こいしいたべもの (文春文庫)

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著者 : 森下典子
  • 文藝春秋 (2017年7月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908942

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こいしいたべもの (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「いとしいたべもの」に続く、美味しいイラスト入りの、森下典子さんのエッセイ。
    この、イラストがとても好きだ。

    食べものの描写を読めば、鼻腔に香ばしい香りが流れ込み、舌の上には甘くとろける、あるいはホロホロと崩れる美味しいものが出現する。

    思い出と共に語られる味は、とくに胸がジーンとするものが多かった。
    単なる懐かしさに加えて、帰らない物への哀惜の念が込められているからだろう。
    おわりに書かれているように、平和が続くことを願ってやまない。

  • 「いとしいたべもの」の続編。著者の食べ物にまつわる思い出や体験のエッセイである。
    著者は私と同世代ということもあり、前作同様子供の頃の日常生活や家族関係等懐かしく楽しい思い出の数々に共感できた。
    しかしその中で私が一番胸打ったのは、著者自身の体験ではなく、著者の父親の戦争体験である。父親が焼きビーフンが好きだったこと、それは戦争中インドネシアで初めて食べたビーフンの味につながっていく。
    父親は直接的な戦争体験の話を娘にはしてはいない。亡くなった後、母親から聞いたという話だ。船で南方の戦場へ向かう途中アメリカの魚雷によって撃沈され、48時間海を漂ったのち九死に一生を得たという。救難船に何とか救い出されたのは体力のある者だけ、海を漂う仲間達の「おーい、おーい」という声を聞きながら、その仲間達を海に残し救助された。
    このような話は戦時中は多々あったのだろう。またそれを家族、特に子どもたちには話せないという気持ちも理解出来る。辛い経験を経て、日本へ戻り、そういう人たちが戦後日本を作り上げてきたと著者も書いている。すでに戦後70余年となり今の日本を担う世代は誰も戦争体験をしていない。しかし誰もが少し前の世代、自分につながる家族がこのような体験を経て、今の自分が存在することを改めて痛感した。

  • 母手作りの、バターがとろける甘いホットケーキ。父が大好きだった、少し焦げ目がついたビーフン。遅い青春時代に食べた、夜明けのぺヤング・・・。22品の美味しいカラーイラストエッセイ集。
    前作「いとしいたべもの」がすごく素敵だったので、新作と聞いて迷わず購入。森下さんの言葉には食べ物だけでなくその奥にある思い出や出来事に対する愛情がこもっていて、読むと自分の記憶もよみがえってほろりとします。あったかい気持ちになれる。いろんなことを知らないまま大人になっているけれど、ほんの少しのことを知って日々生きていくことが一番大事なんだろうな、丁寧に過ごしたいなと思いながらあとがきを読みました。

  • 職場の人に薦められて読んだ本。
    イラストの温かさ、上品に流れる文章が素敵だった。
    ほっこりがほしいときに読むのがいいと思う。

  • 前作が本当に楽しかったので、喜び勇んで読んだ。
    「いとしいたべもの」ほどの共感を持たなかったのは
    多分私と森下さんの、ティーンの頃の生活経験が違う
    ためで、面白かったけれど、サラリと読んだ。

    横川の釜飯は、私には小学生の頃、車で東京から
    軽井沢へ向かい、家族で別荘に着く前に頂く、
    腹ごしらえの味であり、焼きビーフンは、土曜の
    おいしいお昼ごはんだった。

    ワッフルはかつての恋人が、ここのは美味しいんだよと
    銀座で焼きたてを買ってくれて、車の中で頂いた味。

    経験が味の共感をつくるのだなということを
    教えてくれる一書であった。

    ともあれ。

    この方の視線のやわらかさ、落ち着いた筆致は
    さすがで、読んでいる間、お煎茶やほうじ茶など
    あたたかいお茶を淹れて、ゆったり読ませて頂いた。

  • 『いとしいたべもの』の続編、文庫オリジナル。家庭料理、おみやげのお菓子、身近な食べものにまつわる思い出話を集めた22篇のイラストエッセイ。淡々としているけれど、ところどころでぐっとくる。食べたかったコロッケパン、高校時代の先生を思い出させる桃まんじゅう、亡き父親を思い出させるカレーライスやビーフン…同じではなくても、似たような体験や記憶が自分にもあるような…自分だったらそのトリガーとなるたべものはなんになるだろうかと、思いを巡らしながらゆっくり味わう。

  • タレントさんが「おいしい」を連発して食べる映像にいつもうんざりしている
    これは食べ物の紹介ではなく思い出
    こころがふんわりする
    お母さまがきちんとしたものを作って育てられたのだろうなあ
    カラーイラストもやさしい
    ≪ 思い出は 一口の味 あの香り ≫

  • 「いとしいたべもの」に次ぐ思い出の食べ物について綴ったエッセイ。
    前作よりも心に響く内容が多かった。
    人間の食べ物の記憶は味だけでなく、誰とどこでいつ共有したものなんか紐付くことで強固になる。

    皆さんにもあるだろう、忘れられない食べ物の記憶が。それは誰とどこで食べたものなのかはっきりと覚えているはずだ。そのことをより強く引き出してくれる面白いエッセイだった。

  • 『いとしいたべもの』続編。
    相変わらず実に美味しそうに、そして涼やかに文章を綴る方である。
    「コロッケパンは自由の味」など共感の一語。
    白玉クリームあんみつにペヤング、芋きん、鳩サブレから桜餅。ああ、どれもどんどん食べたくなってしまう……

  • 食べものに記憶が呼び起こされる、その度にキュッと締め付けられるような、ぽぅっと暖まるような気持ちになる。
    もう二度と会う事はない、と感じる瞬間は増えてきたけど、たまに思い出せれば。

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こいしいたべもの (文春文庫)の作品紹介

前作『いとしいたべもの』が好評で重版を重ねている中で、待望の続編の刊行です!母手作りの、バターがとろける甘いホットケーキ。父が大好きだった、少し焦げ目がついたビーフン。遅い青春時代に食べた、夜明けのぺヤング……。味の記憶をたどると、眠っていた思い出の扉が開き、胸いっぱいになった事はありませんか? 150篇のエッセイの中から22篇を厳選し、丁寧に推敲を重ね大幅に加筆修正した珠玉のエッセイを収録。著者自ら描いたイラストも、繊細なタッチの優しい絵で評判を呼んでいます。ほっこり、じんわりするカラーイラストエッセイ集です。

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