野は簡単に躓いていたものと思われ、ハナからその線には立ち入らない前提での攻防なので、まあ予想の通りにしか進まないわな。
    それでも展開の早さで面白く読めたは読めた。
    終章、腹を決めて事を進めた最上のほうがいい人風に描かれたり、自分が救った人物の姿に接し途方に暮れる沖野の若さが際立ったり、法を執行することの難しさは勿論だが寧ろ正論だけでは生きてはいけぬ世の中の難しさのほうを思わされたりもし、何とはなしに焦点が暈けた感じも…。

  • どんなに法を用いようとも、それを扱うのが感情を持つ人である以上、程度の差は雲泥かもしれないが、人が人を裁くというということは否定出来ないのではないだろうか。検事もまた罪深い人なのだ。息つかせぬ展開に最後まで一気読みでした。
    あらすじ(背表紙より)
    23年前の時効事件の犯行は自供したが、老夫婦刺殺事件については頑として認めない松倉。検察側の判断が逮捕見送りに決しようとする寸前、新たな証拠が発見され松倉は逮捕された。しかし、どうしても松倉の犯行と確信できない沖野は、最上と袂を分かつ決意をする。慟哭のラストが胸を締めつける感動の巨篇!

  • このミス2014年版8位。ミステリーでもあんまり取り上げられないし、現実でもあんまり何やってるの分らない検事が主役の物語。途中から話がきつすぎるのと、唐突なありえなさとで若干ページをめくる手が止まったけど、読み進めて行くうちに徐々に共感してしまい、最後には納得してしまうのが不思議。長い小説だけど前半の一部分を除いては、サクサク進む一気読み系の作品。事務官の女性の存在がきつい話の息抜きになってていい感じ。読んでるときは山本美月のイメージだったけど、映画では吉高由里子が演じるんですね。まあそんなにはずれてないかも。人物描写も物語りの展開もしっかりしてて、すごく記憶に残るお話でした。

  • 上巻は不愉快な気分になりながらイヤイヤ読んだが、下巻は引き込まれた。さすが。

    でも辛かった。
    読み進めるうちに肩入れする人物がコロコロ変わってしまって、誰が正しいのか。何が正しいのか。

    ツラくて切ない。

  • 沖野の悲痛な慟哭が今も脳裏にこびり付き、電車待ちの列に並んでいる時などふとした瞬間に思い出しては耳から離れなくなる。特に私は通学電車内で読んでいることが多かったので、ラストの情景が目に浮かびやすいからかもしれない。
    沖野の滂沱とは反対に、静かに心の深くにズンと残るものがある。それが何であるかはっきり述べることが出来るほど読み込むことができた自信はない。
    正義とは、百人いれば百通りの答えがかえってくるであろうぐらい難しいものだと改めて感じた。沖野と最上の一見相容れない互いの正義も、心の底からの信念に突き動かされているという意味では同じではないだろうか。人の心は、人が頭で考えてきた正義より何歩も何歩も先を行き、正義が心に先行することはないのではないか。いち個人のいち心があってこその正義だから、正義とは何かという答えはきっとこの先も一つにまとめられることはないと思った。

  • 雫井脩介『検察側の罪人 上』文春文庫。

    上下まとめて。

    評判の高い作品ということで大いに期待した。最初に誓っておくと、雫井脩介の作品は、ほぼ全て読んでいるので嫌いな作家ではない。寧ろ好きな作家の一人だ。

    しかし、前半のまどろっこしさと迫力に欠ける描写と、裏表紙に記載されている通りのストーリーに読んでいて嫌気がした。解るんだけど、どうにも空回りしているような…

  • 最初は正直あまり入り込めませんでした。
    でも個人的に興味があった、法曹関係者について知りたくて最後まで読んでみました。
    正直、最上さんの心情や行動には??な部分があります。
    最上さんが殺された女の子に何か特別な感情なりがあったのなら納得は出来ますが、彼のメンタルバランスはそんなことでは崩れない人なんじゃないかなと思いました。。
    今まで何千件の事件を担当してきて、きっと色々な思いを抱きながらもタフに割り切って、手を抜かずやってきた人だと思います。
    この件だけ、なぜこのように固執するのか、え、最上さんってそこまで浅はかな自己中心的考えな人なの…?と、最上さんの行動の理由付けが甘く感じました。
    逆に沖野さんの方に感情移入しました。彼の葛藤とそれに負けなかった精神力には感動しましたが、だからこその最後の虚無感、いたたまれなさ、は切なかったです。

  • 下巻も一気読み。正義とは何か?自分自身に問い続ける若手の沖野検事。壊れかけた最上検事の家庭も、徐々にお互いを理解していくが…。ラストには涙しました。ぜひ映画も観たいと思います!
    この本を読むと、大切な人と石狩鍋を食べたくなります!

  • 下巻は、スピーディー。スリリングな展開。
    ラストは切ない。
    時効もやりきれない。
    このタイトルのつけ方には疑問

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