教師のための「教える技術」

著者 :
  • 明治図書出版
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784181192136

作品紹介・あらすじ

プロとしての教え方を究める教える技術。インストラクショナルデザインが拓く授業デザイン力。アドラー心理学に基づくクラス運営力。教師力=3つの能力!

感想・レビュー・書評

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  • この本は,主として学校の先生を対象として,「教える技術」「授業デザイン力」「クラス運営力」についてまとめた書籍である。

    上記したように,その構造がはっきりしている。ゆえにシンプルで非常にわかりやすい,というのが本書の最大の特徴であり,教え方をまず学ぶのにはうってつけだと思う。しかしながらそれでいて,幅広さもある。これは教育工学におけるインストラクショナル・デザインだけではなく,心理学にも精通された著者だからこそまとめられるものである。

    インストラクショナル・デザインについては,自分も他の書籍で関わっているので,講義に取り入れるときはその枠組を利用しているが,ティームティーチングで心理学の先生に関わりながら実施する際には特に有用だと思った。

  • 教える技術というと、わかりやすい伝え方のようなイメージだが、実際の内容は違う。
    実際の教える技術は、いかに「やってみたい」「できるかもしれない(できそう)」「もっと試してみたい」と思わせることができるかにかかっているという話になっている。これは実際に子どもと接していても、自分を高めるときでも使えることで、とても納得できる。
    「やってみたい」は好奇心や関係づけに関すること。
    「できるかもしれない」は自己効力感や計画を立てる技術に関すること。
    「もっと試してみたい」はふりかえりに関すること。
    授業を組み立てる上ではどれも重要になる。知っておいて損はない内容だった。

  • 子どもに興味を持たせ、学ぶ意味を理解させ、スモールステップで教えれば、というARCSモデル。しかし、IDが具体的に提示する教え方はどれも微妙なものばかり。漢字書き取りをしない子にあんな方法で対処できるなら、誰も苦労しない。それが出来ないから、無力感でつい叱ってしまうのだし。全ての子供が合理的に行動するならIDは万能だ。しかし、そうでない以上、IDの学習者検証の原則(全て教師が悪い)は教師を追い詰めるだけだろう。

  • 375

  • 授業の基本を確認できる本だと感じた。専門的なワードが多く出てくる。覚える必要はないと思うが、その1つ1つと自らの授業、考え、学級経営を結びつけながら読むことができた。

    『ロケットモデル』など授業改善点と子供の反応について結びつけている点が良い。このポイントを改めれば解決するとは一概にいえないが、改善するための視点の置き方を示してくれているため、改善の近道となると感じた。

    大村はまが『教えるということ』で述べているものに近い内容が出てきた。そちらも読み返してみたい。

  • 「教えること」を教える先生が書いた ―
    http://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-119213-6

  • いやー素晴らしい。読みながらノートにメモを取る手が止まらない。ガニエの9教授事象やアドラー心理学は決して真新しい情報ではないものの、教授法において普遍的であるようにすら感じる。この本こそ教育工学のインストラクショナルデザインに近い存在だと思った。運動技能、知識獲得機能、問題解決技能、学習方略技能、態度技能の5つは目からウロコ。抽象と具体を行ったり来たりする幅が広い人は頭がいいと何かの本で読んだことがあるが、この本は教育理念と教育工学を行ったり来たりしているため、本当に分かりやすい。知識獲得機能のことば、イメージ化ってこういうことなんだろうなー。勉強になった。

  • いちばんやさしい教える技術をさらに深めたもの。
    教師のタイプの話
    7割を求める話
    やっぱり成長マインドセット
    クラス会議のわかりやすいイントロ
    学級崩壊の始まりは承認欲求をうまく満たせなかったこと
    ロケットモデルで振り返り
    arcsモデルbyジョンケラー
    ガニエの9教授事象
    待つことは信頼の証
    自発性のパラドックス
    やることの意味がわからないor
    できなそうだからと恐れている(勇気なし
    学習方略

  • 教える技術が体系的に整理されています。
    教える内容に従い、5つに分け、それぞれに合った教え方について、書かれています。
    入門書のようなものなので、簡単に書かれていますが、よく分かり、すぐに実践できそうです。
    インストラクショナル・デザインの入門書、実践書として最適です。

  • 前著(いちばんやさしい教える技術)より内容が多く,教師(教える職業の人)向けに集団の運営についてアドラー心理学に基づいた話題も含まれている。この本を手がかりに専門的知識を獲得していって欲しい。

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著者プロフィール

向後 千春(こうご・ちはる)
1958年生まれ。早稲田大学人間科学学術院教授。博士(教育学)(東京学芸大学)。
専門は教育工学(特に,eラーニング,インストラクショナルデザイン),教育心理学(特に,教授法,生涯学習,作文教育),アドラー心理学(その実践と実証研究)。
著書に『人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ』『アドラー“実践”講義』(技術評論社, 2016, 2014),『コミックでわかるアドラー心理学』(中経出版, 2014),『上手な教え方の教科書 入門インストラクショナルデザイン』(技術評論社, 2015),『教師のための教える技術』(明治図書出版, 2014),『200字の法則 伝わる文章を書く技術』『いちばんやさしい教える技術』(永岡書店, 2014, 2012),『統計学がわかる』『統計学がわかる【回帰分析・因子分析編】』(技術評論社, 2007, 2008)など。

「2016年 『18歳からの「大人の学び」基礎講座』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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