- Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167909178
感想・レビュー・書評
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痛快さ。曲がらず、実直に仕事に尽くす。時に煙たがられることもある。それでも、何のための仕事なのか。誰のための仕事なのか。原点に返って、自らに問い、こたえをさがす。
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R1.10.13 読了。
半沢直樹は巨大航空会社の担当に。今度の敵は政治家、国交大臣、謎の再建弁護士、さらに銀行内部の旧T派の行員などなど。今回も半沢直樹の奮闘ぶり、同期入行組の友情、心強い上司達と未曾有の問題に立ち向かっていく。
中野渡頭取、検査部の富岡部長代理がかっこよくて、こんな人たちと一緒に仕事できたらなあって、うらやましく思いました。今回もやはり文句なく面白かった。
次回作も期待したい。
・「波風を立てず、長いものには巻かれろのことわざ通りに振る舞ったに違いない。だが、半沢はそうはしなかった。結論ありきの検討ではなく、白紙から検討を重ね、愚直なほど真っ直ぐに、唯一正しいと信じられる結論を導き出したのだ。」
・「たとえ相手が政治家だろうと、関係ない。この際、きっちり片を付けてやる。やられたら、倍返しだ。」
・「つまり自然の流れってものがある。因果応報が世の中の理だ。であれば、それに従うのが1番楽なんじゃないですか。欲を捨てれば、真実が見えてくる。たとえばオレみたいにね。悪いものは悪い。いいものはいい。要は、それだけのことなんです。」
・「物事の是非は、決断したときに決まるものではない。」
・「評価が定まるのは、常に後になってからだ。もしかしたら、間違っているかも知れない。だからこそ、いま自分が正しいと信じる選択をしなければならないと私は思う。決して後悔しないために。」 -
池井戸潤『銀翼のイカロス』文春文庫。
半沢直樹シリーズ第4作。貰い物の文庫本。シリーズの前3作は既読である。
サラリーマンたる者、上司であろうが、政治家であろうが、物怖じせず、己れの信念に従い真っ直ぐに突き進む半沢直樹のような姿に憧れるものだ。とは言うものの現実では、なかなかそうはいかず、己れの信念と現実との大きなギャップに悶々とするのだ。そんなフラストレーションを晴らしてくれるのが、半沢直樹を主人公にしたこのシリーズである。半沢直樹が小説でもテレビドラマでも支持されるのは、こういう所なのだろう。
東京中央銀行本店に復帰した半沢直樹は、頭取から破綻寸前の帝国航空の再建を任される。新政権の女性国土交通大臣、銀行上層部、帝国航空上層部と一筋縄ではいかない敵と対決する半沢直樹の運命や如何に……
今回も様々な試練に立ち向かい、痛快で見事な決着を見せてくれた半沢直樹。世の中、こういう男ばかりなら、さぞや良い社会になるだろう。
本体価格760円
★★★★★ -
銀翼のイカロス 池井戸潤さん
A.概要
半沢シリーズの最終章。
イカロスはギリシア神話の登場人物。
飛翔能力を過信して自ら命を落とした青年である。
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B.登場人物
この小説には、
1.銀行員
2.航空会社
3.政治家
4.弁護士
5.官僚
の大きく 5種の登場人物がでてくる。
いずれも共通しているのは、本人を動かしている「動機」(コア)が明確なことである。
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C.仕事の裏側/動機、コア
このコアは、
①幼少期をはじめとした自身の原体験
②上司をはじめとした外部から影響受けた原体験
がベースとなっている。
小説では、この原体験と動機/コアが5種の登場人物ごとに丁寧に描かれている。
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D.半沢直樹シリーズから見える仕事術
1.動機→2.環境認識→3.行動→4.結果○、×。
主人公の半沢は、このサイクルを確実に回している。
そして、4.で×ダメならば、次どうする?のリサイクルも回している。
一方で、自身の能力を過信した場合、2.で誤り、さらに3.で他人任せ、または半端、そして4.でバイアスがかり、なんとかなるだろう、、、のサイクルも存在する。
タイトルのイカロスのとおり、このタイプが登場することも見逃せない。
能力を、己を知る。
知るために、勉強して足らないをわかる。
そんなことを感じる読書感となった。
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やっぱり半沢直樹は最高。タスクフォース。JAL再建を思い出します。
こちらも面白いが、TVになるとやっぱり面白さは倍増する。脚色強かったけど。 -
ちょっとお勉強チックなビジネス書や堅い本を読むことが多かったので、
リフレッシュしたくて手に取りました。
安定の池井戸さん。
人気の半沢シリーズ第四弾。
今回のテーマは、JALの再生を元ネタとする企業再生モノ。
悪役が社外・社内で蠢き、半沢と対決します。
色々と苦労するのですが、最後は正義が勝っちゃうという
お決まりのパターンは安心感があります。
読者もそれが分かっているので、
いかに読者に「いくら何でも、今回の半沢は厳しそうだ…」と
思わせるかが著者の見せ所なのですが、
池井戸さんはこの難しいお題をしっかりこなしてくれます。
個人的に勉強になったのは、
今回は政治家も悪役として登場し、
半沢と対決するのですが、
政治家の視点をこの小説を通じて、
疑似体験できたということでしょうか。
この小説をきっかけに、実際のJALの再生にも興味が出てきました。
こっちも合わせて読むと、池井戸さんの小説の奥深さが
多面的に理解できそうな気がします。
まぁ、そんな小賢しいことを考える必要もなく、
面白い小説は、面白い、以上(で、よいと思います)。
■半沢シリーズ
・オレたちバブル入行組
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167728028#comment
・オレたち花のバブル組
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167728044#comment
・ロスジェネの逆襲
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167904381#comment
・半沢直樹 アルルカンと道化師
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4065330718#comment -
半沢シリーズ4巻、政治家の動向が今注目されている中での本当に正しいことをする大振る舞いが痛快でした。世の中で悪いとされていることを解釈を変えて、「世のため人のため」にを思ってしまう人は小説以外にも存在すると思う。 権力を手に入れた人は手放したくないための行動ってこうゆうふうに見えるのかと考えるとテレビで見る政治家が、、、そうでない政治家を応援しよう
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池井戸潤の半沢直樹シリーズ第4作目。前作の「ロスジェネの逆襲」と同様に期待通りの作品で、これも一気に読み終えました。
今回は前作で証券子会社に出向していた半沢が前作における功績で銀行本体(東京中央銀行)に戻っていて、営業部次長として破綻しかけている日本を代表する元国営の航空会社を再生させる物語。
時代は政治的に政権交代のあった時代で、新政権の国交省女性大臣がパフォーマンスで半沢の前に立ちはだかる。立ちはだかる敵はそれだけではなく、そのタスクフォースの弁護士、金融庁の検査官、そして同じ銀行の中にも敵がいる。
銀行の中の敵の親分に当たるのが紀本という常務なのだが、この「銀翼のイカロス」の後に刊行された「花咲舞が黙ってない」に登場する人物と比較すると、より興味深く面白い。後に刊行されたのに時代設定は半沢直樹シリーズより前の設定で、合併前の銀行が舞台になっている。
紀本という常務、合併前の銀行(東京第一銀行)の企画部長だった。その時に合併する相手方銀行(産業中央銀行)の企画部調査役だったのが半沢で、企画部長の中野渡が合併後の現在の頭取。今回の銀行内部の確執は合併前から起きていたのがわかる。
そして今作品の実在するモデルを思い浮かべると航空会社は日本航空、新政権は民主党になるが、実際には確か京セラの稲盛和夫が会長として日本航空に入り1年で再生させたと記憶している。この時は倒産したあと会社更生法の下での再生なので、半沢が銀行主体で債権放棄をせずに再生させる今回の物語は全く別の物語になっている。
そして半沢が次から次へと敵をなぎ倒していくのがいつものことながらスカッとするのである。続編がまだみたいだが、待ち遠しい。 -
今回も爽快感のある展開で気持ち良く読了した。
前3作品よりも格段に相手方の嫌な部分が強調されており、前半は心底不快に感じたが終盤はその反動は大きくスッキリ出きるものだった。
現実の出来事とリンクしていることもあり、政治体制をウィットに富んだ描写で書かれていたことも作品にのめり込む重要な要素となっていると感じられた。 -
半沢直樹シリーズ、第4弾。
私事をひとつ。
文庫本+ブックカバー派の私。
単独レザーを使用したかったのだが、厚みの関係で却下。
依って、ブックキャリーを使用。(Makuake)
さて、本題。
今回は、政治とカネ絡みのストーリー。
理不尽なヤツを期待通りに捻じ伏せてくれた。
スカッとするね〜
私もスカッと出来る人間になりたい。
そして、続いて欲しい「半沢直樹」続編希望。
‘19.11.09読書完了 -
半沢直樹シリーズの第4作。
進政党が政権交代に際し、前政権である憲民党との差別化を急いで図るべく、帝国航空の救済方法を巡って債権者である銀行に債権放棄を求め対立するという、元銀行員の作者の経験が遺憾なく発揮されているストーリー設定。
少々主人公の半沢直樹が格好良すぎるのが少々気になるが、面白かったので良しとする。半沢派の正義の味方と、悪役のキャラクター設定。実在の政党、元大臣を容易に彷彿させる設定もわかりやすく、読みやすい。 -
久しぶりに読む半沢直樹シリーズ。
相変わらず、かっこよすぎる~(*^-^*)
相手が巨大組織であろうと大物政治家であろうと、理不尽な圧力には一切屈することなく信念を貫く姿勢は、いつ読んでもスカッとする。
今回は半沢個人を攻撃し陥れようとする悪者は特に登場しない分安心して読めたが、私利私欲に駆られ、自身の立場を忘れてなりふり構わない輩、臭いものに蓋をしようとする輩はいつの時代にも変わらず存在するものだ。混沌とした不安定な現在の世の中、将来が読めず不安ばかりが募るが、この本が心の活性剤となり、頑張って生きていこうと思わせてくれているのは確かだ。
とにかく今は、ドラマ化が楽しみです。 -
評価で感想ではないかもしれないが、自分の記憶のために。
実際にあった事件の裏を見させてくれたのはすごい勉強になったし、政治家のイメージ戦略と銀行の闇と銀行のシステムを学べた。ただの、「倍返しだ!!」のフレーズではなくて、行員の本質を問うような半蔵さんの信念とその生き方。なんかあっぱれだし、こんな感じの仕事がしたくなるね!笑
でも!忘れられないのは、富岡さんの存在と半沢さんがその富岡さんに対しての意見だな。「一流のバンカーであったことは間違いない。世間に知られることなく、ひっそり銀行を去ろうとも、この男が生きてきた道のりは尊く、そして光り輝いてる。そのことを半沢は知っている。」スポットライトが当たらない人への敬意を感じる。 -
久しぶりに読み直しです。
池井戸作品は最高。
半沢直樹にしびれます。
詠み始めたら止まらない。
もっとシリーズ化してほしいと思える作品です。 -
いやー、スカッとした!!今回は半沢が同じ相手を二度論破しますからね。最高ですね。
相手が有力政治家だろうと大臣だろうと弁護士だろうと関係ない、やられたらやり返す。不正は許さない。最高ですね。
今回は政治家も敵だし相変わらず内部にも敵がいますが全員こてんぱんにしてくれます毎度のごとく。楽しんで読めるので皆様是非 -
文庫になるのを待っていた。半沢ブームも少し落ち着いたかな。
一気に読めた。面白かった。貸していた企業だけでなく、内部でのいざこざ、果ては政治まで関わってスケールの大きい、それでして爽快な話だった。 -
半沢直樹シリーズの第四作。半沢節炸裂の傑作。政治家との駆け引きにも全く動じない半沢は本当のヒーロー像を体現している。サラリーマンの憧れであり、自分もこうありたいと思うけれども、実際にこんなことできるサラリーマンはいないよねえ。久々に胸がスカッとする小説。
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半沢直樹、ドラマスタートで一気読み
やっぱり面白い、痛快。仕事に立ち向かうパワーをもらうね。うーむ、さすが頭取かっこいい。