風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」

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  • 徳間書店 (2003年10月31日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (1116ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784192100106

感想・レビュー・書評

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  • 「火の7日間」とよばれる戦争によって、巨大文明が崩壊してから千年。荒れた大地に腐海という死の森が広がっていた。主人公・ナウシカのいる風の谷が、恐ろしい巨神兵を使い腐海を焼き払おうとするクシャナたちに侵略された。腐海の森と共に生きようとするナウシカと、腐海を焼き払おうとする人々。だが、その腐海には、秘密があって……。 月刊アニメージュに掲載された、映画『風の谷のナウシカ』の原作コミックス。 映画のもとになったストーリーは、このコミックスのおよそ2巻目まで。原作では、映画では語られなかったナウシカの活躍を知ることができます。宮崎駿が描く独特の世界が広がる、何度読んでも感動する超大作!
    「徳間書店」内容紹介より

    土の大切さを表現するのに、ラピュタを引き合いに出す人が多い気がするけど、実はこっちの方が土の大切さを語っていると思う.
    ただ、浄化すればいいんじゃない.純粋にきれいな状態にするのがいいんじゃない.光も闇も両方を内包するから美しいんだ.
    映画もとてもいいけど、原作7巻はもっと深くていい.

  • 宮崎駿映画の中で一番好きな作品は「ナウシカ」
    と言っていたら、ある方に原作を勧められて読んでみた

    なんと!映画はほんの一部だったのか…
    原作は深い!!深すぎる!!
    こんな壮大な物語だったとは全然知らなかった~

    1巻読むごとに胸が震えた
    王蟲と人類とかじゃないじゃないの~
    もう後半は地球、森羅万象!
    (すみません。もう意味不明になってます)

    ラストは予想もつかない方向へ…
    巨神兵!?
    墓!?
    封印!?
    審判者!?
    もうどうなっちゃうの~!

    あまりのことに7巻を何度も読み返してしまった
    深すぎて理解が…追いつかなくなってきた…

    いや~そりゃ1巻だけ映画化でよかったのかもよ
    後半は壮大すぎて…

    こりゃ何度も読み返すべき作品だわい…。

  • 原作は映画とは比べ物にならないくらい壮大な話です
    自分たちの世界の未来なんじゃないかと思うくらい通じる部分があると思います
    人間はこの世界において一番愚かな存在で必要ない存在なんじゃないか…
    とても深い作品です。必読デス

  • 実は途中までしか読んでない。思い切って購入しようと考えている。。。

    風の谷のナウシカ 全7巻函入りセット - 徳間書店
    https://www.tokuma.jp/book/b504001.html

  • 宮崎駿による全7巻のコミックス。月刊アニメージュに1982-1994年に連載され、単行本化された。
    スタジオジブリにより映画化もされているが、1984年のことであり、つまりは物語の序盤のみをまとめたものとなっている。単行本の2巻までにあたる部分である。
    昨年、新作歌舞伎として上演されており、こちらは7巻までの内容を含めた形となっている。
    原作は単行本刊行当時に読んでいたのだが、歌舞伎バージョンをディレイビューイング(中継録画映像)で見たのをきっかけに読み直してみた。

    宮崎の画力は感じさせるが、全般に線は荒い。描きたい内容に筆が追い付いていない感じもする。

    物語は近(?)未来で、「火の七日間」と呼ばれる最終戦争で焼き尽くされた後の世界を描く。
    大地の大部分は「腐海」と称される菌の森に覆われ、そこには巨大な蟲たちが住む。森が発する「瘴気」は人間には猛毒で、人々はマスクが手放せない。わずかに残された土地にへばりつくように暮らしているが、なお争いは止まず、庶民は悪政に苦しむ。そんなたそがれの時代の物語である。
    近未来でありながら、人々の間には古い伝承も語り継がれ、どこか神話的な味わいもあるのも本作の特徴だろう。

    辺境の小国にナウシカという少女が住む。彼女は蟲と心を通わせ、翼の形のメーヴェという乗り物で風に乗って飛ぶすべも身につけている。
    ナウシカはギリシャの叙事詩『オデュッセイア』に出てくる王女の名ナウシカアから採られている。ナウシカアは遭難した英雄オデュッセウスを助けてやる。そして彼に恋をするのだが、その出自を知り、涙を呑んで故郷へと送り返す。ただ、宮崎がこの王女に魅かれたのはそうした悲恋の部分よりも、彼女が「竪琴と歌を愛し、自然とたわむれることを喜ぶすぐれた感受性の持主」とされていたことによる。これと、『堤中納言物語』の虫愛ずる姫が組み合わされて生まれたのがナウシカである。

    世界は終末の予感に満ちている。そもそも腐海が広がり続ければ人類に生き残るすべはない。それなのに大国同士の争いは繰り返され、多くの人々が命を落とす。
    「風の谷」も大国トルメキアの召集を受け、否応なしに争いに巻き込まれていく。
    ナウシカは病に伏せる父の代わりに戦地に赴く。
    トルメキアの第四皇女クシャナは、無能な兄たちとは対照的に、頭もよく兵からの信頼も厚い。非情な采配振りから「白い魔女」とも恐れられる。が、彼女には非情にならざるをえない悲しい過去があった。ナウシカに魅かれ、徐々に心を開くようになる。

    ナウシカは蟲の王、王蟲(オウム)と心を通わせるうち、世界の破滅を導く「大海嘯」がやってくることを察知する。争いのただ中で、大海嘯を何とか止めようとするナウシカは、さらに世界の秘密を知ることになる。
    彼女は心優しくもあるが、一方で猛々しくもなりうる。登場人物の1人が称するように「破壊と慈悲の混沌」なのである。そのことが終盤の彼女の決断につながっていく。

    トルメキアに滅ぼされた小国の王子アスベル、ナウシカの師である剣士ユパ、青いいくつもの目を持つ堂々とした巨大な王蟲、人には慣れないはずがナウシカにはなつくキツネザルのテト、蟲を操って生計を立てるが人々からは忌み嫌われる蟲使いたち、トルメキアと闘う土鬼(ドルク)のマニ族を統べる僧正、人を乗せるトリウマのカイとクイ、失われた国の王家の子孫であるチクク、「火の七日間」を生んだ伝説の兵器・巨神兵と、登場人物も多彩で物語を牽引する。
    最後まで読むと勢いにのまれ、一応納得させられてしまう迫力もある。
    だが、一方で、どこか釈然としないものも残るのだ。

    物語の結論は、おそらく文明批判なのだろう。
    人知がすべてをコントロールしようとすることの傲慢さ、すべてが予知できると考えることの不遜さを、おそらくはこの物語は糾弾しようとしているのだろう。
    人間にはさまざま欠点があり、前述の点も欠点の1つではあるのだろう。けれどもそれが人間の一番の瑕疵か、そして世界を滅ぼすほどの過ちかというのが私には今一つよくわからない。もしも人がそれほど賢かったならば、本当に世界は焼き尽くされていたのだろうか。
    少女・ナウシカが世界を救うほどの力を持つのかという点も納得しきれないものが残る。彼女の判断は、結局のところ、人為性を排して、偶然に賭けるということなのではないか。
    一個人の「感性」に依って成り立つ世界は、果たして盤石なものとなりうるのか。

    清浄と汚濁。それを人が判断することはあるいは不遜なことなのかもしれない。
    全般には、暴力的だが魅力的なディストピア物語といえるようにも思うのだが、この物語を額面通りに受け止めてよいものかどうか、よくわからずにいる。

  • 深い、、、深すぎる
    こんなに続きがあったなんて、出会えてよかった
    面白すぎてどんどん読み進んだ

    映画公開が36年前
    原作最終回が26年前

    初めて映画を観た時は、まだ保育園児だった
    ジブリ映画の中では、今でもナウシカが1番好き

    そして2020年のこのコロナ禍の中、とても現在に通ずるものがたくさんある
    こんなに昔の作品なのにね

    「毒と共に生きる」
    先日行った横浜トリエンナーレでもテーマにしていた
    行く末は1000年後のナウシカの世界か...?

    ・マスクをしないと生活できない
    ・ウイルス(胞子)が人類にとって毒だとすれば、人類そのものが地球にとって毒
    ・その毒から薬が作られる
    ・先日原爆の日、人類が生み出した毒(核や汚染された化学部質)によって、自ら種の存続を脅かしている
    ・もうすぐ終戦記念日、人類同士争ってる場合ではないのに、いまだ戦争がなくならない
    ・環境破壊による異常気象がこのまま続けば(腐海にのまれ)、地球は人間が住めない星になってしまう
    ・そのためSDGsや、ワクチン開発が叫ばれているが、利権(王権争い)が複雑に絡んでいる
    ・日本は(風の谷もトルメキアも)人口が減っている。特に子供が増えない、産まれない(生きられない)。
    ・種の存続(日本の人口減=国力低下)がかかっている場合、子供を産み育てられる年齢の女性が最優先(なのにそれが不可能な社会構造)
    ・民族の違いによる人種差別もまだまだ無くなっていない
    ・巨神兵の知能発達のスピードはまるでAI

    映画のように、最後はナウシカは風の谷に帰るんだと思ってた。愚かな戦争によって、たくさんの尊い命が失われた。誰よりも生き物の命を慈しんできたナウシカは女神ではなく、全ての生命、人工物を自らの手で破壊した滅亡の象徴だった。

    あらゆるものを一掃し、完全にリセット出来たら失敗など起こらないのだろう。でもそれが人間らしさ。このどうしようもない人類の素晴らしさも醜さも全て含めて、愛すべき存在として宮崎駿さんは描かれたのではないだろうか。

    どハマりし過ぎてるので、この辺にしときます(笑)

  • 東宝の「一生に一度は、映画館でジブリを。」キャンペーンのおかげで、映画館の大画面で見ることができたナウシカ。

    最近の、CGの技術が駆使され緻密できれいで滑らかに動くアニメに比べると、さすがに40年前の映画の画像はレトロではあるけれど、でも、物語が持つ迫力と強いメッセージは、その後のジブリアニメでも到底追いつかない、すごい映画だと改めて思いました。セリフも音楽もすっかり覚えてしまうくらい何度も見ているのにやっぱり感動。

    というわけで、この機会に改めて重いテーマの原作本に触れたくなって、本棚の奥に大事にしまい込んであった7冊をン十年ぶり?にひも解いてみました。
    ン十年前にはじめて原作コミックを読んだとき、映画とのあまりのストーリーの違いに驚愕し戸惑ったものですが、さすがにこちらも大人として成長してからの再読なので、味わいが違います。

    どうして宮崎アニメがいつも胸に刺さるのか…それは、宮崎駿氏が、表現したいもの、伝えなければならぬと思っているものの軸が常にぶれていないことにあると思います。

    宮崎アニメの中を(強く打ち出されるかほんのりと描かれるかは別として)重奏低音のように常に流れている、戦争のむごさと愚かさ、自然に対する人間の振る舞いの傲慢さ、権力者によって作り出された差別や格差、それらに対する怒りと悲しみ、どんな世界にもどんな文化圏で生きる人々にも大切にしていることや生活があること…そして思いやりと労りと希望を持つ人々の姿、それらがまさにてんこ盛り。

    「人間の業」をずーっと考えながら読み進めた7冊でした。ナウシカを映画館で初めて見たあの時より、描かれる架空の世界が現実味を帯びてきているように見える今日この頃。世界はどうなっていくんだろう。私たちはどうしていけばいいんだろう、そう思わずにはいられない。

    映画では若干ヒール的な面があったトルメキアのクシャナが、原作では一味違うキャラクターで描かれています。ナウシカが意図せず内面から迸る光を周囲に降り注ぐカリスマだとしたら、クシャナは自らの役割を自覚し振る舞うことで周囲を導くリーダー。原作ならではのキャラクター対比も、改めての再読で楽しみました。

  • もともと映画しか知らなかったが、原作のほうが世界観の作り込みも話の内容も面白すぎる!
    よんでよかった!映画で続きも作ってほしい!

  • 映画版のナウシカはこの漫画の序章にしか過ぎないという作品。
    初めて読んだのは中学生の頃。雑誌のアニメージュで連載していたのをリアルタイムで読んでいた。
    高校生になって単行本を買い揃えたものの実家に置いたまま上京、実家の改築で行方不明に。
    大人になって改めて購入、再読。宮崎駿の世界の捉え方、考え方に関して、学生時代に読んだ時より少しは理解が進んだかもしれない。
    核戦争後の腐海に覆われた世界、大国の思惑が交錯して小国風の谷とその姫ナウシカはその思惑に翻弄されながらも自らの運命を切り拓いていく。
    一番好きなエピソードはクシャナとその母の話。トルメキアの勇敢で豪胆なクシャナにも忌まわしい過去があるというエピソードだ。
    手許に置いてたまには読み返したい本。

  • ふと手に取ると最後まで夢中で読んでしまう。子どもの頃は1割も理解できず、印象的なシーンしか見ていなかった。イスをひっくり返してメーヴェに仕立てたり胞子を瓶に入れる真似をしたり、幼稚園に入る前の有り余る時間の多くをナウシカごっこに費やしたのを思い出す。大人になってから改めて読み、感動し、何度でも繰り返し読みたくなるからついにセットで買った。

    特に最終巻はおすすめ。これぞカタルシス。宮崎駿の思想が凝縮されていて、人に対して、命に対しての作者の思いがナウシカの言葉の端々から伝わる。ユパさまの最期、クシャナの変化、オーマの生き様、墓とナウシカの問答、ナウシカを取り巻く人々のつながり、思わず涙腺が熱くなる。

    ハウルのあのシーンやらラピュタのあの物体やら、後年ジブリ作品で見られる描写と重なる表現があちこちに見られるのも面白い。宮崎駿はナウシカを通して、自分が抱えている全ての観念をほとんど表現し尽くしたんじゃないかとさえ感じる。あれこれ多方面に手を出さずナウシカ全編を映画化できればいいのにと、単純にナウシカファンとしてはずっと思っている。

    これだけ壮大なテーマなのに、突っ走った挙句収拾がきかなくなったり広げた風呂敷をたたみきれずに尻すぼみになったりなんてしない。クライマックス直後にきっぱりと閉幕。凄い。
    百年経っても、きっと残って読み継がれていると思う。

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著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年東京都生まれ。学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)で劇場作品を初監督。1984年には「風の谷のナウシカ」を発表。1985年にスタジオジブリの設立に参加。「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「魔女の宅急便」(1989)、「紅の豚」(1992)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)を監督。現在は新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中。著書に『シュナの旅』『出発点』『虫眼とアニ眼』(養老孟司氏との対談集)(以上、徳間書店)、『折り返し点』『トトロの住む家増補改訂版』『本へのとびら』(以上、岩波書店)『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)などがある。

「2021年 『小説 となりのトトロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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