世阿弥殺人事件 (TOKUMA NOVELS)

著者 : 皆川博子

• 徳間書店 (1986年3月1日発売)

感想・レビュー・書評

[xmayumixさんの感想 · 2009年11月10日]

　「世阿弥を歩く会」のツアーに参加した大学生が、殺人事件に巻き込まれる。
　これがねぇ、「死の泉」の同じ皆川さんかと疑いたくなるほど、つまらん。
　世阿弥の話のあたりは、興味深かったし、兄弟の確執も中々繊細でよかったんだけど、主人公がいけません。ちっとも、魅力的じゃない。殺人事件に遭遇して、怖くて逃げ出したりする、なんて平凡な人っていうのを描きたかったのかもしれないけど、平凡な割りに小ずるい。
　主人公をツア－に引っ張り込む、女の子を主人公にした方が面白かったのにな。

[sanaweさんの感想 · 2007年3月2日]

2005.1.30

著者プロフィール

皆川博子（みながわ・ひろこ）
1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ、幻想小説、歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、『恋紅』で第95回直木賞を、『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、『死の泉』で第32回吉川英治文学賞を、『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』で第12回本格ミステリ大賞を受賞。2013年にはその功績を認められ、第16回日本ミステリー文学大賞に輝き、2015年には文化功労者に選出されるなど、第一線で活躍し続けている。

「2023年 『天涯図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」