惑いの森 (文春文庫)

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著者 : 中村文則
  • 文藝春秋 (2018年1月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167909987

惑いの森 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 二週間に一話はハイペースだけど、この一冊におよそ一年の時間がそのまま流れているわけで、そう考えると面白い。

    あとがきにあるように、ファンの方が持ち歩きたい作品と言うのは分かる気がした。
    (『銃』やら『遮光』やら、中村文則のカバンに潜めるシリーズは不穏だけど、笑)

    「タクシードライバー」という、冒頭の話が、とても良かった。
    同じ時間に、同じことをしなければならない、そんな制約がどんどん強まっていく男。
    同じ時間に、同じバーに来て、同じタイミングで飲み始め、飲み終える。
    それさえ怖くなって店長には時報を流しておいてもらう。

    自分は繰り返しだけをひたすら願うのに、周囲の無遠慮な変化はそれを赦してくれない。
    同じ時間、同じバーにあるはずの席が、その日混雑していて、なくなっていた。

    人であろうとするから、制約が付いてくる。
    だけど、人であったから、救われることもある。
    途中から自分の中の強迫観念のようなものに触れていることに気付きながら、結末に、私が救われた。


    「宗教や神話にあるヘブンとは、本当は、あの世のことではないのだから。ひとが世紀を跨ぎながら創り上げていく、その先に実在する世界のことだから」

  • 2010〜2011年Web連載+書き下ろしの50篇の掌編集。中村作品にはないトーンのものや長編で見られる世界の断片が現れている。作品のアイデアスケッチのような趣きがある。‬

  • 物語の欠片を集めたような、50篇からなる掌編集。
    石ころのような印象は拭えないが、これを研いでいくことで作品ができていくのだろうなあ、と思った。

    松倉香子さんの挿絵が少し不気味で、柔らかくて素敵だった

  • 中村文則『惑いの森』文春文庫。

    著者初となる掌編集。まるで全てに達観したかのような小ずるさを感じる寓話めいた作品ばかりが並ぶ。何ら腹の足しにもならない50編を収録。中村文則の作品がつまらなくなったのは何時からなのだろう。エセ文化人ヅラした芸能人がテレビで絶賛していた『教団X』が決定打になったのは事実だ。

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惑いの森 (文春文庫)の作品紹介

毎夜、午前一時にバーに現われる男。書かれなかったはずの手紙を、たったひとり受け留め続ける郵便局員。植物になって生き直したいと願う青年――これ以上なく愛おしき人々の、めくるめく毎日が連鎖していく。『教団X』『去年の冬、きみと別れ』『R帝国』など、話題作をぞくぞく放ち、世界中で翻訳される作家の、狂気とユーモア、愉悦、すべてが詰め込まれた魔性の50ストーリーズ。

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