ずっとあなたが好きでした (文春文庫 う 20-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (669ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167909741

感想・レビュー・書評

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  • 主に恋心を綴った短編集。と見せかけて……

    話自体はどれもそんなに面白い訳ではないと思う。
    サスペンス仕立てだったり、ジュブナイルだったり、どんでん返し有りーのと多彩で作者の力量が感じられる。
    所々で見た事ある名前が出てきたりするので、何となく察してはいた。


    それにしても、主人公の節制の無い女好きには呆れてしまった(笑)どんなに振られても、別れても、めげない生きる力とか……
    そんな彼でも自殺を望んだり、底辺の生活をしてアル中になったりと色々な人生のターンを経験して来たのかぁ?

    これを思いついた作者は密かにほくそ笑んだのかな。しかし発表媒体を見るとあちこち変わったりしているので、イマイチ仕掛けに気がつく人が居なかったのかも?
    説明っぽく書かれている「錦の袋はタイムカプセル」が書き下ろしとなっていたので、そんな事を想像して楽しませてもらった。

  • おそらく、「葉桜〜」を読んでから、
    この本を読んだ人が多いでしょう。

    これ、「葉桜〜」じゃなくて
    先にこっち読んだら
    違った驚きと感想だったと思います!

    けど、それでも面白かったかな。
    頭の中で、あの時のあれがこれだった...
    などと振り返って楽しんでます!笑

  • 表題作含む13作品。669ページ
    男目線の恋模様そこにミステリーが加わり
    そしてそれだけではなく・・・
    書きたいけど我慢します
    最後の大矢博子の解説もよかったです
    帯の二度読み必至、三度読み推奨というのも
    読んだらうなずけました
    歌野晶午すごい!

  • まさにまさに、ずっとあなたが好きでした。あなたという様々な女の人が、好きでした。こういう感じ、やっぱり好き。

  • 13編の恋愛モノ。
    けれどこれ、歌野晶午さんなんで。
    ただの恋愛モノのわけないじゃん!何が待ってるんだろ!と、注意深く読んだ。
    でもやっぱり最後まで気付けなかった…。これは分かんないわ。すごい。でも、私は最近ただの恋愛モノを読むのがあまり面白いと思えなくて、歌野さんの叙述トリックだから読んだけど、13編は少々長かったかな。

  • 正確に書くと星3.4。
    短編集で、どんでん返しとはいかないまでも最後にビックリの仕掛けがあった。
    短編集の内容は恋愛に絡んだものだった。

  • 結構分厚い本。なんの前情報もなく読んだのが幸いした。もしこれから読もうと思ってる人がいるなら是非、このタイトルをネットで検索するのは読み終わってからにして欲しい。

    最初の話はとても短い。最後の1行で「あらー」ってなる。軽い感じのこういう話が続いていくんだろうなと思わせる。恋愛的星新一みたいな感じなのだろうかと想像しながら読む。
    でも違う。
    『舞姫』は中でも比較的長い話で、その中で起こる殺人事件がメインのように見えて実は違う。最後の1行で「おぉー」ってなる。こんな話も入ってるのか、バラエティに富んだ短編集だなと思う。
    でも違う。


    13個の色とりどりの積み木。積み重ねて、ガッシャンガラガラ〜ってなる感覚。楽しい。

  • 恋愛の短編集だと思って読み始めて、最後のネタバラシで全てが繋がってそういうこと!と納得しながら読みました。1回だけでなく2回3回読んで色んな伏線に気づくことが出来るんだろうなと思います。

    最後の1行でオチをつけてきたり、色んな意味で裏切られることが多くてとてもワクワクしました。

    全てのことが繋がると主人公はどうしようもなく惚れっぽいし女が好きな体質なんだなと呆れてクスッと笑ってしまうようなキャラクターでいいなぁと思いました。

    個人的に好きだったのは「別れの刃」と「まどろみ」かなあと思います。秘密の関係っぽくて優越感に浸っていたところからフラれて刺されるところまでのちょっとずつ不穏な空気になっていって最後に衝撃が来る感じや、なんでもない日常に幸せを感じながらも今後のことについての不安があり、しかしなんとなく焦りながらも怠惰に過ごしてしまう感じの雰囲気が好きだと感じました。

    これから時系列順に2回目を読んで伏線を見つけていきたいと思います。

  • 大好きな歌野晶午さんの作品。

    読み始め、面白いんだけどなんだか普通の物語が続く。かと思いきや、やっぱりそれだけではなかった。もちろん最後の解説から読んだのだが、そこにはこれ以上読むとネタバレなので本書を読んだ後に…と注意書きがあったにもかかわらず、ページを捲ってしまうのが私の性分。3行ほどですぐに後悔する羽目になった。だがそれでも面白く読めてしまう歌野さんの筆力たるや。ネタバレがいつくるのかとワクワクするのもスパイスの一つ。分かっていながら読んだのにもう一度読み返してしまう。ページ数が多いけどサクサク読めてしまう。

    好色一代男、を読みたくなった。


  • ……ブウウーーーーーーーーンンンーーーーンンン……
    こんな蜜蜂の唸るような音をききながら
    この本を開いたことを思い出す。

    歌野晶午といえば葉桜。
    今作もそれに通ずなぁと感じた。
    なかなか分厚いのであるが
    短編集であるが故
    サクサクと読める。
    短編集が苦手とか言われれば
    それまでなのだが。

    様々な年代、シチュエーションでの
    一癖ある恋愛物語。
    次に体験するのは貴方かもしれません。

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著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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