沈黙の王 (文春文庫)

  • 16人登録
  • 3.80評価
    • (1)
    • (2)
    • (2)
    • (0)
    • (0)
  • 4レビュー
著者 : 宮城谷昌光
  • 文藝春秋 (2017年7月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908867

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

沈黙の王 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 宮城谷作品に初めてチャレンジ。

    紀元前、日本ではまだまだ国の形が定まっていなかった(あるいはまだ詳細がわからない!?)時代に、彼の大陸には既に国々があり、それを治める君主がいて、国を動かす臣下がいて…そして傾国の美女もいる…やっぱりスケールが違いました。

    地名の知識がないのと、登場人物の多さと、特に名前の漢字の呼び方の難しさで思い切り読書スピードが落ちましたが、細かいことは気にせず読む、というスタンスで、なんとか読了。

    どれも面白かったけれど、『象を森羅万象から抽き出せ』と、自身が話せなかったが故に文字を創ることを命じた高宗武帝の生い立ちを描いた「沈黙の王」、悩みながら賢人として君主を支えた「鳳凰の冠」が、特に印象に残ったかな。
    でも、どの話の登場人物も、生きる道を模索し、悩んでいるし、家族や周囲の人々(君主とか、美女!とか…)に振り回されているし、大昔の話とは思えない親しみを感じたのでした。

    それにしても、土地勘があれば、そして中国史に知見があれば、もっと面白く読めるに違いない。高校生の時に使っていた世界史資料集を発掘せねば!?

  • 1995年の作品だったんですね。

    古代中国の歴史小説。短編集。
    表題作「沈黙の王」が良かった。
    祝詞は読み上げることが出来るのに、獣の咆哮のような声しか出せない丁。
    彼に言葉が得られれば、戻って来ても良いという伝達を受け、旅に出る。
    『図書館の魔女』のマツリカとキリヒトのような、運命的な出会い。(こちらは男だが。)
    そして、文字というところに結び付く。

    他の作品には、賢婦と邪婦?が目立つ。
    主人公は男なのだけれど、必ず彼を惑わし、また導く女の存在がいる。
    ラスト「鳳凰の冠」では、母親の嫉妬心と一族を滅ぼさんとする呪いの言葉があり。
    一方、男を惑わし滅ぼすとした夏姫の娘は驚くほど清廉潔白だったり。
    パターン化されてはいるんだけど、楽しく読める。

  • 古代中国を舞台にした小説を書かれている宮城谷さんの短編集ですが、夏王朝から商王朝の話が多く、一番時代が下った話でも春秋時代という、歴史ものというより神話を元にしたフィクション性の強い作品といった方がいいでしょうか。
    馴染みのない人物と人間関係に手こずりましたが、どの話も女性の存在が大きく取り上げられてます。中でも笑わない美女・褒姒の印象が強いですね。まさに傾国の美女。彼女が笑った時には呆れましたが、当事者達の気持ちを考えるとやりきれなさも残りますね。

  • 【中国古代小説の名作、新たに】中国で初めて文字を創造した武丁を描いた表題作はじめ、夏、商(殷)、周といった古代王朝を舞台にした傑作群が大きい活字で再登場。

全4件中 1 - 4件を表示

沈黙の王 (文春文庫)はこんな本です

沈黙の王 (文春文庫)のKindle版

ツイートする