チャイナ・ドリーム: 中国夢幻譚

著者 : 田中芳樹

• 徳間書店 (1992年9月1日発売)

感想・レビュー・書評

[tanaka9999さんの感想 · 2022年3月12日]

1992年第一刷、徳間書店の単行本。4編。田中芳樹『寒泉亭の殺人』田中さんらしくない、と言ったらよく読んでいる人からするとそんなことないのかもしれないが。でもこのような短編はイメージがないかな。どちらかいえば陳舜臣さん風とでもいうのだろうか。赤坂好美『天馬千里行』玄奘が西に向かって出国する部分を描いているのだが、実際もそれぐらいの意志を強く持った人だったかもしれないが、もうちょっとだらしない部分があった方がいいなぁ。希望的観測かもしれないが。

収録作：『寒泉亭の殺人』田中芳樹、『壺中夢記』狩野あざみ、『魔月秘伝』井上祐美子、『天馬千里行』赤坂好美、

初出？（本文前の説明文の要約）：「寒泉亭の殺人」1975年学習院大学輔仁会雑誌196号「第四回輔仁会雑誌賞」入選作、「壺中夢記」1990年同人誌、「魔月秘伝」1988年未発表作、「天馬千里行」書下ろし作品、

著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞（日本長編部門）を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」